〈日記〉2023年3月11日〜3月17日までの日記【ともや】
3月11日(土) 休み
読書会に参加するため名古屋へ向かう。電車の時間まで、駅構内のスタバでコーヒーを飲んで休憩。そろそろと電車へ向かおうとした時、コップを落としてしまって中に少量だけ残っていたコーヒーが床にこぼれた。すぐさま店員さんを呼んで、床を拭いてもらう。ありがとうございます、と店員さんに礼をしてその場を去ろうとすると、向かいの席に座っていた貴婦人がニコッとこちらに笑みをくれた。それが「恥ずかしいことをしたわね」という蔑みのような笑みではなく、「よかったわね」という良い子を見るときのような笑顔に感じて、恥ずかしさが減じて、むしろ少しほっこりした。
名古屋に行くのは、佐藤厚志さん著『荒地の家族』の読書会に参加するため。読書会前に名古屋に住む知人と落ち合う。小説を書いている方で、いまの進捗とか、書く動機とか色々話ができて良かった。
午後からは読書会。インスタで繋がった方が以前に関西に来てくれたため、今度はこちらから名古屋に出向いた。読書会自体は、様々な解釈が聞けてとても楽しかった。読書会終了後、そのまま新幹線で帰る。日帰りどころか数時間滞在のための新幹線利用。贅沢な金の使い方。
駅に着き、その足で息子を迎えに行き、そのまま義母へ預ける。次は研究会メンバーでの飲み会のため、大阪へ向かう。
旧友たちとの飲み会は楽しかった。同じお店に結婚式の二次会らしき団体客もいて、以前のような賑やかさが戻ってきてるんだなと感じた。帰りの電車の中で、外国人観光客の女性3人がスマホを見せ合って何かを喋っていた。察するに、明日食べたい日本のご飯の話だった。その中で「Taiyaki!Taiyaki!」と1人がスマホで写真を見せて、1人が「Oh..is this fried chiken ? 」「No! Anko!」と言っていたのが面白かった。
3月12日(日) 休み
息子と二人の休日。自転車に乗って、図書館、公園、百貨店へ行く。百貨店では、少し早くホワイトデーのお返しを買った。帰ってからはひたすらダラダラ。買い物に行ったり、掃除をしたり。息子が以前よりも主張が激しくなってきて、放っておいたらどこかしこと引き出しを開けたり、モノを勝手に触るので気が休まらない。いつもの「公園で疲れさせよう作戦」で、無事に昼寝をしてくれたが、私自身も連日の疲れがあったのか、そのまま眠ってしまった。それでも息子よりは早く目が覚めて、息子が起きるまでの間はNetflixで『サマータイムレンダ』を視聴。タイムリープもので、以前インスタのフォロワーさんに教えてもらったのだ。死ぬたびにリープするのだが、戻る時間が少しずつ短くなるという設定が面白い。いま5話。続きはいつ見れるかな。
夜はオンラインで読書会。渋沢栄一さんの『論語と算盤』について。結論、「金儲けは汚い」とされていた日本国民の意識に、道徳(論語)を付け足して、資本主義を根付かせた渋沢さんはすごい、という話になった(何様)。日本資本主義の父は伊達じゃない(何様)。
読書会終了後、そのままLINEビデオで友人と話をした。主には芥川賞受賞作『この世の喜びよ』の話。「あなた」という二人称で語られる不思議な物語。「あなた」とは誰から誰への二人称であるのかという話が盛り上がった。お互いに思っていた「あなた」が違っていて面白かった。
3月13日(月)
寝不足で眠たい。ほんとに目覚ましをいつ止めたかわからないまま、ずっと寝ていた。これが寝坊ってやつだろう。妻に起こしてもらうまで、本当に目があかなかった。
寒い一日だった。せっかくダウンじゃなくしたのに、またダウンを着たくなった。夜もそのまま寒く、薄手のままでの車校のバイクは大変だった。今週は毎日車校なのに大丈夫か。でも、バイクの運転は楽しかった。
