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パートナーシップ宣誓制度って?

この記事は、2022年2月23日にはてなブログで書いた記事です。
noteにアップしなおすということで、加筆修正をしています。


パートナーシップ宣誓制度が146の自治体で導入されています。そのうち14の自治体でファミリーシップ宣誓制度も導入されています。また、12の自治体でパートナーシップ宣誓制度が導入予定となっていて、パートナーシップ宣誓制度の導入を検討している自治体が40となっています。そんな、パートナーシップ宣誓制度についてお話したいと思います。

 パートナーシップ宣誓制度って一体何なのか?

パートナーシップ宣誓制度が始まったのは、2015年11月5日東京の渋谷区、世田谷区からでした。渋谷区のパートナーシップ宣誓制度は、「パートナーシップ条例」ということで条例化されています。また、公正証書が必要になり、お金もかかってくることからハードルが高いということもあり、二の足を踏んでいる当事者もいるのではないでしょうか。
渋谷区以外にこれ以外にも、三重県でもパートナーシップ制度が条例化されています。

世田谷区のパートナーシップ宣誓制度は、今パートナーシップ宣誓制度を導入している自治体の元になっていると言えるでしょう。

このパートナーシップ宣誓制度は、昨今のLGBTQ+関連の報道にもあるように、LGBTQ+の多くのカップルが生活を共にしているにもかかわらず、事実婚として認めてもらえないことから、多くの自治体で結婚相当に当たる関係であることを認めるものとして始まったものです。
ですが、パートナーシップ宣誓制度は、自治体によって違いがあるので引越しなどが伴う場合などは確認が必要になる事が多いです。
そして、残念なのが、パートナーシップ宣誓制度がある自治体でも広く一般に周知されていなことです。

また、このパートナーシップ宣誓制度が同性に限ってという自治体もあるという点も知っておいてもらいたいです。

パートナーシップ宣誓制度ってどうなのか?

僕たちカップルが今住んでいる京都市でも2020年9月1日から導入されました。以前、東京の板橋区に住んでいたときには導入されることがなかったので、京都にパートナーと一緒に引っ越してくる時に家探しで苦労したことを覚えています。

何よりも僕たちカップルは障害者でもあり、LGBTQ+でもあるのでパートナーシップ宣誓制度があることはすごく助かっています。

 このパートナーシップ宣誓制度で自治体が交付する書類として

  • パートナーシップ宣誓書受領書

  • パートナーシップ宣誓書受領証カード(ない自治体もあります)

があるのですが、公的な場(役所など)で提示をした場合に、

 「こんなのあるんですね」

なんて言われてしまうことがあるということです。
こういったことを言うのは、市区町村の窓口対応をする職員に多く見られます。この発言の多くは、自分の住む自治体で行われている制度なのにも関わらず無関心であることから来ています。また、自治体の仕事をする公務員であり、自治体の行う制度の情報を自分で収集することを怠っている仕事への姿勢に呆れるばかりです。

また、パートナーシップ宣誓制度を利用している当事者の中には、家探しの際にパートナーシップ宣誓受領書を提示刺した際に不動産会社の担当から「こんなの効力ないですよ」などと心無い言葉を言われたとも聞きます。

ですが、パートナーシップ宣誓制度は、無いよりかは有ったほうがいいとは思います。と、いうもの、パートナーシップ宣誓を行ったカップルの多くがあまり使用する機会がないのという実情もあるので、広く一般に周知されることがないのが残念なところかもしれません。
また、LGBTQ+当事者以外の人は、自治体の制度にどいったものがあるのかも知らないという無関心なところもあるのかもしれません。

自分の子供が障害を持って生まれてきた、大人になって障害があることがわかったなどの場合、生活していくために必要なことを調べて、初めて知るってことが多くありません。
これが、パートナーシップ宣誓制度の場合も同じで、特に自治体の職員に限っては、知っておいて然るべきものですが、

