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【E-M1X】ファーストインプレッション
10連休に向けてOM-D EM1Xと17mmF1.2が手元に届きました。少し早めに借りたのは、しっかりとカスタマイズをしてから使いたかったからです。
これから10日間を一緒に過ごす相棒を軽く使ってみましたので。3つのファーストインプレッションをお届けします。
マルチセレクターのレスポンスが素晴らしい!
オリンパスのカメラでは初めて搭載された「マルチセレクター(フォーカスポイント移動)」ですが、ハードウェアのスイッチがカッチリしていて、動き始めのスムーズさと移動スピードにほとんどストレスを感じないことに驚きました。
比較対象としているのはLumix G9Proですが、こちらはスイッチ自体がゴムっぽくグニュグニュしており、斜めに移動できないこと、いったん指を離さないと縦横の進行方向を変えられないこと、さらにターゲットの移動単位が細かすぎて移動のレスポンスがとても悪く感じてしまうとい欠点があります。
この辺りの欠点がM1Xでは全て解決していると感じました。
G9に対しては2018年のCP+の段階で上記のリクエストを出しており、ファームウェアの検討をしているとの答えを得ていましたがまだ実現できていないことを考えると、電気回路の設計自体に問題があり入力信号の扱いが上手くいっていないのではないかと考えてしまいます。(頑張れPanasonic)
ただフルサイズのLumix S1ではこの辺りは解決しているので、M1XのレベルはG9よりも上のクラスで比較した方が合っているようです。
現時点では、E-M1 MarkIIやG9Proとはしっかりとクラスの違いを出せていると言えます。
横位置用、縦位置用の2か所にあるマルチセレクター。大きさと硬さ、レスポンスのバランスが素晴らしい
インテリジェント被写体認識AFの設定に手こずる
性能自体はまだ試せていませんが、M1Xでもっとも興味があるのがディープラーニング技術を使った被写体認識です。(オリンパスでは「AI」という言い方はしていない)
インテリジェント被写体認識AFは「自由なフレーミング」「とっさにシャッターチャンスでも被写体捕捉」という価値があると考えていますが、実際に使うためには3つの設定を同時におこなわなければならないため、とっさの対応は難しい設定条件になっています。
①AF方式を「追尾AF」に設定する
②AFターゲット選択を「全画面」に設定する
※全画面にしなくても全画面で動作するときもあり、この辺りはまだ動作ルールを理解しきれていません
③追尾被写体設定を「鉄道」「飛行機」「モータースポーツ」に設定する
例えば、S-AFでスモールターゲットを使っていた場合には、すぐには被写体を捉えるモードにはできませんし、さらに被写体設定が撮りたいものと違っていると全く反応してくれません。
またスーパーコンパネにもライブビューインフォメーションにも、どの被写体に設定されているのかの情報が出ないため、切り替え動作が必要なくても設定メニューに行って事前に確認しておかなければシャッターチャンスを逃してしまいます。
私が期待していたのは、AF方式の中に、3つの被写体モードが入り込み、そこを選択すれば、自動的に「追尾AF、全画面」になってくれるものです。
下のクラスにこの機能が実装されるときには多分そうなると思いますが、現時点では期待とは違っていました。
この辺りは、カスタムモードを使いこなせば、モードダイヤル操作一発で設定が切り替えられるようにできると思いますので、早めに貸してもらったのは大正解でした。(カスタムモードによる使い勝手のレポートも行う予定ですのでお楽しみに!)
ファインダー内でネオノスタルジーが七変化
アートフィルターの「ネオノスタルジー」はPEN E-PL9から搭載されたもので、M1Xが2機種目になります。ファインダー(EVF)搭載機では初です。
ネオノスタルジーの特徴として、画面の明暗に応じてピンクやグリーンが掛かってくるため、露出補正によって世界を黒とグリーンの世界から白とピンクの世界まで大胆に変化させることができます。
M1Xの露出補正は±5.0まで1/3ステップで設定できますので、31段階の調整ができることになります。
均質に見える天井や壁なども、実際にはわずかに明暗差があり、その境界線に対してグリーンとピンクが微妙に変わっていきます。
この写真では左下が私の好みですが、もう1/3段明るくても良かったかもしれません。
ファインダー内でこのようにきちんと見ることができて楽しいことと、リアルタイムに処理をしながらでもファインダーのコマ落ちがそれほど無いのも処理能力の高いM1Xならではの使い易さだと思います。
次回は、UIをカスタマイズして、さまざまな撮影に対応できるようにしていきますので、そのレポートをお届けします。