古いベンチとネオノスタルジー
昔から「ベンチ」という存在が気になり、ときどき写真を撮ったり座ってみたりしています。
ベンチは、人と人が出会う場所、風景と向き合える、そんな「特別な」場所に置かれています。
そこに座った人は、過去に座った人、未来に座る人と同じ視線を共有することになります。
時空間に定点として設置されたベンチは、さまざまな物語を結びつけるタイムマシンなのです。
ネオノスタルジーとの相性
先日のOlympus Workspaceとネオノスタルジーの記事では、桜やモノクロ写真との相性が良いという内容を書きましたが、時間の記憶を内在する古いベンチとの相性も良さそうなので、ちょっとやってみました。
これまで通常モードで撮影した画像に改めてアートフィルターのネオノスタルジーを掛けてみて、自分がベンチに対して感じている記憶やぬくもりが表現できていると思いました。
2017年に散歩の途中で出会った不思議なベンチ。その時は何気なく写真を撮っておいただけでしたが、その後もベンチが気になるようになった切っ掛けになりました。
ネオノスタルジーは明暗部分には積極的に色味を乗せてきますが、明確なカラー部分は色をハッキリと出す表現をおこないます。
古くなった木目が作る陰影をネオノスタルジーが協調してくれるので、マイナス補正を組み合わせることで暖かいドラマチックトーンのように使うこともできます。
この植物は置いてあるのではなく、ちゃんと地面から生えてきてベンチの隙間から顔を出していました。ここに座る人たちの優しさでずっとこの場所で成長してきたんですね。
プラス補正で全体をピンク色にしてホワイトエッジを加えることで暖色系のデイドリームのように使うこともできます。
このベンチは昭和記念公園のほとんど人が行かない場所に置かれているベンチです。職員の作業場の近くに置かれ、長く使われているものでした。
ネオノスタルジーと古いベンチとの相性が良いことを発見した写真です。