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キャズム理論から考えるSNS|今ってさ、情報取得が容易になったから、イノベーターの考え方をどの層も見られるようになったよね。

イノベーター理論やキャズム理論は、モノだけではなくてコトにも通ずると思う。モノは思想によって生まれるから当然と言えば当然か。

ようは行動力とか興味とか、さらには思想や情報収集力、発信力もこの理論で説明できるのではと思う。SNSで情報発信も情報取得も行いやすくなった今、イノベータ理論やキャズム理論からみるSNSについて考えてみます。

わかりやすく言うと、SNS界隈で影響を与える人と影響を受ける人について、ずっと考えていたものを書き出してみました。

イノベータ理論の説明を簡単にまとめておきます。これをわかったうえで読んでいただくと、きっと言いたいことがわかってもらえるのではなかろうか。ご存知の方はおさらい程度に。(タイトル画像も見ながら読み進めてもらえるとわかりやすいです)

イノベータ理論
新しい商品や技術が市場に広がる過程を5つのグループに分けて説明したものです。イノベータ理論は、新しいものがどう広がるかを理解するのに役立ちます。

各名称の下に、スマホを買い替える観点でひとこと入れています。あくまでもイメージです。

(1)イノベーター (Innovators, 2.5%)
→新しいスマホが出た!発売日いつ?すぐ買う!

最も初期に新しいものを試す層で、リスクを恐れず、常に最新の技術や製品を探し求める人々です。冒険心が強く、新しいアイデアや製品に対する好奇心が強いのが特徴です。

(2)アーリーアダプター (Early Adopters, 13.5%)
→合理的に検討して買い替えるか決めたい

社会的リーダーやオピニオンリーダーとされる層で、慎重に製品を選びつつも、他人に先駆けて新しい技術を採用します。この層は新製品の普及に大きな影響を与えるため、マーケティングの重要なターゲットとなります。

(3)アーリーマジョリティ (Early Majority, 34%)
→みんな持ってるし、けっこう話題になってるからそろそろ買い替えたい

比較的慎重だが、リスクが小さくなると判断すると採用に踏み切る層です。彼らはアーリーアダプターの評価や実績を参考にし、信頼できると感じた時点で新製品を取り入れます。

(4)レイトマジョリティ (Late Majority, 34%)
→話題になってるけど、まだ使えるし安くなってから買い替えようかな

かなり保守的で、新製品が完全に一般化し、価格も安定してからようやく採用する層です。経済的な理由や社会的な圧力によって、新技術を受け入れる傾向があります。

(5)ラガード (Laggards, 16%)
→なんでガラケーなくなったのよ。

最も遅れて新製品を採用する層です。従来の技術や習慣に強くこだわり、新しいものをなかなか受け入れません。彼らが新技術を採用するのは、既存のものが完全に時代遅れとなってからです。

ChatGPTに一部加筆

キャズム理論とは、この(2)アーリーアダプターと(3)アーリーマジョリティの間に『キャズム(溝)』があると言われていて、革新的な製品が市民権を得て多くの人が使うようになるには(2)から(3)へ、この溝を越えられるかどうかがとても重要になる。

ここからが本題です。


SNSにおいて、発言力や発信力がありすぎるイノベーター(革新者)はインベイダー(侵略者)になる。

現代で新しいことを発信していく力が高い(ここで内容や嗜好については言及しない)のが、例えば堀江貴文氏とかキングコングの西野氏。彼らがイノベーター(革新者)ぽいのは想像してもらいやすいかなと。

そこから発想をひろげる。
発言力や発信力がありすぎるイノベーターはバイタリティも知識も兼ね備えていて、行動力もすごい。だから影響力も自然に持つようになる。

影響力が高まっていくほどイノベーター(革新者)はインベイダー(侵略者)になる。味方も増えれば敵も増える。扇動者とも言えるかな。

ようはカリスマなのだ。

ここに属している人が本当の意味でのインフルエンサーだと思う。
(自称インフルエンサーは職業アイドルくらい違和感があったりする。)

ここでいう侵略者というのは悪い意味でない。
他者に対して精神的侵略性が高いという意味です。新しい価値観を自分たちの脳内にアップデートさせようとする侵略性があるから拒否感や抵抗感を感じてしまう人も多く、これぞ本能。

