まだ見ぬ君へ
今日は朝からお母さん、お姉ちゃんと3人で手をつないで近くの公園にいってたよ。朝は少し冷えるけど、よく晴れた天気の良い日。お姉ちゃんは公園で森の中を歩いて回ったり、シャボン玉したりしてた。嬉しそうに遊びお姉ちゃんの笑顔と、それを微笑ましく眺めるお母さんの様子をみていると、お父さんは「あっ、幸せだな」と感じてた。お昼にはおばあちゃんが来てくれて、みんなでお弁当を食べたよ。お姉ちゃんは、おばあちゃんが大好きだから、とても嬉しそうだった。
夕方から、お母さんはなんだかお腹が痛くなったみたい。夜になって、お母さんはお姉ちゃんに絵本を読んで、お姉ちゃんが寝るのを見届けて、そそくさと荷物の整理を始めた。とても冷静だけど、どこか緊張してる感じ。そのとき、お父さんは、朝からずっとパソコンとにらめっこしながら会議してた。何も役に立たないね、お父さんは。
病院に電話して、おばあちゃんにお家に来てくれた。お父さんは、お母さんを産婦人科に送って行った。お母さんは、ほんじゃ、行ってくるね。お姉ちゃんを宜しくねって。とてもたくましく感じた。
いまお家に帰ってきて、この文章を打ってる。とてもソワソワしてる。お母さんは、あんなに堂々としてるのに、お父さんはなんとも頼りがいがないね。
今宵は満月。5月の満月はフラワームーンっていうんだって。オレンジ色のお花のように綺麗なまんまるお月さま。
いま世の中はコロナウイルスで大変なときで、世界は大きく変わろうとしてる。本当にこのさきどうなるか分からない時代。
こんな時代に生まれてくる貴女に、お父さんは何を伝えられるかなーって考えてる。だけど、分からないや…すまん。だけど、これだけは約束するね。このさき何が正解かなんて本当に分からないけど、貴女やお姉ちゃんが心豊かに生きていけるように、お父さんなりに信じた道を精一杯歩む。家族のこと、暮らしのこと、環境や地球のこととか。そんな精一杯なお父さんの姿をみて、なにか感じてくれたら嬉しいな。貴女と、一緒に色んな景色を見たいし、色んな体験をしたいし、色んなことを語らいたいって思ってるよ。
怒った時はちびるぐらい怖いけどしっかりものでごとてもキュートなお母さんと、怪獣のように元気でご飯をいっぱい食べる太陽のようなお姉ちゃんと、中途半端な優しさで皆んなを困らせるお父さんのもとに、貴女は生まれ出てこようとしてる。
苦しみ悲しみ多い世界だけど、今日のような何気ない日々に、「あっ、幸せだなー」って思えるような家族になろうね。何気ない日常に幸せを感じる!って簡単そうだけど、めっちゃ難しいんだよ。だけど、僕たちならできるような気がするんだ。
まだ見ぬ君へ。貴女が無事に生まれてきてくれることをただただ願ってる。また後で!
2020年5月7日 21時48分