LGBT理解増進法について思うこと
LGBTという言葉を聞いて何を意味するか皆さんはご存知でしょうか。
TV、新聞、ネットニュースなどで報道されているので、聞いたことがない人はいないのではないかと思います。
LGBTとは
L : Lesbian(レズビアン)
G : Gay(ゲイ)
B : Bisexual(バイセクシュアル)
T : Transgender(トランスジェンダー)
Transsexual(トランスジェンダー)
の略語で性的マイノリティの総称とされています。
とは言え、性的マイノリティの総称とは言われていますが、基本的にLGBTのことを中心に話がされるということをご存知でしょうか。
ジェンダー(性別)で言うとシスジェンダー(生まれながらの性別と自認する性別が一致する人のこと)とトランスジェンダー(生まれながらの性別と自認する性別が一致しない人のこと)でしか話はされていないのです。
と、なると今話題になっているLGBT理解増進法とはいうものの、シスジェンダーのヘテロセクシュアル(異性愛者)を中心にシスジェンダーの視点でトランスジェンダーのことを理解して、同性愛者・・・ゲイやレズビアンや両性愛者・・・バイセクシュアルの人達のことを理解して、差別しないようにしましょうと、いうものだと、クエスチョニングの当事者としては思うんですよね。
なので、法案の名前をLGBT理解増進法としていのかという疑問が湧くんです。
性的マイノリティ理解増進法とするのもおかしいかなって思います。
と、いうのも性的マイノリティはLGBTだけではないからです。
そして、〇〇差別禁止法(特に有名なのは障害者差別禁止法ですが)なんて法律を作るくらいなら、全てにおいて差別禁止法として、障害者だけでなく、LGBTQ+のことなどいろんな差別をしてはいけないとされることを必要があれば法律に追加していくだけで良いんじゃないかなって思うんです。
障害者は差別してはいけないけど、LGBTの人達を理解をすることで差別がなくなると思っていること自体が、そもそもの間違いだということになぜ国会議員の方々は気付かないのでしょうか。
理解した上での差別であれば問題ないというのでしょうか?
理解出来ない、差別してしまうのは若い世代ではなく、お歳を召した方々だということをお分かりいただいているのかもすごく疑問に思います。
自分たちが若かったころはLGBTなんていなかったと思っているのかもしれないですが、急にLGBTQ+の人達が表に出てきたのではありません。昔から、一定数のLGBTQ+の人達は存在していて、自分たちがのけ者にされないようにする為に言わなかったという歴史があったのです。
背景を無視して、『差別しないためには理解することが重要だ』というのはあながち間違ってはいないのですが、理解をした上で差別してしまったら身も蓋もありません。
例え、理解していなかったとしても理解してるといってしまえば何でもOKなのでしょうか?
今一度、考えてもらいたいと思います。
皆さんに質問ですが、LGBT以外のQ+に属するセクシュアリティの人のことはご存知でしょうか?
シスジェンダー
クエスチョニング
ノンバイナリー
Xジェンダー
リスセクシュアル
アセクシュアル
クォイセクシュアル
パンセクシュアル
マセクシュアル
ウーマセクシュアル
ヘテロセクシュアル
バイセクシュアル
リスロマンティック
アロマンティック
クォイロマンティック
パンロマンティック
マロマンティック
ウーマロマンティック
ヘテロロマンティック
バイロマンティック
と、いった具合にジェンダーにも性的指向にも恋愛指向にもそれぞれ名前があるのです。
これらを1つずつ理解した上で理解増進をすることが大事たというのでしょうか。
まずは、理解するよりも先に差別をしないことが先ではないのでしょうか?
