始めに
当記事では『ニンジャスレイヤーTRPG』第2版における回避と体力の関係について思考実験を絡めた検証を行い、それぞれの特徴などについて考察を行っていく。当記事の考察がPCを育てたりNPCのデータを作成する際、読者の皆様の助けとなれば幸いである。
シミュレーション条件
思考実験1『体力と回避がほぼ等価な状況』
基準とするため体力と回避ダイスがほぼ等価となる状況を考える。
この状況では体力を6増やしても回避を6増やしても耐久力は倍化する。そこにあるのは体力が倍になるか受けるダメージの期待値が半減するかの違いである。これを基準にシチュエーションの変化が体力と回避ダイスの価値にどのような影響をもたらすか検証、考察していく。
コラム1『体力は盛りやすい』
思考実験2『攻撃回数による変化』
合計ダメージをそのままに実験1から攻撃回数を変え結果を見る。
この状況で耐久力を2倍にしたい場合、体力の場合は思考実験1と同様に+6する必要があるが回避の場合は+3で済む。『回避:NORMAL』ならそれぞれの攻撃に1個ずつ追加で回避ダイスを割り振れればそれで被弾率は半分になるからだ。このように難易度をそのままに手数が減ると回避型が有利になる。逆も然りであり手数型の攻撃に対する耐久は体力ビルドの得意分野である。
コラム2『持ちつ持たれつ』
思考実験3『ダメージ量による変化』
実験1から単発のダメージ量だけを変え結果を見る。
攻撃一発あたりのダメージ量が増えると1個の回避ダイスに期待できる軽減量もその分大きくなるので一見回避ダイス有利に見えるかもしれない。しかしこのシチュエーションでも+6で耐久力の倍化をもたらすことは体力、回避共に変わらない。原因としては多くの攻撃を倒されずに堪えればその分回避ダイスを補充する機会も増えることなどが挙げられるだろう。
コラム3『緊急回避ダイス』
思考実験4『回避難易度による変化』
実験1から回避難易度だけを変え結果を見る。
他の条件をそのままに回避難易度が上がると『回避ダイス』1個あたりの価値は落ちる。思考実験1~2のような『1個ずつ追加で回避ダイスを割り振れれば被弾率が半減する』状況ではなくなるため回避ダイスの増加により2倍の耐久力を得るには思考実験1よりも多くの回避ダイスが必要となる。このような火力が主要な脅威となる状況では体力型の方が有利だろう。
コラム4『大技を耐えよう』
思考実験5『体力に頼ることが困難な状況』
体力に頼ることが困難な状況について考える。
上記の例のように、大量のクローンヤクザによる一斉射撃のような極端に大きなダメージを前にした場合は多少体力を上げても焼け石に水となることがある。そこまで極端な状況でなくとも『サツバツ!』が飛んできた場合や『精神力ダメージ』で攻められた場合など体力に頼ることが難しい瞬間というのは往々にして発生する。
ただしそのような場合でも体力で受けることができる攻撃が他に来ていればそちらへの回避ダイスを節約することで間接的に体力に頼ることが可能である。しかしアトモスフィア上昇後、最後に残ったボスがヤバレカバレで放ったナムアミダブツ!狙いの単発攻撃が飛んできた場合など間接的な形で体力に頼ることさえ困難な状況が存在するのは事実であり、このようなシチュエーションでの安定感は回避型ビルドの明確な強みと言えるだろう。
コラム5『サツバツ!耐性やジツ耐性による補強』
体力と回避の関係
ここまでの検証結果を見る限りでは、体力と回避ダイスはそれぞれに強みのある持ちつ持たれつの関係であると考えられる。タフなニンジャを産み出したいなら、結局のところはバランスが重要になるだろう。当記事の検証や考察はこれで以上となる。
参考資料:「ソウルワイヤード」ダイハードテイルズ
ヘッダー:「Midjourney」
「Midjourney」のドキュメント:https://midjourney.gitbook.io/docs/