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【当事者が思う】カミングアウトについて

この記事は、2021年6月29日にはてなブログで書いた記事です。
noteにアップしなおすということで、加筆修正をしています。 


今回は、最近、多くの有名人がカミングアウトをされていることについて、ちょっと思うことがあったので、当事者としてどう思うかを書かせてもらいたいと思います。

僕のセクシュアリティ

僕自身のセクシュアリティについて、下記のサイトでセクシュアリティについて調べてみました。

そこで出てきた、僕自身のセクシュアリティは、『ノンバイナリー マセクシュアル マロマンティック リスセクシュアル クォイロマンティック』だったんです。

僕のセクシュアリティを簡単に説明すると、

  • ノンバイナリー:男性とも女性とも性別を決めない、決められたくない

  • マセクシュアル:男性と性的関係を持つ

  • マロマンティック:恋愛対象が男性である

  • リスセクシュアル:性的な目で見られたくない

  • クォイロマンティック:恋愛なのか友情なのかわからい
               好きという感情がわからない

という感じになります。
確かに、恋愛にセックスを重要視してないこともありますし、スカートは穿きませんけど、男性物でも女性物でもサイズが合えば着ますし、喋り方もどちらかというと男っぽい喋り方をあんまりしないですしね。

 有名人のカミングアウト

最近、シンガーソングライターの宇多田ヒカルさんが『ノンバイナリー』だということを公表されました。

 また、新進気鋭の若手サックス奏者・中山拓海さんがゲイであることをカムアウトされたなんてのが記事になってたりします。

有名人の方がセクシュアリティをカミングアウトするのは良いんです。ですが、一般人がセクシュアリティをカミングアウトすると、根掘り葉掘り聞かれたくないことを、聞かれるってことがあるんですよね。
また、一般人の場合、アウティングの問題、偏見や差別的言動がつきまとってきます。

 有名人の方の場合も悩んで悩んで、結論を出してカミングアウトするってことにしていることは良しとしても、一般人が職場や友人にカムアウトする場合はどうでしょう。

カミングアウトに対して理解を示すのは、若い世代だけのような気がします。ですが、気がするだけで、若い世代でも本当に理解しているかどうかはわかりません。

LGBTQに代表されるセクシュアルマイノリティのことを本当に理解していて、受け入れられる人がどれくらいいるのでしょうか。

ノンバイナリーについて

宇多田ヒカルさんが公表した『ノンバイナリー』ってどういうセクシュアリティなのかお判りでしょうか。

 ノンバイナリーとは

ノンバイナリーとは、(身体的性に関係なく)自身の性自認・性表現*に「男性」「女性」といった枠組みをあてはめようとしないセクシュアリティになります。

 ノンバイナリーとXジェンダー、クィア、クエスチョニング、第三の性、ジェンダーレスの違いについて表にさせてもらいました。 

ノンバイナリ等の表

 ノンバイナリーについては、いろんなサイトに記述がありますが、そのサイト内での解釈もあるので、当事者に確認するのが良いのではないかと思います。
今回の記事を書くにあたり、参考にさせてもらった、「Job Rainbow」さんでは、上記の表の内容で記載されていました。

僕、 宇多田ヒカルさんの言ったノンバイナリーって言葉知らなかったんです。それで、調べてみて、Xジェンダーと同じで性別を決めたくないとか、性別を決められないってジェンダーの言い方なんだってのを知りました。
また、性表現も決めたくない、決められたくない場合にも使えるんだということがわかりました。
宇多田ヒカルさんが、

「ミセスかミス、どちらで呼んだらいいですか?」と聞かれることや、日常的に「ミス・ミセス・ミズ」のどれかを選ばなきゃいけないことにうんざり😩自分の婚姻状態や性別を前面に押し出す呼ばれ方に違和感しかないし、どの接頭辞もしっくりこない。選ばされる度に、自分を偽ることを強いられてるみたい。性自認や社会的立場に関係なく、誰でも使える別の選択肢があったらいいのにな〜。 

GENXY
宇多田ヒカル、「ノンバイナリー」をカミングアウト!

 といったの気持ちはわかる気がします。
会社などで同僚などを呼ぶときに『○○さん』って呼ぶのは、今更ですけど、ありがたいなって思いますね。男性とも女性とも定義しないところがイイなって思います。

 最近、厚生労働省認定の履歴書で、性別欄がなくなってますよね。ハローワークなどでは、記入してもいいし、未記入でもいいってのも本当にありがたかったです。

なので、僕自身、転職活動の際に未記入で応募企業に提出しました。

 セクシュアリティについての経験談

昔は、男性とセックスしたいって思ってたし、セックスは愛の確認作業的に思ってたこともありました。ですが、年齢を重ね、何人かと恋愛をしていくうちに、セックスはそんなに重要じゃないって気付いたんです。付き合いだして、何回かはセックスをすることもあるのですが、そのうち相方とセックスをしたいと思わなくなるんですよね。なので、20代半ばからの恋愛では、相方とほぼセックスをしてないですね。

  • 付き合ったらセックスしなければいけない

  • 体の関係を求められる

ってのが苦痛でしかありませんでした。苦痛だったとしても、自分から苦痛だとは言えないんですよね。セックスはして当然的な考え方もあるので・・・。
セックスをしなければ・・・っていうのとか、体の関係を求められるってのは、リスセクシュアルの僕にとっては、ハラスメント以外のなにものでもないからです。

高校の時は、同級生から『男は女と付き合うもんだ』なんて言われたことがあります。これもイヤでしたね。だって、恋愛もセックスも男女じゃなきゃ成立しないわけじゃないですしね。
こういう押し付けがジェンダーアイデンティティやセクシュアルアイデンティティの押し付けにしかならないんですよね。
あまりやりすぎると、『SOGIハラ』としてLGBTQ+の当事者から訴えられますので、お気を付けください!!

