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SIGMA fpに感じる未来

SIGMAからLマウントの「fp」という新しいコンセプトのミラーレスカメラが突然発表されザワザワとしたワクワクを感じています。

ミラーレス一眼はこれまで主流だった一眼レフに対抗する技術的な観点から発想されてきましたが、fpは全く新しい立ち位置から生まれた「システムカメラ」だったからです。

販売上の戦略として、カメラ売り場に置いてもらうために「カメラ」というフォーマットに合わせたプロモーションがおこなわれていますが、本当は違うのではないかと思いこの記事を書いています。

fpの本質はプラットフォーム

日常撮影から本格的な業務利用まで。静止画から映画まで。ミニマムな本体に多彩な拡張性を持たせることで、自分の表現領域、表現スタイルに合わせすべてに対応できるようにすること。それがこのカメラのコンセプトです。

システムを成立するためには、各モジュールが必要な接点を持ち、他のモジュールの邪魔をしないようにミニマムであることが必要です。

上の画像を見てもカメラがどこにあるのかハッキリと認識することができません。この画像全体を実現するプラットフォームこそがfpの本質なのです。

レンズとファインダーが中心になる日

これまでカメラシステムは立派なボディを中心として、その周辺にレンズをラインナップするという構造でした。

SIGMA fpのコンセプトムービーを見ていると、とても象徴的にレンズとボディの関係が「アンバランスな」組み合わせがでてきます。

これまでのカメラメーカーであれば、大きいレンズには大きいボディを組み合わせていたところですが、小さなボディと大きなファインダーを組み合わせています。

ぜひ上のコンセプトムービーを見てください。カメラと呼ばれていたボディは光を映像に変える変換モジュールとなり、撮影システムとしてのカメラの主役はレンズとファインダー/モニターになるということを強く印象づけるものになっています。

本当の狙いは発表会の中にあった

山木社長のプレゼンテーションでは、このカメラの前に新しいシネレンズのシステムセットが紹介されています

直接的な表現はありませんでしたが、本当は「このレンズシステムの周辺装置としてカメラを作りました」ということを伝えたかったのではないかと思います。

これから成長していくシステム

fpはカメラの3Dデータを公開するそうです。カメラを中心としたシステムでないのであれば、レンズやファインダーの3Dデータも公開し個人が自由に「理想のカメラシステム」を設計できるようにしてもらいたいと思います。

また、UIに関しても、新しい広がりのあるシステムを展開してもらいたいと思っています。

映画は「繋げる」ことで完成するものです。それは一人だけで作るものではありません。fpシステムにコミュニティを含めることで、お互いに繋がりそれぞれが監督となり物語を紡ぐような体験ができるかもしれません。

Cosmic Design領域の成功事例になってほしい

このnoteの記事を書いて理解できたことですが、カメラボディの中の機能についてあれこれ言うのではなく、その製品を含むシステム全体が重要になってきたという視点は、私が最近興味をもっているデザインシステムの中のCosmic Designの領域の話と同じだということに気づきました。

もちろんAtomic DesignとCosmic Designは連続したもので両方が一つのデザインされたシステムとして機能しなければなりませんが、オブジェクト指向の考えをするならば、従来の製品はシステムの中の1つのモジュールとしてオブジェクト化されて、ひとつ高い次元でデザインを考える時代が来たのだと思います。

SIGMA fpを楽しめる日を心待ちにしています。

画像はSIGMAホームページより引用しました。各画像には引用元へのリンクが張られています。

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