  • あまりパートナーシップ宣誓受領証カードなどを見る機会がない

  • パートナーシップ制度そのものを知らない

  • 周りにLGBTQ+の当事者がいないと思っている

  • 自分の担当している業務にはあまり関係がないと思っている

など、無関心である様子がうかがえます。

パートナーシップ宣誓制度は法的拘束力が無い(渋谷区は除く)ことが、宣誓をしようと思うカップルが多いとは言えない現状なのかもしれません。
ですが、僕自身は経験をもとに言うと、パートナーシップ宣誓をしてよかったと思っています。それは、LGBTQ+でなおかつ障害者なので、パートナーシップ宣誓受領証カードを提示する機会が多かったからかもしれません。

これも京都市だったからといえばそれまでなのかもしれません。
これが京都市ではなく、大阪市や東京23区で健常者の場合、使う機会がないのも頷けます。また、引っ越しとなっても、東京や大阪であればLGBTQ+フレンドリーな不動産会社があるので、そうそうパートナーシップ宣誓受領証を提示することもないと思います(パートナーシップ宣誓受領証カードなどを持っているかどうかを不動産会社の担当から聞かれることはありますが・・・)。

生活の中で持っていても使わないのだからと言って、パートナーシップ宣誓制度がある自治体で取得をしたけども、引っ越しの時に返還して、手続きが面倒だからパートナーシップ宣誓をしないくなるというケースもなくはないなと感じます。

極論、今の自治体ごとのパートナーシップ宣誓制度は、同性婚ができるようになった後では、利用する人が多くないのかもしれません。そして、夫婦(夫夫・婦婦も含む)別姓が法的にOKとなった場合には、誰が結婚しているかなんてわからなくなります。

驚くようなことではないのかもしれませんが、パートナーシップ宣誓制度がLGBTQ+だけのものでなく、異性愛者(ヘテロセクシュアル)の事実婚カップルもOKとなれば、国も動くのかもなって思わなくはありません。

また、パートナーシップ宣誓制度は、LGBTQ+を可視化するには1番なのかもなって思います。 

パートナーシップ宣誓制度と養子縁組ってどう違うの?

LGBTQ+の中には、パートナーシップ宣誓制度ではなく、養子縁組をするカップルも一定数います。そもそも、養子縁組は法的に守られるため、パートナーシップ宣誓制度を利用しようと思わないということもあります。これはあくまでも現在の状況の中で最善の方法としてってだけにすぎません。ですが、同性婚ができるようになると、結婚の代替手段として養子縁組を選んだカップルは、どうなっていくのか想像がつきません。

自治体の中には、結婚の代替手段として養子縁組を選んだカップルもパートナーシップ宣誓制度を利用できるしているところもあるようですが・・・。

パートナーシップ宣誓制度は、LGBTQ+のカップルをカップルとして扱うのに対し、養子縁組は親子の関係になってしまうんですよね。パートナーではなく親子なんですよね。

 僕自身、友人に「法的拘束力があるから養子縁組はいいよ」と言われたことがあります。ですが、なぜ養子縁組をしなかったかというと、それは書面上とは言えど親子になりたい訳ではなかったからなんです。

法的拘束力はないかもしれないですが、パートナーシップ宣誓制度を使うことによりカップルとして制度を利用できるようになるものもあります。また、自治体に一つの家庭、家族だと認めてもらえます。
これが大きいかなって思います。なので、僕はパートナーシップ宣誓制度を利用することにしました。

最後に!!

まだまだ、パートナーシップには

  • 自治体ごとに制度内容に違いがある

  • 申請者の居住に関する項目に自治体ごとの違いがある

  • 地域相互連携が進んでいない

など、多くの問題があります。ですが、良い制度ではあるので、利用する価値はあります。当事者がもっと利用しやすくなるように、当事者自身だけでなく自治体からの働きかけが必要なんじゃないかと思います。

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コザル
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