話が横道にそれましたが、一般人と有名人のカミングアウトの違いはたいしてないです。というのも、受け入れる人もいれば、受け入れない人もいるからです。それに、一般人よりも有名人はアウティングの危険性が高いってことはありますが・・・。

 有名人の方がカミングアウトをしてくれると、これからカミングアウトしようと思っている人の勇気に繋がるので、ありがたい限りです。でも、一般の我々ばカミングアウトしやすいかというとそうでもないんです。
カミングアウトには説明が必要になります。そして、その説明を理解してもらうことが必要になります。理解をしてもらっても、アウティングをしないでもらわないといけないんです。
だから、カミングアウトは勇気さえあれば出来るとは言えますが、説明をするための準備も必要になってくるので、理解してもらうことが容易でないのです。すぐに理解してもらえる場合もあれば、理解して認めてもらえるまでに時間がかかる場合もあるので難しいと言えますし、タイミングが重要になってくるってことなんです。

有名人の場合でも受け入れてもらえるとは限りませんし、カミングアウトするタイミングを間違うとSNS上で炎上してしまって

 お前がカミングアウトするな

って言われてしまう危険性がついてまわります。 

また、今の時代、誰が信用できるかわかりません。そして、誰がどこまでLGBTQ+のことを理解しているのかもわかりません。また、偽善的な人が多いので、

 『言いにくいこと言ってくれてありがとう』

 なんて言われても、関係が良好に築けていけるかどうかがわかるまでは、安心できないんです。

芸能人のカミングアウト

なぜ芸能人のLGBTQ+の人はあまりカミングアウトしないのでしょうか

  • 表でも裏でも芸能界には多くのLGBTQ+の人が多いこと

  • LGBTQ+に寛容な業界であるため言わずに済んでいる

  • 芸能界 = ゲイ能界 だから

などの理由があるのではないでしょうか。

なぜカミングアウトするのか

やはり、『生きにくい』って感じるからなんです。 この『生きにくい』って言うのはどういうことなんでしょうか。

生きにくいというのは、社会生活を送る中で、自分らしく生きれていないと感じているからです。また、自分のプライベートや自分の気持ちを偽ることこそが、生きづらいと感じる理由だからです。

有名人の方でも一般の方でも、家族や一部の友人にはカミングアウトしていても、世間的にカミングアウトしていないケースが多いんです。それと、デビューする際に事務所からLGBTQ+だとわかると、イメージが良くないから、付き合っている相手と別れることを言われてしまうといったこともあるからなんです。だから、セクシュアリティをカミングアウトしまうという決断に至るんです。 

カミングアウトしたら生きやすくなるのでしょうか。

生きやすくなることばかりじゃありません。世間的にカミングアウトをしても、これで終わりじゃないんです。カミングアウトしたら、どんな人と付き合っているのかって詮索されることもあるんですよね。

これが人間の心理なんですよねぇ。

 恋愛話あるあるで、男女の恋愛でも付き合ってる人がいるってわかったら 

  • 彼女の写真みせてくんない?

  • 彼氏ってどんな人なの?

 なんて言われることありますよね。これって、LGBTQ+の人は特に嫌がります。言われようもんなら、ゲイの場合だと彼氏を彼女に置き換えていたり、レズビアンの人の場合だと彼女を彼氏に置き換えていたり、アセクシャルの人の場合なんかは恋人がいないとは言えなかったり、ということがあったりしますので、恋愛の話は慎重にした方が良いと言えるかもしれません。

 相手に聞く場合には、『好きな人いるの?』と聞くのが良いとは思われますが、アセクシュアルの人は、そもそも恋愛もセックスも積極的にするわけではないので、 

いないんだけど・・・

 って思ってるけど、いるって言わないと話がややこしくなるし・・・・ってことを慮って、いるって答えてるケースがあるので、そもそも恋愛の話をしたいって思うなら、前提にヘテロセクシュアルであっても、自分のセクシュアリティを言うところから始めるのが良いんじゃないかって思います。

 ヘテロセクシュアル(ストレート)であっても、性的欲求を異性に抱く人ばかりではないからです。

恋愛対象は異性、性的欲求を男性にも女性にも抱く人もいるからです。

 セクシュアリティは、1人1人違っていて当たり前なんです。

まとめると、今回言いたかったのは、

  • セクシュアリティの押し付けはしない

  • 有名人、一般人問わず、恋愛や結婚の詮索はしない

  • 良かれと思っての気持ちで他人のセクシュアリティを言わないこと

  • 有名人だからと言ってカミングアウトするのが当たり前ではない

  • 恋愛の話しをしたいなら、ヘテロセクシュアルの方であってもセクシュアリティを言うことを心掛ける

ということです。

最後に

カミングアウトには、立場などにかかわらず、いろいろな危険性があります。それは、『受け入れてもらえるかどうかわからないということ』『アウティングされてしまうかもしれないこと』です。
LGBTQ+の当事者は言いたいから言っていると思われがちですが、それは違っていて、当事者であっても言いたくない人はいます。
なので、カミングアウトされた際は、『そうなんだ』くらいの気持ちで受け入れてもらう方がイイかなって思います。

 カミングアウトとは、LGBTQ+当事者の生き様そのものなので、温かく聴いてもらえればと思います。

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