視点を変える、視野を変える。
レンズの発明は実に偉大な「発明の父」だ。
宇宙を知り、ミクロの世界を知り、人間の世界を見る眼を変えた。
レンズを使った応用発明は今も広がり続けている。
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カメラの楽しさの一つに、さまざまなレンズを使うことで、同じ景色が違って見えるというのがある。
私は望遠レンズと広角レンズばかり使っている。
主題を切り取るか、全部入れるか、両極端がスキなのである。
写真が上手くなるためには、人間の眼の画角に近い標準レンズで撮ると良いというのはよく聞く話であるが、
写真を楽しくするためには、人間の眼の画角と違ったレンズをおススメする。
自分が発見するために撮る
誰かに自分が「見たものを伝える」ために撮るのであれば、人間の眼の画角に近いレンズで撮った方が自然です。
写真が上手くなるとは、人に伝える力をつけることと考えることができます。
プロのカメラマンや写真家を目指す人は絶対に持たなければならない能力です。
そのため、レンズとして「つまらない(普通って意味で)」標準レンズで、面白い被写体を見つけ出し、面白い瞬間を見つけ出し、面白さが伝わる視点を見つけ出す訓練はきっと役に立つはずです。
一方で撮影を楽しもうと思っている人は、是非「たのしい」レンズを選んでください。
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今回はいつもと違って、デジカメUIの話はしません。
でもデジカメUXとして、撮影を楽しむことを考えるときに、レンズの面白さを抜きにしては語れません。
それに、その人がどんなスタンスで写真に取り組んでいるかは、レンズ選びも機能を使うことも共通のものがあると思います。
いろいろなレンズを使い、いろいろな機能を使う人は、たぶん何かを発見することが大好きです。
そのために、沢山の可能性は大歓迎です。
頭で考えるだけではなく、実際にやってみて気に入らなければどんどん変えていけばよいのです。
デジタル技術はそれまでのアナログ技術よりも、より広い可能性を、より低いコストで実現でき、そのスピードが年々上がってきていることに特徴があります。
写真の世界も、デジカメの登場によってそれと無関係ではなくなりました。
レンズはアナログ技術ですが、それを楽しむ環境はデジタルでできています。
まずおススメなのが「マクロレンズ」です。
マクロレンズの役割は、子供の頃に虫メガネで色々なものを観察した、あの感じです。
とにかく細かい部分がはっきり見えて沢山の発見があります。
虫メガネと違う点は、再生するともっと大きく見えることと、周りがボケて写真が上手くなったように感じることです。
パソコンやタブレット、リビングの大型TVで見てみると、あっと驚くこと間違い無しです。
Olympus M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
私が最初に買った交換レンズはマクロレンズでした。2年くらいこのレンズ1本で撮ってました。
マクロ域での画像としては画角による大きな違いはありませんが、少し望遠ぎみのものの方が、被写体とレンズとの距離(ワーキングディスタンス)を長くとれて使いやすい場面が多いと思います。
こんなに眼がいっぱいあるなんて・・・どんな風に見えているんでしょうか
「望遠レンズ」で見たいものに集中する
最近の私が普段カメラに付けているのが望遠レンズです。
Olympus M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
1.4倍のテレコンを付けて、420mm(35mm換算)で撮影することが多く、手振れ補正、フォーカス精度でもLumix G9Proとの相性は良いと思います。
撮りたい「何か」を発見したときの視点に対して、もう一段大きく写してくれる感じが楽しいと感じてます。
撮りたい何かが、風景ではなく、鳥や虫、花といった「もの」が多いので、望遠レンズが合っているのだと思います。
ものの中でも、色や模様に興味があるので、構図が平面的(真横とか)になることが多い
「広角レンズ」で現場の空気を写し込む
普通の広角レンズでは、物足りない感じがあり、超広角の18mm(35mm換算)のフィッシュアイ(魚眼)レンズを使っています。
Olympus 9mm F8.0 Fisheye
本格的なレンズではないため、写りはそこそこですが、最近のボディ側のさまざまな機能を使って快適に撮影することができます。
目的は作品を撮るというよりも、現場の雰囲気を記念撮影するためです。
パノラマ写真や360度写真と同じです。
基本的に人が写り込みますが、それが良いアクセントになっていて、何枚か撮影しておき、写真選択の時に人間観察をします。
偶然写り込む人たちが、良い意味でアクセントになって、写真にリズムが生まれます。
製品画像はメーカーのホームページから引用しました。
画像にリンクが貼られています。