見出し画像

おかえりCP+、サヨナラCP+

2月の23日~26日の4日間にパシフィコ横浜でカメラと写真のイベント「CP+」が開催されます。毎年開催に先立ち展示内容の予想や期待を記事にしていたので今年もやっていきたいと思います。

4年ぶりのリアル開催

まず一番の話題は、4年ぶりのリアル開催(会場で実機が触れる)ということです。CP+の名前の由来としてCamera、Photoの頭文字と、そこに加わる「+α」の体験というのがありますので、通常のホームページやYouTubeのコンテンツとは違うものを共有するためにはやはりリアル開催への期待は大きかったと思います。

カメラショーからCP+に名前が変わってからも(その間に「フォトイメージングエキスポ」というのがあった)、基本的にはカメラを触って、写真を見ることを「体験」としていたように思います。

1990年代のフィルムカメラの時代にはシャッターを空切りするだけで実際に撮影することができないため、壁の前の各社の横長カウンターにお客さんが並んで順番にカメラを触りながら開発者と語り合う場所でしたが、その後デジカメの登場によって実際に撮影体験を会場でおこなえるようになり体験の質が大きく変化しました。

私もこのnoteではずっとそれを楽しむための記事を書いてきましたし、実際に楽しんできました。でも今年は期待のカメラもレンズも何も書きません。きっと新しい製品が展示されワクワクはするでしょうが、なんとなく時代とマッチしなくなっていると感じるからです。

4年ぶりのリアル開催だからこそ、フィルムがデジタルになった変化と同じくらい「新しい体験」を感じる場になることを期待しています。


活動の中のカメラと写真体験

カメラショーの時代はメーカーのエンジニアからカメラ(開発)の話を聞くことが中心でしたが、最近では撮影体験者としてのフォトグラファーの話を聞くことが多くなっています。どんなカメラかというよりも、どんな写真が撮れるのか、どのように撮るのかということに興味が移ってきたことになります。

そして今は、どんなアクティビティが映像で伝えられるのか、どんな風に伝えられるのか、が大切になっていると感じます。例えば一般の人も動画を撮ってYouTubeに上げるようになったということです。

そうなるとCP+での体験の内容が変わらなければなりません。何かを楽しみながら同時に撮影することをイベントの中で体験できるようになってくるはずです。各社の工夫が楽しみです。


コミュニティの中のカメラと写真体験

写真が家族や仲間内だけで共有される時代から、インターネットの普及のSNSの誕生によってより広い範囲に共有されるようになりました。

さらに写真を撮る動機がSNSによって生み出されている状態では、個人活動というよりも大きな意味でコミュニティによる集団活動になっています。

単なる競争で順位を付けて疲弊するようなものではなく、協力し合って活動を盛り上げる協創・共創を楽しむようにするのが長期的に持続可能な価値提供に繋がりますので、そのような方向にカメラメーカーが上手にファシリテートすることが期待されます。

コロナを社会が乗り越えるためにあらゆる世代がオンラインで繋がることを経験し、今度はその経験を活かしてより楽しく体験価値を生み出す世界になってきそうです。


オンラインで繋がる時代に向けてCP+にサヨナラを言おう

今回のCP+が2つの体験の変化を確認しあえる場所になったら素晴らしいと思います。(そうならなければ、もうオワコンなのかもしれない)

イベントで会いに行くのが、20年前にエンジニアからフォトグラファーに変わっていったように、今後はコミュニティの仲間と年に一度オフラインで集まる場所になるのかもしれません。

みんなで1つの何かを達成する。そんな一日「a day in the life」になる。その日に向けて、またその日をスタートにして年間を通してコミュニティのミッションを醸成していくイメージです。

アクティビティとしては2002年に実施された「A Day in the Life of Africa」というイベントだったり、最近の事例では世界を股にかけた活動になっている「Ingress」が近いと考えています。大きなテーマや作戦に対して個人が貢献し全体で達成していく活動です。

同じテーマで写真を集めて一つの作品にしたり、連歌のようにテーマを発展させながら繋げていくイメージです。みんなが共感できるテーマを見つけることができれば写真の新しい楽しみ方になっていくかもしれません。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?