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突飛な希望年収を語る人が評価されにくい理由
希望年収にまつわる話です。
私の経験から、転職で叶う希望年収の相場をいえば、だいたい現収から1割アップくらいで、2割アップはまれ。ただ現収が300〜400万円台なら100万円アップはそこそこ見るかなというくらいです。
年収は、その企業の給与テーブルや評価グレードによって定まります。現収も考慮はしてくれるものの、あまりにその企業の給与水準とかけ離れていれば、現在の社員との兼ね合いもあって、必ずしもアップ提示になるとは限りません。
ただ、転職エージェントをしていると、ときどき希望年収がやけに高い転職希望者と出くわします。
私が体験したケースでは、現収650万円で希望年収1000万円という40代の人がいました。なんと50%強、350万アップの希望です。その人の言い分はこうです。
「元同僚が転職して1000万円もらっている。その元同僚がやっていた仕事なら私にもできる。だから1000万円はほしい」
ご察しの通り、ピントがずれている点がいくつかあります。
まず、元同僚がもらっているからほしい、という動機がイケてないです。これでは面接でも語れないでしょう。
さらに、元同僚とは応募する企業が違うのに同一の条件を求めていることもおかしいです。もし元同僚と同じ企業へ応募するならまだわかりますが。全然違う会社に、同じ待遇を求めるのはナンセンスでしょう。
おまけに、よくよく聞くとその元同僚とは経験職種が全然異なってました。関連部署だったからその仕事のことを知っている程度でした。これでは当然、元同僚と同じ評価は得られるはずがありません。もっと言えば「未経験者」にすぎないわけですから。
希望を語るのは自由ですが、語った時点でその人の考え方や人となりがなんらか伝わります。
転職において、「相手にどう伝わるか」に思考を向けることができない姿は、確実にマイナス評価につながります。
なぜなら、仕事を進める上では人と連携しながら進める場面が必ずあり、「きっとその際に相手を思いやれない、難のある人物だろう」と評価せざるを得ないからです。
本当にどうしても1000万円が欲しいのであれば、副業を検討するなり投資をするなり、自らの努力でやれることがあるはずです。
自分は何も変わらないままで、転職先にだけ求めるのはそれは無理な話です。
転職エージェントをしていると、世の中には色んな人がいるなあとつくづく感じます。