りこちゃんと魔法の傘 3
りこちゃんはショウウィンドウの中の水色の傘を しばらく見つめていました。
夢で見たように、柄の部分も木で出来ています。
お店に入ろうとして、そうだそうだ、友人と待ち合わせているんだと思い出しました。
よかったー、思い出して。
りこちゃんは、とてもおっちょこちょいなのです。
また帰りに寄ってみようと思いました。
そして帰り道、りこちゃんは傘のことを すっかり忘れていました。
が、またデパートの前を通って、傘が飾ってあるショウウィンドウの前で、あ! と思い出しました。
ウキウキして お店に入ります。
「すみません、あそこに飾ってある傘なんですが」
りこちゃんは店員さんに尋ねました。
けれども りこちゃんは傘を買うことはできませんでした。
在庫が切れていたのです。
「飾ってある傘でもいいのですが」
と、聞いてみましたが、
「申し訳ございません。先程、取り置きの依頼がありまして」とのことで、売り切れてしまったのでした。
次の入荷を聞いてみましたが、問い合わせてみますとのことで、いつなのかは連絡待ちになりました。
もしかすると もう入荷しないかもしれません。
りこちゃんは、がっかりしてお店を出ました。
まだ明るい夕方の空に 月が浮かんでいました。
もうすぐ夏至です。
話は続きます
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?