その飢餓感と繊細さでだめなら納得できる | たった4年で100店舗の美容室を作った僕の考え方 北原孝彦 (著) | #塚本本棚
本書のプロローグに当時会社員だった北原氏が、社長から店長を任される時に「お前に任せて、それでお店が潰れるなら、納得できる気がするから」と言われたというエピソードがありますが、僕もその気持ちわかる気がします。
北原君が本気で”やるぞ!”と決めてそれで出来なかったなら「そりゃもう他の誰でも駄目だろう」と思えるくらい北原君はまっすぐに一生懸命な人だから。
タイトルに”たった4年”とあるけれど、彼の4年は僕みたいな働かない凡人の12年分以上は濃密だったんだろうなと思う。
今日は「たった4年で100店舗の美容室を作った僕の考え方( https://amzn.to/3h1IhqJ )」 北原孝彦 (著) #塚本本棚
【紹介文】
社員とお客様のストレスをゼロにすれば、会社の成長は自動的に倍速になる! なぜ「レッドオーシャン」の美容室業界で急成長できたのか?
【書評】
僕と北原君が出会ったのはまだ開業前だったと思うが、もう6年以上経つだろうか?あの頃から目には鋭い力があったが、それでも今の北原君を見ると、遠い昔の隔世の感がある。とても大きな人になった。
でも北原君はあの頃から一切ブレず、そして一切妥協せず走り続けている。北原君が日々さわやかに発する一つ一つの提言は、常人の当たり前を軽々と超えていて、それに僕自身驚き気づきがあり、いろんな起業家を引き合わせても、みんな北原君のファンになっていく。
人に二の手を与えない。それは優しさでもあり、ある種の残酷さでもあるが、常にソリューションに向けてまっすぐな北原君の出した答えだ。その逆転の発想や、深度のある思考の妙味は本書を読んでもらえばわかる。
一方で、僕は北原君が今後どこを目指し、そしてその目指した先に何を思うのかにも興味がある。得てして、天才はその与えられた才能の為に、休む暇、頑張ったベネフィットを享受する時間を与えられないまま駆け抜けざるをえなかったりするからだ。どうにか幸せになって欲しい。
だからなのか本書は、よくある経営者の成功本にある自己の発露、欲望の吐露がなく、あくまでディアーズという類稀なるビジネスモデルについてのロジックが語られている(まぁ、これもまた北原君らしい)。
改めて本書は、美容室のビジネスモデルの実践指南書ではあるが、この考え方は店舗型のビジネスだけではなく、経営管理を行うあらゆる人に参考になるのではないかと思う
【本を読んで考えた・メモ】
・北原君は今も昔も”(少なくとも本人は)大車輪で働いている”と感じる。だからその考え抜かれたフレームは強固で、中の人は安全なのかなと思う
・そしてこのモデルは割と孤独。その孤独に耐えられるのが北原君という器
・徹底的にそぎ落とすことで社員を疲れさせない。その為に大事なのは考え抜かれた仕組み
・簡単に言うけど、いろんな基準が常人を超えている
・飢餓感と繊細さの共存がなされている。稀有
・突き詰めると構築8割、実践2割なんだろうな。何事も
・すべての決定と選択に”なぜそうするのか”があり、その一つ一つの選択の先には”ディアーズはこうあるべき”という信念がある。一本芯が通っているからブレない
・人間関係を形成しない距離感を作ることで、ビジネスの大きなリスク要素を一つ排除する。これもシンプルだけどなかなかない発想。且つ北原君らしい優しさでもある
・ベネフィットを明確に設定してる。お客様を選んでる
・正解があるもの、再現性が高いものをビジネスモデルの中に構築している。だから人間に依存しにくい。だから採用しやすく拡大しやすい
・北原君の性分は、一つのことに熱中すると規格外なレベルに至るまで突き詰めてしまう。その積み重ねが、規格外の掛け算、奇跡を生んでいる
・またその奇跡の反面、トップダウンのリスクも北原君はわかっていてやっている
・FC展開の章でも感じるが、ディズニー並みの幸せのGIVE&GIVEによるお困りごとの解決方法は、自分で思考する人にとってはドライに感じるかもしれないけど、助けてほしい人にとっては神のような三方良しのビジネスモデル。これは北原イズムの真骨頂だと思う
・この本を傍らにおいて、”あぁそうだ、北原君ならこう考える”と参考にするような使い方をしようと思う。なかなかこういう考え方はできないものだ