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30までにとうるさくての感想



久々にピンと来る作品に出会った。
東京女子図鑑の時は東カレっぽく皮肉たっぷりで、コンテンツとしては面白いけどどこかピンと来なかった。ただ東京にきた夢物語をフワッと描いて、完成された世界観に女性の悩みを紐付けた薄っぺらい作品だと思ったからだ。理想と空虚な作品。


一方、30までにとうるさくては、未来が込められていた。現代における、セックスレスや同性愛者、結婚、キャリア、出産など、さまざまな背景を持った女性たちと共に"こうあるべき理想"のカタチが映し出されている。現実はそんなにスムーズに行かないことがわかっていても、見ていてすごく清々しい気持ちになった。

私が一番響いたのは、主人公が30歳という節目の年齢になり仕事を辞めて結婚をとるかの選択を迫られた時に、自分の心のモヤモヤとしっかり向き合い、環境という名のもとに言い訳せず結婚を選択しなかったことだ。

女性なら誰もが30歳という節目に結婚を意識せずにはいられない。

本当にこの人でいいのか?よりも、『結婚できなかった後の自分の未来』を想像して、無理矢理にでも結婚を選択しようとする。

この作品自体が本当にそれでいいのか?っていうことを今の女性たちに問いかけている気がした。

かくいう私も32歳となった今周りは出産ラッシュで結婚や出産というワードを意識せずにはいられない年齢となった。

子供を産んだ友人からは、当たり前のように結婚って幸せだよ!子供って可愛いよ!と言われる。

そんなことはとうの昔にわかっている。
自己実現と結婚出産の大きな違いは、相手がいないとそもそも土台にも立てないことである。

30年という短くも長くもない時間に、生物学的観点で結婚と出産を結びつけるのであればそれは効率がよく合理的な判断であるが、それなりに経済的自立をした女性たちにとって本当に魅力的なものなのかはもっと議論されてもいいべき話題なのかもしれない。

大体30までに結婚した方がいいと言う女は、違う時代に生きているか、はたまた、当たり前の幸せに憧れて結婚を焦った女に違いない。

別に結婚することに対して否定的な訳ではなく、結婚しないという選択においても理解がされる世の中になってくれたらいいなと言う戯言なのである。

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