ホタル
梅雨の季節あたりになると思い出すシーンがあります。
それは、家族でホタルを見に行った時こと。
小さいころ、結構生活リズムがきっちり決まった家庭に生まれ育ちました。
父は学校の先生で、母は専業主婦、わたしと2つ下の弟。
祖父母と一緒に、6人で暮らしていました。
父は学校の部活が忙しく、インターハイ常連校の先生で、国体の引率とかもしていて、お休みは正月とお盆の1日ずつだけ、なんて働き方をしていました。(1年で360日以上働いてるってヤバい…)
それでも、きちんと家族サービスをしてもらった記憶もあって、社会人になって思うと、父、スーパーマンか…!?
そんな家族サービスのひとつが冒頭のホタル。
教師仲間に教えてもらったらしい、車で1時間くらいの穴場まで、毎年この時期になると行くのが恒例でした。
先述の通り、生活リズムがきっちりしている家庭で、暗くなってから出歩くなんてありえなかったんですけど、この時だけは別。
早めにお風呂に入って、父の帰りを待ちます。
父が帰ってきたら、父の車に敷布団とタオルケットを持って、家族みんなで乗り込み、ホタルの穴場へGO!
仕事帰りの父のために握っておいた大量のおにぎりをみんなでちょっとずつ食べて、車を走らせること1時間。
蚊にくわれやすい弟の手足にしっかりと虫よけスプレーをして、車を降ります。
暗い上に足元が悪く、なおかつ草ボーボーの道を、車のライトを頼りに少し歩くと、ちらほらと漂うちいさな光。
そのあと父が車のライトを消すと、ちらほらどころかあちらこちらに漂うちいさな光が…!
手を伸ばすと乗ってくるし、頭にも乗ってくるし、服の上にもついてくる。
余談ですが、あの頃まだ携帯電話すらなくて、車のライトか懐中電灯が頼りでした…!
ひとしきり楽しんだら、弟もわたしもあくびを連発し始めます(笑)
それが帰ろうか、の合図。
服や髪にホタルが付いていないかしっかり確認して帰路へ。
しっかり確認したはずなのに、それでも車を走らせると1~2匹見つかるんですよね。
その場合は、窓を開けてそっと逃がします。
帰り道は持ち込んだ敷布団に寝転がってブランケットをかけて、弟とわたしは夢の中。
たまにマクドナルドのドライブスルーに寄ろうか、と言われると眠気は飛んでいってテンションMAX!
車の後部座席で飛び跳ねてマクドに着くのを心待ちにしていました。
(食生活もきっちりしていたので、マクドなんてほとんど食べる機会はありませんでした)
こちらも余談ですが、あの頃はまだチャイルドシートとかの規定もなかったんですよね…!
車の中で食べたあとは、本格的に夢の中へ。
家に着いた音で目は覚ますんですけど、抱っこして家の中に運んでもらうのがうれしくて眠ったふりをしていました。(バレてたらしいけど)
この時期になると3~4回は足を運んでいました。
その年の気候によって、いつも行く時期なのに少なかったり、いつもの時期が過ぎてもまだ見られたり。
いつ頃から行かなくなったんやろう?
また家族で行きたいな。わたしの夫や弟夫婦も一緒に。
大人になった今なら、弟も夫も運転できるし。
(わたしの免許証はただの金色の身分証明書になり下がっております)
あの頃、訪れていたホタルの穴場、今もまだいるんかなぁ。