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丁寧な宅配便屋さん

朝から雨の一日でしたが、
夕方、少し明るくなってきて、西の空が ほんのり夕焼けに染まりました。
地上では雨でも、雨雲の上は いつだって晴れているのだと思うと、何だか嬉しくなります。

こざる達は、いつものように 皆でワイワイ お喋りしながら 夕飯の仕度をしています。

「今朝の宅配便屋さん、久しぶりだったけれど やっぱりとっても感じがいいよね。」
「うん、本当に あのお兄さんは素晴らしいよ!」
皆、うんうん頷きます。

今朝早く、雨の中、宅配便屋さんが 荷物を持ってきてくれました。
こざる達が頼んだ通販の荷物です。

「あのお兄さんは何度か来てくれているんだけれど、このところは違う宅配便の人が多くて久しぶりだったね。」
「ものすごく感じがいいんだよね、言葉遣いが丁寧で、物腰が柔らかくて、穏やかで…。」

宅配便屋さんというと、元気いっぱいのガテン系、もちろん言葉遣いもきちんとして
感じがいい方も多いのですが、この今日のお兄さんは、なんというか、そういうタイプではないのです。

「ここの宅配便の会社の社員教育なのか、それとも このお兄さんが元々そういうタイプなのか、わからないけれど、
ちょっと違う感じなんだよ。」
「うーんと、例えばデパートの店員さんが転職してきたような、そんな感じだよ。」

まさにそうなのです。
デパートの紳士服売り場の店員さん、いや紳士服でなくても、ハンカチでも靴でも、
あるいは時計や宝飾売り場でもいいのですが、
そういう雰囲気、丁寧で、控えめで、「○○様ですね、かしこまりました。」
などともの静かに言い、きちんと仕事をこなす、そんな感じなのです。
それも全て自然な感じなので、身に付いているのでしょう。

「あのお兄さんが配達してくれると、僕たち とっても嬉しくなっちゃうんだ。」
皆、うんうん頷きます。

「言葉遣いって大切だよね。」
「うん。本当にそうだよね。」
「今日来てくれた お兄さんと同じ宅配便の会社の人も、何度か配達に来てくれたけれど、
その人も、同じように丁寧だったよね。」
「やっぱり研修がいいのかもね。」

言葉ひとつで、嬉しくなったり、嫌な気持ちになったり、
本当に大切な事です。

「よーし、夕飯、出来たよ!」
「りこちゃん、呼んでくるー。」

こざるちゃんが、りこちゃんの部屋へ向かいます。

「りこちゃーん、夕飯で来たよ! 今夜は鯖味噌だよ! 美味しい炊き込み御飯と、具だくさんお味噌汁もあるよ!
皆で一緒に食べよう!」


今日も、こざるカフェは ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
明日も また雨なのですね…梅雨ですからね。
よい毎日でありますように (^_^)

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