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りこちゃんと魔法の傘 2

りこちゃんが言うには、クジラの口の中にあった水色の傘は とても綺麗な色で、柄の部分が木で出来て 持ちやすいように曲がっていました。
夢の中でも、好奇心旺盛な りこちゃん、傘があればさしたくなります。

「それで りこちゃんは傘をさしてみたんだ。」

その時、クジラがくしゃみをして、気がついたら傘をさしたまま、海の中にいました。

「傘をさして、空を飛ぶように海の中を魚たちと泳いでいたって りこちゃん 言ってたね。」

夢ですから、息が出来ないなどということはありません。
とても気持ちよく、傘をさして 泳いでいたそうです。

「翌朝、りこちゃんが すごく嬉しそうに 『いい夢 見たよー。』って話してくれたもんね。」

いい夢を見ると、内容を覚えていなくても 何だかいい気分になります。
あれ? 何だか嬉しい気がするけれど、何でだろう?という感じです。
寝る前は、嫌なことがあっても とりあえず脇において 忘れて、ゆっくり深呼吸して 身体をほぐして、心もほぐして、そしていい夢を見たいものです。
翌朝もいい気分で、よーし!という心持ちなら、何でも上手くいくように思います。

それから数日後のことです。
りこちゃんは 友人と遊びに出かける約束があって、待ち合わせ場所に向かっていました。
たまたま通ったデパートのショウウィンドウに 「あ! あの傘!」
りこちゃんが夢の中でさしていた水色の傘が飾ってありました。


話は続きます

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