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『抜けた歯を牛乳に浸すのが良いって本当?』

香川県坂出市のスポーツデンティスト

香西歯科医院です。


今回はスポーツで良く起こる

歯が抜けた時の

応急処置についてお話します。


不幸にも相手と接触したり

ボールやバットが歯にぶつかったりして

歯が抜けてしまう事が良くあります。

 

特に子供の場合

歯の根っこが骨としっかりと

くっついていない為

大人より抜けやすくなっています。

 

抜けてしまった歯を

どうするのが一番良いでしょうか?

 

一番注意しなければいけないのが

『歯を乾燥させない』

という事です。

 

歯の根っこの周りには

『歯根膜』という

細胞の膜に覆われています。


抜けた瞬間から

乾燥が始まってしまうので

時間が経つにつれ

細胞が死滅してしまいます。

 

またこの『歯根膜』は

刺激にも弱いので

水道水などで綺麗に洗うと

剥がれてしまいます。

 

失った歯根膜は

再生しないので

抜けた場所に歯を戻しても

くっつく事はありません。

 

乾燥や刺激から守るために

すばやく歯の保存液につけましょう。


汚れていてもそのままで構いません。


生理食塩水があれば

軽く洗う程度で結構です。

 

保存液がない場合

代わりに『牛乳』に浸しましょう。

 

牛乳は

phや浸透圧が生体に近いので

保存液の代わりになります。


牛乳に含まれる糖質やたんぱく質のおかげで

生理食塩水に浸すより有効である

という研究結果もあります。

 

次に一刻も早く

歯科医院に受診して

元の位置に戻してもらいましょう。


保存液や牛乳につけても

24時間ぐらいが限界です。

 

歯根膜が守られた歯は

骨にくっつき

予後も安定することが多いです。

 

いま学校の保健室に

保存液を常備している所も

多いと聞きます。

 

スポーツの現場においても

保存液を常備する事をお勧めします。

 

子供の将来を守る為にも

一度検討してみてはいかがでしょうか。


2019年4月19日

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