◯◯の切れ目が縁の切れ目
〜寂しい人生を送らないために〜
1つ質問をさせて下さい。
アナタは信頼できる人に囲まれる人生を送りたいですか?
それとも一人で人生を送りたいですか?
もし、信頼できる方に囲まれながら歩まれたい方は、このお話しを参考にしてください。
今回の重要な点をまとめると、
①物や立場で繋がる縁は、それがなくなったらそれが切れ目になること
②心の繋がりは、どこまで行っても切れることはないということ
です。
どうぞ、ご一読ください。
私の知人で進藤(仮名)さんと言う地方の政治家をされていた方がおられます。選挙ではいつも当選をされて、地元では有名な方でした。進藤さんが居られるところには自然と色々な方が集まって、進藤さんに色々とご相談をされておられました。
それは進藤さんがちょうど65歳の時でした。政治の刷新が叫ばれ、多くの若手の政治家の方が選挙に出馬されました。進藤さんはもちろんいつものように出馬をされたのですが、この時は落選してしまったのです。
すると、用事があって選挙の時に応援してくれていた方のところに行くのですが、玄関から中に入れてもらえる事はなくなり、今まで親しげにしていた役所の職員の方々も、自分が用事で行っても空々しく、挨拶しかしてくれません。
ある時です。役所を歩いていると、喫煙所から話す声が聞こえます。
「進藤さんって、なんでこんなに役所に来るんだろう。別に誰も呼んでもいないのに」と、話し、もう一人が「そうだね。今までは議員さんをされてたから、私たちも接していたけど、議員じゃなくなったら別に構う必要はないよね」と返します。会話はその後も続いて「何か話に聞くと色々な人のところに票を頼みに行ってるみたいだけど、今まであんな横柄な態度をしておいたにも関わらず、そんな都合のいいことないよね」「そうだよね。私たちにもだいぶ無理を言ってきたし、何で今さら進藤さんを構わないといけないの」と、いうものでした 。
進藤さんは、この職員の方々の言葉に非常に悲しい気持ちになりました。
しかし、ふと自分を振り返った時「確かに自分は高慢な姿で、今まで色々な方に接してきていたな。また、自分の立場を利用してだいぶ多くの方に無理を言ってきた。これは確かに事実だ」と、いう思いに至りました。
それからしばらくして、同窓会がありました。久しぶりに見る同級生の顔を見ると、ほっといたします。そんな中で、昔から地元に根付いていた新井さんという方が「進藤、お前のいい噂は全然聞かない。これを機に政治家を辞めたらどうか」と話しかけてきたのです。この言葉を聞いて、進藤さんは「政治家」というものにまだ強い思いがあったので、ショックを受けました。
新井さんは続けます。
「人間っていうのは心と心のつながりで生きているんだ。一時的な物や立場の繋がりなんか、すぐ消えてしまう。そんなことよりも自分が打ち込めること、それに時間を使った方が進藤のためになるんじゃないか。お前の父ちゃんは、もともと農家だったじゃないか 。父ちゃんの後ろ姿を見習って誠実に農家をしてみたらどうか。力を貸すよ」とおっしゃってくれたのです。
進藤さんは、その新井さんの言葉に最初はムッとしましたが、自分を真剣に思ってくれる誠意ある言葉に打たれ、政治家を辞めて農家になったのです。
すると、今までのような華やかなお付き合いはなくなりましたが、野菜の物々交換があったり、村の寄り合いでお話しをする友達ができたのです。
進藤さんは私に「崇裕さん、金の切れ目が縁の切れ目だと言いますが、まさしくその通りだと思います。それよりも打算がないお付き合いのほうが、自分を助けてくれ、人生を有意義にしてくれる」と教えてくれました。
もう一度、信頼出来る方々と暮らそうと思うポイントをまとめると、
①物や立場の繋がりは、それがなくなればなくなったしまう可能性が高いこと。
②心の付き合いは切れ目がないということ。
以上の点です。
どうぞ、参考にしていただき、温かい人生を共に歩みましょう。
皆様の幸せを 高野山 より願っております。
合掌
仏教をお伝えしたいのですが、中々一人ではお伝え出来るのに力が足りません。でも、皆さんと繋がりたいと思っています。
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