興洋海運が外航船に日本人船員を配乗し続ける理由
日本の商船業界は、2021年1月時点で、総トン数242百万トンを超え、約4,000隻の船隊を持ち、世界第3位の大きさを誇っています。この規模は、国際連合貿易開発会議の「海上輸送レビュー2021」によるものです。
この船隊に勤める船員は約5.5万人で、その大多数が外国人であり、フィリピン人が約75%、他のアジア国籍(インド、中国、インドネシアなど)が20%を占めています。日本人船員は約3.5%に過ぎず、特にフィリピン人などアジア出身の船員に大きく依存している状況です。これは、国土交通省の「外航海運の現状と外航海運政策」からの情報です。
一方で、日本人外航船員は約2,000人で、これはフィリピン人船員の約40,000人と比較して非常に少ない数です。1970年代初頭には外航船の乗組員として5万人以上の日本人が働いていましたが、給与が比較的低い外国人船員の増加や、1985年のプラザ合意後の円高の影響で、日本人外航船員の数は大幅に減少しました。現在は2000~2300人で推移しています。日本全体の船員数は、内航船員、漁業船員、その他を含めると約64,000人(2017年)です。
今日の日本人外航船員は、単に乗船するだけでなく、多国籍で高度化する船舶運航の専門家として、運航や外国人乗組員の支援、指導を期待されています。日本に本社を置いている海運会社にとって、最重要の安全運航を達成するために、海技ノウハウの深化や伝承、陸上での船舶運航支援、船舶管理、技術的支援を実際現場にいる日本人船員と共に考え、向上させる為に情報を吸い上げていく事は重要です。顧客の求める安全かつ安定した輸送に応えるため、日本人船員・海技者の維持、育成は日本の海運会社にとって非常に大切なのです。
興洋海運の日本人船員の特色
船長・機関長になるためには、資格や乗船履歴が必要です。
外航海運会社の中で日本人船員を採用していても、船長になるまで乗り続けられる会社は実際のところ少数です。興洋海運の船では、現場の様々なランクの船員に日本人が混ざっている中で、海技ノウハウの深化や伝承また問題点の吸い上げなどを行っていきたいと考えているので、三等航海士から船長、機関長まで幅広く日本人船員が在籍しています。
日本人船員は旭東海運に配乗をお願いしているので興味のある方は是非連絡してみてください。