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茜雲

「あれれ、こんなところに道があったっけ?」

すぐ近くの商店街のコンビニへ、牛乳を買いに行った こざるちゃん。
帰り道で、立ち止まります。

「おかしいなぁ。こっちでいいんだよね?」

牛乳を抱えて、ちょっと不安な気持ちで左の道を行きます。

「あれ、ここ桜並木じゃないよー、おかしいなぁ。」

こざるちゃん、立ち止まってキョロキョロします。

「だって、家はすぐ近くで、桜並木を抜けたら到着!なんだけど。」

辺りには誰もいません。
朝は晴れていましたが、昼前には曇が広がってきました。
今は雲が薄いところから、少し青空が透けて見えるのですが。

「道に迷っちゃったのかなぁ。ちょっとコンビニまで戻って、聞いてみようかな。」

空を見上げて泣きそうな こざるちゃん。
その時、ピュー、と風が吹いた気がしました。

「わぁ、空が…」

雲が風に流されて、夕焼けに染まり始めた水色の空、太陽の光、茜色の雲が現われました。
さっきまでの ちょっとどんよりした曇り空が、パーッと明るくなりました。

「わぁ! 綺麗だー。」

むむむ…...と、ここで目が覚めたのです。

こざるちゃん、実はウトウトしていて、そのままうたた寝していたのです。

窓の外、空は夕焼け、茜雲も浮かんでいます。

「あー、よかったー。」

ホッとしたこざるちゃんでした。

こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
今日は立冬でしたね。
よい毎日でありますように (^_^)

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