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Olympus Workspaceで「ネオノスタルジー」を分解する
以前Olympus Workspaceという画像編集ソフトウェアを使ってアートフィルターの「ネオノスタルジー」を使ってみる記事を書きましたが、今回はそれがどんな処理なのかを分解していきます。
ネオノスタルジーの基本特性
まずはネオノスタルジーがおこなう3つの処理について確認しておきます。
まずは白から黒のグラデーション塗りをした画像(1000pxx1000px)を準備します。
Olympus Workspaceでネオノスタルジーを掛けるとこのような画像になります。リニアな明暗に対してピンクになるところとグリーンになるところがでてきます。これによって明暗の知覚的コントラストが強調されメリハリのある作風になるのです。
次はカラーグラデーションで色に対する変化を確認してみます。実際には明るい色や暗い色に対してはピンク/グリーンがかぶってくることになるのでもう少し複雑な結果になってきます。
色に関しては単純に色相が変化するのではなく青や緑領域が狭くなり紫や黄の領域が広がります。つまり色相が回転することなく自然な状態で暖色系が強調される仕組みです。
まとめるとネオノスタルジーの特徴は次の3つになります。
①明るさに応じてピンクとグリーンに変化する
②ピンホール効果が付く(周辺光量が落ちる)
③暖色系が強調される
更に手を加えてみる
ネオノスタルジーの基本特選が分かったところで、Olympus Workspaceで更に処理を加えてみます。
ネオノスタルジーの処理は一般に「色転び」現象をデジタルで再現したものです。同じようなものに富士フイルムの最新フィルムシミュレーション「クラッシックネガ」があります。プロネガは色が転ばないリニアな特性をもっているのに対して、あえて色転びを出すことで微妙な明暗の変化を強い印象となりネオノスタルジーと同じ考え方がベースになっています。
ネオノスタルジーはノーマル(上段)では、ピンク/グリーンが特徴となりますが、ホワイトバランスを少し操作するだけで、強調色に変化(下段)をつけることができます。
同様に、露出補正を変更することで、明るさに対するピンクとグリーンの境界領域を積極的に動かすことができますので、作品の印象を大きく変えることができます。
写真を適用してみる
全体にニュートラルな印象の写真(上段)でしたが、ネオノスタルジーにすることで色味の乗った華やかな印象(中段)になり、さらに露出補正とホワイトバランスを調整することでより色味が強調(下段)できました。