帰宅後は妻へ一日早いホワイトデーを返す。昨日、息子と一緒に買った缶ケーキというやつ。名前の通り、ケーキが缶の形をした透明のプラスチックの容器の中にみっちり詰まっている。美味しかったが、それなら普通のケーキでいいやと思った。
【車校日記 】2限目(全17限)
①クラッチ操作の復習 ②発進 ③加速 ④停車
いよいよバイクで路面を走り出した。当たり前だけど、半クラにした時点でバイクが進み出す。それが楽しい。右足部分に後輪ブレーキがついていることにまだ慣れないけど、要は車のブレーキを踏むのと同じだと思えば、思考が少し楽になった。今日は3速まであげた。何度も走っているうちにいっぱしのバイク乗りになれたかのように錯覚した。
3月14日(火)
めちゃくちゃ体がだるい。ここ数日の疲れが残っている感じ。こんな感じは久しぶり。ちゃんと働いてはいたが、中途半端に苛々してしまい、新入職員さんに優しく出来なかった気がする…。地域ケア会議もあったが、うまく喋られなかった。どうも初対面の方と話すのはやっぱり苦手だ。最近、文章を書いていてもあまり面白く思えない。それはどこか気取っているからだろうか。もっとシンプルにありのまま書いていけば見つかるものだろうか。
【車校日記】3限目(全17限)
①カーブ練習 ②走行練習4速まで ③ブレーキ練習 ④エンジンブレーキ体験
今日はほとんど走りっぱなしだった。4速まであげる練習。カーブのときには3速に落として、直線で4速へあげる。何周も何周も走り続けていると、どんどん運転に慣れてきて、どんどん走れた。バイクを運転していると強くなった気がして、ヤンキーがバイクに乗りたがるのも分かる気がした。
3月15日(水)
疲れ、ちょっとマシ。風邪も落ち着いた気がする。けど関節が痛い。
今日は暖かいから心地がいい。花粉がなかったら、もっと最高なのに。なんて、花粉側にも言い分はあるだろうから、仕方がない。春はたくさんの命が芽吹く季節だから、その時くらいはおれの目や鼻くらい、くれてやろうじゃないか。そう思って鼻をかんだら、いつもより鼻水が黄緑がかってて、引いた。
時間が足りないと思うようになった。
仕事を頑張りたい。勉強したい。家族と団欒したい。怠けたい。アニメを見たい。マンガを読みたい。本をたくさん読みたい。短歌を詠みたい。運動もしたい。文章を書きたい。旅に出たい。寝たい。etc....今までやりたいことってそんなにないなぁ~なんて思ってたのに、最近はやりたいことが意外とあって驚く。
昼休み。職員の女の子が「湘南乃風の『純恋歌』って昔流行ったけど、いま歌詞聴いたらやばいですよ」と急に言い出して笑った。
♪ 大親友の彼女のツレ 美味しいパスタ作ったお前 家庭的な女がタイプのおれ 一目惚れ ♪
「まず女性に、お前とか女とか言ってる時点でやばいし、パスタ作っただけで家庭的ってどんなやねん。イタリア人か。ほんでお前のタイプとか知らんやん。あと大親友ってなんなん。親友に大とか小とかあんの?って感じ。中はないん? 私からしたら親友がいる時点でそもそも贅沢なんですが」痛烈なツッコミに笑った。
純恋歌が流行ったのは私が高校か大学の頃だった。その頃は、歌詞にそんなに違和感を持たなかった。いま聴いてみると、確かに時代錯誤のようにも感じる。歌にはその時代時代のトレンドがあって、それは音楽のトレンドってこともあるだろうけど、多様性だとか、男女平等だとか、そういう社会変化のトレンドも反映されるんだろうなぁ。いま湘南乃風がそんなに目立っていないように感じるのは、社会のトレンドからズレてきたから?
