アントレプレナーシップ教育を受ける高校生がボランティアスタッフとして参加!/仙台育英学園沖縄高等学校 KOZAROCKS 2024インタビュー
2024年7月6日に沖縄県沖縄市コザにて開催されたカンファレンスイベントKOZAROCKS 2024のレポート記事です。
今回は、ボランティアスタッフとして関わってくれた沖縄市コザにある高校「仙台育英学園沖縄高等学校(以降、仙台育英沖縄高校)」の教頭を務める庄司先生にインタビューしました。
まずは、仙台育英学園沖縄高校について教えてください。
「仙台育英」と聞くと、「あの仙台にある野球の強豪校、仙台育英ですか?」とよく聞かれますが、まさにその仙台育英の沖縄校となっています。
なぜ沖縄にも高校を作ったのかというと、きっかけは2011年の東日本大震災でした。宮城県にある仙台育英学園高校の校舎復興の目途が立ち、沖縄へふと立ち寄った際のできごとでした。心身ともに疲弊していたわたしたちを、沖縄の地元の方々は本当に温かく迎えてくださり心が救われたのです。そこで「そんな沖縄に恩返しができることはないだろか」ということから様々な課題をわたしたちなりに見出し、人材育成という観点から高校の立ち上げに至りました。
仙台育英学園沖縄高校のコンセプトとしては大きく2つ。ICT教育、アントレプレナーシップ教育です。
今の時代、ICT(情報技術)は必須のスキルとなっています。そのスキルを高めることで、社会で活躍できる人材になれると思っています。
また、情報技術という意味合いとは別に
という3つの理念を大切にし、ただ会社で働くのではなく「自ら動きイノベーティブなことにチャレンジしていく」というようなアントレプレナーシップ教育も行っています。
KOZAROCKSへボランティア参加することになったきっかけは何ですか?
「仙台育英」という名前を聞くと、外部から来ているというイメージを持たれてしまう傾向があり、地元・沖縄市に貢献する高校であることを伝えたいと思っていました。
沖縄市の人材育成に取り組む中で、KSAがコザから起業家を生み出そうと面白い取り組みを行っていることを知り、2024年から連携がスタートしました。
KSAの起業家と一緒にカレー商品を開発したり、いろんな連携を増やしていく中で、今回のKOZAROCKSにもボランティアスタッフとして参加したいと考えました。
ちなみにボランティアへ参加した生徒は強制ではなく、自主的に手を挙げたメンバーのみになっています。
KOZAROCKSへはどのような期待を持って生徒たちをボランティアへ送り出しましたか?
KOZAROCKSに来る起業家や投資家など、挑戦する大人たちの姿を生徒たちが見ることで、良い刺激を受けられたらいいなと思っていました。
もちろん、すぐに「起業したい」となるわけではないですが、教室の外に出て挑戦の空気に触れることが大切だと考えています。
先生もKOZAROCKSに参加していただいたのですが、参加してみての印象を教えてください!
ボランティアとは関係ない部分ですが「アントレプレナーシップを育んだ人財を社会はどう受け入れるか」というトークセッションは非常に勉強になりました。
仙台育英学園沖縄高校でもアントレプレナーシップ教育を行っていますが、特に印象に残ったのが「アントレプレナーシップとアントレプレナーは違う」という言葉です。
アントレプレナーシップはあくまで起業家精神=どういうマインドセットを持つかという部分で、実際に起業をしなくても、アントレプレナーシップを持って取り組むことが重要であると感じました。
学校の先生をしていると、社会人としての経験が先生しかないことが多いので、このようなセッションを通して他の仕事で活躍している方の話を聞けることはとても貴重な機会でした。
高校生の皆さんは、KOZAROCKSのボランティアスタッフとしてどんな活動を担当されましたか?
今回、仙台育英沖縄高校からは15人の生徒が参加しました。
担当した役割としては
総合受付
会場設営
ゲスト誘導
会場内でのタイムキーパー
音響管理
などがありました。
生徒たちの反応や感想はいかがでしたか?
イベント開催後にアンケートを実施し、こんな声が上がっています。
「楽しい」「いい経験だった」という声がある一方で、こんな意見もありました。
「思うようにできなくて悔しかった」と思った生徒が何人かいたのが印象的でしたね。言語が英語のみだった会場に配属された生徒は「英語が全然わからなかった。わかるようになりたくて勉強している」という行動も見られ、嬉しかったです。
現場のスタッフリーダーたちからも、高校生たちが自主的に動いていて本当に助かったという声が上がっていました!
そう言ってもらえて本当にホッとしています。
私たち教員側から現場を見ていると、まだまだもっとできる部分も多いと感じています。
KOZAROCKSが終わったあと、生徒たちにどのような変化や成長を感じましたか?
「一皮剥けたな」と感じています。具体的にこういうところが、というわけではないのですが、普段から生徒に接している私たちからすると、感覚的ですが生徒たちの変化・成長を感じています。
また、参加した生徒同士の横の連携が深まったのも思わぬ収穫でした。教室にいるだけでは生まれない連携があったことも嬉しかったです。
生徒の中にはKOZAROCKSのスタッフTシャツを毎日着て来る子もいて、とても良い体験だったようです。
来年以降のKOZAROCKSで取り組んでみたいことはありますか?
仙台育英学園沖縄高校だけでなく、他の小・中・高校とも協力してできるようになると面白いと思っています。
KOZAROCKSをこれから何年も続けていく中で、ボランティアスタッフに参加した子達が将来は運営側になってKOZAROCKSを作っていく。そんな連鎖が生まれたらいいなと思っています。
アントレプレナーシップ教育におけるイベントとしても、これからどんどん発展していくことを期待しています。
最後に、今回のKOZAROCKSのように学校と地域社会がどのように協力していくことが重要でしょうか?
今、SDGs(持続可能な開発目標)の活動が注目されていますが、SDGsという大げさなことではなく、まずは自分たちが住んでいる地域から課題解決を始めていくことが大事だと思っています。
だからこそ仙台育英学園沖縄高校校では、沖縄市やコザの身近な課題解決に取り組んでいるKSAと連携することで、生徒たちが社会課題を自分ごととして捉えて解決に取り組めるような環境を作っていきたいと考えています。
以上、仙台育英沖縄高校 庄司教頭先生へのインタビューでした。
KOZAROCKSとしても初めての高校生ボランティアスタッフとの連携で「どうなるかな?」と思っていましたが、想像以上に全員が能動的に動いていて仙台育英沖縄高校のみなさんのパワフルさを感じました。
ぜひ来年以降もKOZAROCKSと一緒に歩んでいきたいと思っています。
また、KSAとしてもどんどん仙台育英沖縄高校と連携を行っていく予定です。
庄司先生、本当にありがとうございました!
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