精神的侵略性が高い、これを人は洗脳と呼ぶことがある。


さて、イノベーターの言動を素直に受け入れるのは、実はその次のアーリーアダプター(オピニオンリーダー)ではないと考えています。

イノベーターの言葉に熱狂的になるのは、情報感度が高い一部のアーリーマジョリティ層


イノベーターの言葉に熱狂的になるのは、情報感度が高い一部のアーリーマジョリティ層だと思っています。SNSの普及でいきなりイノベーターの言葉や知見にアクセスできるようになった。これが大きいと思う。

この層は、幅広い知識や俯瞰して見る力がやや欠けている人が多いように見受けられます。要するにバイアスがかかりやすい。

逆にいうとバイアスが加速するからキャズムを超えていける。→バズりやすい。彼らのバイアスは良くも悪くも重要だといえます。

(トンデモ支持層もこの界隈なのかなと思ったりもする。トンデモ支持層は情報リテラシーが自分ではとても高いと思っている。だから自分だけがその情報にアクセスできるんだと。)

アーリーアダプター層とは?

アーリーアダプター層(オピニオンリーダー)はイノベーターを注視しながら時流に乗るものを冷静に見定める層だと思う。ここに感度が高く合理的判断ができる人たち。地に足のついた起業家や経営者層が多く属していると思う。仕事のできるマーケターとかもこのあたりに属していそう。

客観的に見ることができる人たちの中で、イノベーターの発言やサービスを吟味して一般の人にわかるような解説をしていく人々がいる。この人たちこそがオピニオンリーダー。扇動者ではなく先導者。池上彰さんが代表だろう。林修さんも。ひろゆきさんもここかなって思ってる。オリエンタルラジオの中田さんはイノベーターではなくこのセグメントだと思ってる。


宗教の世界でもそう、イエスキリストやムハンマドがイノベーター(革新者)であり扇動者(カリスマ)であるとするならば、彼らの教えを広めた人たち、キリスト教だとパウロさんは先導者である。

キリストの教えやムハンマドの教えは自分たちが広めたんじゃなくて先導役が広めていったわけだもんね。


キャズムを逆から渡ろうとして溝に堕ちていく、感度の高いアーリーマジョリティたち

話を現代に戻します。感度の高いアーリーマジョリティたちはこのカリスマ達の発信を、「これは本物だ、ここに行けば私たちのオアシスがある」と自分たちがアーリーアダプター(オピニオンリーダー)だと勘違いして発信し、キャズムを逆から渡ろうとして溝に堕ちていく。

このアーリーは”早とちり”という意味でもある。SNSで品切れ騒ぎを起こすのもこの層によって起こるのではと考えている。有益だと思って情報に飛びつく傾向があり、その瞬発力はアーリーアダプター層より高い。同時に彼らは情報リテラシーが低めとも言える。感度は高いがリテラシーが足りないので誰彼とも関係なく巻き込んで大騒ぎするのだ。

数年前、clubhouseが招待制で誰もがアカウントを求めて熱狂した多くはこの層ではなかったかと思っている。

そのオアシス、桃源郷が本当なのかどうか、様々な角度から見ていく力を養うことこそがカリスマから与えられた、隠された命題なのではと思う。(しらんけど)

情報取得の世界でも、セカンドオピニオン、サードオピニオンが必要。


以上、長くなりましたがイノベータ理論やキャズム理論からみるSNSについて考えてみました。

現代でオピニオンリーダーが存在感を大きくしているのはこの時流に乗っているからと考えます。

さらに、今や情報が溢れているから、誰から聞くか、誰から知るか、ということも重要で、情報取得の世界でもセカンドオピニオン、サードオピニオンが必要だなって感じます。そうしないと思想のバランスが悪くなる。

そしてもし、自称イノベーター、職業イノベータ、職業インフルエンサーとして発信するなら、そのキャズムの先の、感度の高いアーリーマジョリティ層を巻き込む必要がありますね。この人たちにサービスやコンテンツを提供していくことが生命線。


これがすべて合ってるかどうかはわからないですけど、ずっと考えていたことをまとめてすっきりしました。答えのないことについて自分なりの考えを巡らせることはとっても楽しいですね。長文になりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。

さて、次はどんなことを考えようかな。

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