【車校日記】4限目(全17限)
①復習 ②一本橋 ③クランク ④スラローム ⑤S字 ⑥8の字
バイク運転中、ついていけって言われた人と違う人についていってしまい怒られた。「びっくりしたわぁ~お兄さん違うところ行ってまうんやもん。走り出したら止められると思う? 僕はよう止められませんわぁ。次からは気をつけてくださいね」なんだか嫌味っぽい言い方。その後は平静を取り戻して練習。今日はクランクやスラロームなどのクネクネ道や細い道の体験。基本、クラッチ操作だけで事足りるようだけど、これが難しい。スピードが遅くなりすぎるとバランス取りずらいし、早すぎると曲がりきれないし…でプチパニック。昨日寒かったからダウン着てきたのに、今日はあったかくて、ダウンが暑かった。
3月16日(木)
通勤途中、妻から「税務署から通知が届いてたよ」と通知ハガキの写真付きでLINEがきた。それは確定申告後の返戻金の通知だとすぐに気づいたが「脱税がバレたか…」と冗談で返した。「は? 脱税してたん⁈」と妻から本気のLINEが返ってきて笑った。が、これ本気で捉えてるかもと慌ててすぐに「冗談だよ」と返すと、「は?」とすぐに返事。悪い冗談はよしておくべきである。
今日の利用者さん訪問中、ケアマネさんか同席していた。あまり面識のないケアマネさんだったが、「辞めるんですか?」といの一番に聞かれる。退職することがケアマネさんの事業所内で噂になっていると。そのあとちょっと褒めてもろて、少しだけ調子にのる。
【車校日記】5限目(全17限)
①復習 ②坂道発進 ③クランク ④一本橋 ⑤スラローム
坂道発進をはじめてした。昇り坂から発進するときの方法を教えてもらった。坂道では、半クラにしても進み出すことはなく、ややアクセルを入れなければ進まない。坂道発進時にはブレーキを後輪ブレーキを踏みながら、アクセルを入れておいて、そこから半クラにしてエンジン音が変わってから、ブレーキをオフにして進むという手順がいる。要はいつもの発進にアクセルがプラスされた状態と考えればいいだけ。なんて軽く考えてだけど、やはり実際は違う。何度か失敗し、何度か成功した。教習終わりに教官が「何度失敗したって良いです。失敗しますよ、そりゃ。人間ですもん。でもね、繰り返していくと、誰だって上手になってきます。だってね、それこそ人間だもの」と言っていたのが印象的だった。彼の下の名前はみつをに違いない。
3月17日(金)
金曜日はやっぱりテンションが上がる。なんたって明日が休み。その上、この1週間が終われば来週でこの職場での勤務を終えるから。同僚に、辞めると決まってからあからさまに明るくなったと言われてドキリとする。隠してたつもりのものが漏れ出てた。この職場で頑張ってたつもりが、我慢してただけだったんだと気づいた瞬間だった。
今日も50歳新入職員と同行訪問。リハビリはもうほとんど任せていて、実際には訪問お作法を口頭で伝えてるだけ。やっぱり所々覚えきらないところもあって、何度も伝え直すところもあるんだけど、それでも熱心だから、その姿勢が尊敬できる。それにちょいちょい私の訪問を認めてくれる時があって、私はそれが嬉しい。訪問って、基本ひとりで回るから自分の関わり方が正しいのかがよく分からない。もちろん訪問ビギナーからの視点ではあるけれど、それでも50歳のベテラン理学療法士に認めてもらうのはやっぱり嬉しい。
辞めると決まってから、スタッフもケアマネさんも利用者さんも口々に嬉しいことを私に言ってくれて、なんでそれ早く言ってくれないの!となる。ま、言わないよね。こんな風に図に乗るもんね。最後くらい、ちょっと良い目見させてあげるって優しさだよね。美味しく受け止めておきます。
文章を書く時は、自由にありのままの自分で書くべきだと思った。他者に見せることが前提になることで、文章が整う、みたいなことをずいぶん前の日記に書いた記憶がある。その思いは今も変わってないけれど、せめて日記を書くその瞬間だけは「私だけ」であれよ、と思う。もちろん全裸で人前を走り回るわけにはいかないから、体裁というものを整えないといけない時もあるけれど、せめて文字を書くその瞬間だけは全裸のままでいろよ。
いつから他者を切り離せなくなったのだろう。皆んなでいるときも、独りでいるときも、いつも他者がそこにある気がする。独りの時でさえも、他者に見られているかのように振る舞い、不安を不安と享受せずスマホで親指活動に勤しむ。独りであり続けるってことが、難しい時代になったのかなぁ。
【車校日記】6限目(全17限)
①AT車の運転練習
今日も張り切ってマニュアル車を運転するつもりで、クラッチや後ろブレーキのイメージトレーニングまでしてきたのに、今回はATバイクの運転練習のみだった。青天の霹靂だった。がばーん。まあでも、マニュアル免許を取りながらAT車に乗る人なんてザラにいるだろうから当然ちゃ当然だよね。今回の練習は、ひたすら周回を回されるやつ。でも、クラッチも気にせずにただスピードに乗って走り回るのは気持ちが良かった。講習の終わり際になって雨が降ってきて、その雨粒が冷たかった。
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