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霧の朝と フランシスコ教皇

「わー、真っ白だ!」
「え? 雪?」
「違う違う、霧だよ!」

外は霧で覆われています。

「ほんとだ、すぐそこも見えないよ!」
「すごいねー、幻想的だね。」

こざる達は、何だか嬉しそうです。

11月最終週が始まりました。
こざる達は いつものように賑やかに お喋りしながら、
朝ごはんの仕度をしています。

ラジオから、ローマ教皇来日のニュースが流れてきます。

「今までは"法王"って呼んでたけど、"教皇"に変わったんだね。」
「うん、そうだね。」
「フランシスコ教皇だ。」
「昨日、長崎と広島を訪れたんだよ。」

被爆地訪問は、教皇の強い希望だったといいます。

「今日は東京ドームでミサをやるんだね。」
「あんな大きいところでやるんだ。」
「それでもとても入りきらないほど、沢山の人が教皇に会いたがっているんだと思うよ。」

そうですね。
カトリックの信者の方はもちろん、そうでない方にも とても人気があります。

「フランシスコ教皇は、とっても優しくて気さくで親しみやすい方で、とっても人気があるんだよ。」
「あ、以前の留守電のエピソード!」
「修道院に新年の挨拶で電話した話!」

こざる達が話しているエピソードは、スペインの修道院に新年の挨拶でフランシスコ教皇が電話をしましたが、誰も出なかったので、留守電を残したのです。
それを聞いた修道女たちが、死ぬほど驚いたというものです。修道女たちの何人かが教皇と同じアルゼンチン出身で、古くからの知り合いであるとはいえ、
まさか教皇が自ら電話をかけてくるなんて、思いもよらなかったからです。

「修道女たちは、お祈りをしていて出られなかったんだけど、留守電のメッセージを聞いて、驚いて何度か電話をかけ直したんだけどうまくつながらなくて、でも夜にまた教皇から電話があって、今度はちゃんとお話しできたんだよね。」
「ものすごく地位の高い方なのにね。」
「とっても優しい方なんだよ。」

また教皇は、自分で買い物をしたり、普通に労働者が行く安い食堂へも行ったりするのです。
こういう行動は、今までのローマ教皇にはなかったことのようで、大人気なのです。

「きっと皆と一緒にいてくれるんだって思えるからだよね。」
「うん、そうだよ。特別な方なのに、特別扱いを受けないことを望んで、そういう行動をするって、なかなかできないことだと思うよ。」
「だから尊敬されるんだよ、きっと。」
皆、うんうん頷きます。

特別扱いを受けたい….各界の地位が高い人達を見ると、そういう人ばかりのように思えます。

ラジオから、美しい歌が流れてきます。

「あ、これ、りこちゃんの古いレコードに入っているよ!」

シューベルトの『アヴェ・マリア』です。

「いいねー。」
こざる達は嬉しそうに聴いています。


朝ごはんが出来たようです。

「りこちゃん、呼んでくるね。」
こざるちゃんが、りこちゃんの部屋へ向かいます。

「りこちゃーん、朝ごはん 出来たよー。
今日は ホットサンドだよ。玉子と、ハムと、バナナもあるよ!
皆で一緒に食べよう!」

こざるカフェは、今日も ゆっくり始まって
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
フランシスコ教皇は、子供とのエピソードもありましたね。本当に優しい方なんだと思います。
よい毎日でありますように (^_^)

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