〈映画批評〉SING:ネクストステージ【しょう】
みなさん、こんばんは。
今宵はここまでに しょうです。
本投稿では映画批評をしてみようと思います。
今回見た映画は「SING:ネクストステージ」
これは「SING」の続編で昨夜子供たちと家で見ていて色々感じるとこがあったので本当で批評という形で感想や感じた思いなんかを書いていこうと思います。
1作目で資金繰りに追われ倒産寸前の劇場をオーディションで抜擢した仲間たちと見事に立て直したオーナー兼プロデューサーのバスタームーン。
彼らの手掛けるショーを見に来たレッドショアにある超大手ショービジネス会社の広報担当。
彼女からその会社のオーディション情報を聞きつけ、仲間を引き連れ夜行バスのステーションに集合するもみんなあまり積極的な印象ではない。
バスの運転手が「乗らないなら出発するぞ~」とバスを動かす。
そのバスの正面に立ちはだかり停車させたのは本映画内の劇中で主演を務めるロジータ。
私はこのロジータに注目した。
バスを停めさせた彼女は仲間たちに向かってこう言う。
「レッドショアのステージに立つことが子供のころからの私の夢だったの!頼み込んでやっとの思いで夫に1日子供を見てもらう約束をしたのに!」
ロジータは20数人の子供を夫と2人で育てている。しかも夫は仕事の帰りが遅いから、終日ほぼワンオペ状態。
※私見だがワンオペという表現はあまり好きではない。家族という団体を運営していくにあたって各々が必要なことをしているのに、ワンオペという言葉を使ってしまうと、ワンオペじゃない方はさも一人で娯楽をしているように聞こえるからだ。
ロジータは子供のころ描いた夢を今も心の中に残しながら、バスタームーンのオーディションを受けに行った一人。妻であり、母である。そして一人の女性でもある。当然夢があり夢を追いかける権利がある。きっとロジータは、それを子供がいるから、忙しいから、仕方がないと自分に言い聞かせ続けてきたのだろう。
その見えない壁を打ち破り、前作で舞台の上で歌い踊った。
そしてついに舞い込んできた子供のころからの夢を叶える千載一遇のチャンス。
ロジータにとってこれをみすみす逃すことほど死活問題はないのだ。
そして事前にエントリーをせずオーディション会場へ清掃員に変装して潜り込むムーン一同。
お金にものを言わせ横暴な態度のクリスタル社長の前で10年以上音信不通住所不定の伝説的ロックシンガークレイキャロウェイをキャスティングできると嘘をつき、クリスタル社長の取り仕切るショーのプロデューサーにムーンは抜擢された。
着々と準備、リハーサルが続く中、主役のロジータは高いところから飛び降りる演技が恐怖心からできない。手すりにつかまり座り込んでしまう。
そこに現れたのはクリスタル社長の娘ポーシャ。
おそらく放任し何でも買い揃えてもらって大きくなったのであろう、これでもなくわがままでムーンたちを振り回す。社長の娘ということから厳しく注意もできず、社長から娘をショーに出させるよう命じられる。しかも主役のロジータの代わりに。
プライドが完全に砕け散ってしまい、代わりにあてがわれた役の演技にも集中できず身が入らない。
ムーンが意を決してポーシャへ主役を代わるよう伝えると、激昂し「パパに言いつけてやる!」とリハ会場から去って行ってしまう。その時を同じくしてクレイキャロウェイをキャスティングできると嘘をついていたことがばれてしまう。
結果クレイキャロウェイは参加してくれるようになったがクリスタル社長の逆鱗に触れ、ムーンは命を狙われることとなるが、ここまで来たら引き下がれない。ショーを開演させる。
ショーは順調に進み、いよいよロジータのあのシーンがやってくる。
観客の期待のまなざし、眼下はスモークが焚かれ何も見えない。
ふと演者通路に目をやると、クリスタル社長に高いところから突き落とされるムーン。
頭で考えるよりも体が先に反応するように飛び出すロジータ
勢いよく飛び出せたのは、演技ではなく自分を信じて主役に抜擢してくれたムーンを助けるためだった。
ロジータというキャラクター像に視点を置いていきたい。
ロジータは一般家庭の専業主婦。
夫は朝から夜まで働き、帰宅するころには子供たちは既に寝ている。
劇中の子供たちはおそらく保育園くらいの年齢設定。それが20数人。
気が遠くなるような目まぐるしい日常
起床し、家族の食事を用意し、身支度を整え、家族を送り出す。家を掃除し、買い物を済ませ、夕飯の支度をし、それが完了するころには子供たちが帰ってくる。
当時大流行した連ドラ「逃げ恥」でもいっていたが、専業主婦は給与換算すると年収500万前後(諸説あり)。
住み込みで住居費、食費を差し引き、1日8時間勤務+早出、残業、緊急呼び出し。有休消化率ほぼ0%。手当は交通費くらいだろうか。(詳しい方もっと教えてほしいです。)
そんな生活環境でもレッドショアという憧れの舞台に立ち歌うという夢は捨てなかった。
冒頭でも書いたが、レッドショア行きを渋る仲間たちを説得するときにロジータは「レッドショアのステージに立つことが子供のころからの私の夢だったの!頼み込んでやっとの思いで夫に1日子供を見てもらう約束をしたのに!」と言った。
夫の家庭への貢献度、家事分担の配分などの議論は本投稿では置いておくとして、最終的にその夢を叶えたロジータはとても清々しく美しかった。
この映画は登場人物一人一人焦点を当てて考えさせられる内容が多く、単なる子供ウケを狙った音楽映画ではないことは明らかだ。
子供たちがもう少し大きくなったらもう一回見るとしよう。
では今宵はここまでに
しょう
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?