コロナに「良い」ハンドソープ(そして、ADHDがコロナのおかげで手洗いうがいを身につけた話)
手を念入りに洗うようになって、三ヶ月が経つ。
元々私は、幼い頃から手洗いうがいが苦手だった。そもそも習慣、ルーティン、そういった類が全くできなかった。
家に帰ったら手洗いうがい。ご飯を食べたらお風呂。寝る前には歯磨き。毎日、いちいち、思い出して一生懸命やっていた。
家に帰ったら、そこは「家」だった。ゲームも本もある「家」。家だということに集中しているから「手洗いうがいしなさい」という母の声は耳を素通りしていく。
そんな自分を、ひととちがう、と理解して、自分なりにルーティンを作ることができるようになったのは、つい最近のことだ(それでもまだ、失敗するときが多々ある)。
まず自室で上着を脱いで、マスクを外し、手洗い、うがい、消毒液。部屋着に着替える。
この動きが身についたのは、コロナウイルスに怯え、嫌というほど、手洗いうがいの対策をテレビやSNSで受け取った影響もある。
ウイルスは怖い。でもわたしは、嬉しかった。帰ったら、手洗いうがい消毒をして、そこからはじめて「家」だというルーティンが身についた。
困らず生きられる場面が増えた。
手を洗う時は「ハッピバースデー」の曲を二回歌う。これは、小学生の子どもが教えてくれた。ハッピバースデー ディア 私。
二回歌いながら、指一本ずつをくるくる、指先はごしごし、手首もくるくる、二回でちょうど三十秒経つ。しっかり洗える。
うがいは「あ〜」のうがいと「お〜」のうがいを二回ずつする。これも、小学生の子どもが教えてくれた。「あ〜」はのどの外側を、「お〜」はのどの内側を洗う。
「先生が言ってたよ」と子どもはたくさんのことを教えてくれる。
「HIKAKINが言ってた」とか「はじめしゃちょーが言ってた」の時もある。
手洗いうがいを覚られて、わたしは嬉しかった。最初は、ルンルンとやっていた。「ハッピーバースデー ディア 私」あ〜、あ〜、お〜、お〜
でも「慣れる」。そして面倒くさくなる。ハッピバースデー二回、長い。これがルーティンというものか、と思った。
「良いハンドソープ買わない?」
そう提案してみた。
デパートコスメを肌に乗せると、何度でも幸せになるように、良いハンドソープで手を洗えば、面倒くさい手洗いうがいが幸せになるかもしれない。
その幸せのためなら、キレイキレイに千円上乗せする価値があるのでは? と思った。
「いいね」
提案に乗ってくれた同居人の彼女。その日はちょうど、楽天マラソンをしていた。
つまり、次の日に良いハンドソープが届いた。
https://item.rakuten.co.jp/luire/abhs11/
ラベンダーとシトラスのほどよい香りがするプリュのハンドソープ。最高のセンスだ!
私は更に嬉しくなった。家に帰ったら、良いハンドソープでハッピバースデー。あ〜、あ〜、お〜(たまにお〜を1回サボる)
食事の前に良いハンドソープで、ハッピバースデー。
笑顔は免疫力をあげるという。良いハンドソープはきっとコロナウイルスにも効く。