日本には差別がないと思っている人もいるかもしれませんが、無意識のうちに差別されてるなって思うこともあります。自分と違うから区別してるのかもしれませんが、差別してるなって思う部分が当事者としてはあるんじゃないかなって思ったりします。
それから、このLGBT理解増進法に絡めて、かねてから疑問に思っていたことなのですが、性的マイノリティの総称とされる『LGBT』は、本当に総称としてふさわしいのかどうかということです。
当事者の間でも
LGBT
LGBTQ
LGBTQ+
LGBTQIA
LGBTQIA+
といった具合に総称として使う言葉が違っています。なので、どれが総称としてふさわしいのかがわかりません。
また、恋愛指向としては同性を対象にする人でも、性的指向が両性(男女に向く)を対象にしている人も少なからずいます。そういった人達のことを性癖だと片付けてしまいたくなるかもしれませんが、性的指向であって、性癖ではないということも理解していかないといけないのではないかなって思います。
場合によっては、性癖が差別言葉になることを覚えてもらうことも大事になってきます。
最後にこれだけは覚えておいて下さい。
LGBT理解増進法を成立させたい側は、理解のあるAlly(アライ:理解者)ですが、法律を上手く操作してLGBT理解増進法(与党修正案)、シスジェンダーへの配慮を盛り込んだLGBT理解増進法(維新・国民民主案)を成立させたい人たちはAllyではありません。
なぜ、マジョリティであるシスジェンダーへの配慮をしなければいけないのでしょうか?
シスジェンダーを理解しているのか
マジョリティへの配慮が本当に必要か
マイノリティばかりが配慮されるというのはおかしいという考え
これは、はっきり言って、LGBT理解増進法が成立してしまうと、トランスジェンダーばかりが配慮されてシスジェンダーが配慮されなくなってしまういうおかしな考えに基づいています。ましてや、配慮しなかったのはシスジェンダー側であって、シスジェンダーへの配慮を求めるというのは、ただの屁理屈じゃないかなって思います。
シスジェンダーが何なのかを理解していないということの表れではないでしょうか。
シスジェンダーとは
シスジェンダーヘテロセクシュアル
シスジェンダーゲイ
シスジェンダーレズビアン
シスジェンダーバイセクシュアル
シスジェンダーパンセクシュアル
シスジェンダーアセクシュアル
シスジェンダーリスセクシュアル
シスジェンダークォイセクシュアル
の人達だけなのです。
また、トランスジェンダーとは
トランスジェンダーヘテロセクシュアル
トランスジェンダーゲイ
トランスジェンダーレズビアン
トランスジェンダーバイセクシュアル
トランスジェンダーパンセクシュアル
トランスジェンダーアセクシュアル
トランスジェンダーリスセクシュアル
トランスジェンダークォイセクシュアル
これは、ノンバイナリー、クエスチョニング、Xジェンダーには
ヘテロセクシュアル
ゲイ
レズビアン
は存在しません。
そのことを知ってもらえれば、配慮が必要(配慮が必要な順で記載)なのは、
ノンバイナリー、Xジェンダー、クエスチョニング
トランスジェンダー
シスジェンダー
のといった感じになります。
また、シスジェンダーのヘテロセクシュアルの方々については、配慮が必要ないといってもイイかもしれません。
ですが、トランスジェンダーで戸籍の性別変更を行っているヘテロセクシュアルの人に限っては、トランスジェンダーということで配慮は必要かもしれませんが、セクシュアリティでの配慮は必要がないかもしれません。
ということで、シスジェンダーヘテロセクシュアルの方々は、セクシュアルマイノリティではなく、マジョリティなので、配慮の必要はなく、あなた方が配慮をしていく側なので法律に記載する必要はないように思います。
また、シスジェンダーのセクシュアルマイノリティの方々には、セクシュアリティについてもっと発信をしてもらいたと思ったりもします。
そこで、初めてセクシュアリティの理解が深まり、配慮するべきことが見えてくるように思います。
LGBT理解増進法を作る本当の意味を皆さんでもう一度考えてもらいたいと思います。
サポートよろしくお願いします。ご支援くださったたサポートは、今後のクリエイター活動だけでなく、今後の当事者支援に役立つ形にさせてもらいます。