今さら聞けないテザーのお話

こんにちは。

ホエールウォッチングしてますか?

やっていない人はこちら(https://twitter.com/whale_alert)でホエールウォッチングしてみましょう。

ジーッと観察していると、突然クジラが現れます。

画像1

これを見たトレーダーたちが「テザー発行!ロング!」と騒いでいる姿を皆さんきっと見たことがあるでしょう。

ホエールウォッチングはクジラが現れると盛り上がるものなのです。

その様子を見て、「よく分からないけどテザーが何かなるとビットコインが上がるらしいからとりあえずロングしとくか……」と雰囲気イナゴムーブをしている人も多いのではないでしょうか。

今日はそんな今さら聞けないテザーのお話をしたいと思います。

ちなみに、先ほどのツイートの "mint"  は「お金を作る」という意味です。

つまりあれは「3億ドル発行したよー」という速報だったのです。

いやそんなカジュアルに3億ドル発行するなよ。

3億ドルやぞ3億ドル。

その発行したお金でビットコインを買うと当然ビットコインは上がるので、みんなそれを警戒(あるいは期待)して騒いでいたわけですね。

USDT(テザー)とは

さて、そんなUSDT(テザー)ですが、簡単に言うと仮想通貨の能力を持ったUSD(米ドル)です。

仮想USDなので、基本的に1USDT=1USDです。

ですが、実際は1USDより高くなったり安くなったりします。

画像2

約1ドルではありますが、安定しているとは言い難い感じです。

さっきは「カジュアルに発行するなよ」なんて言いましたが、実際にはちゃんとUSDT発行にはルールがあります。

そうじゃないとお金刷り放題になっちゃいますからね。

ルールは単純明快、市場に出回るUSDTと同額のUSDをUSDT発行元であるテザー社がプールしていること。

……なんですが、テザー社にはこの裏付け資産を持っていないんじゃないか(使い込んでるんじゃないか)という疑惑があり、訴訟を起こされてしまいました。

そんな疑いをかけられて黙っているわけにはいきません。

テザー社の創設者は言いました。

「裏付け資産の有無など関係ない!」

画像3

刷り放題です。

無敵になりました。

そんな無敵の力を得たテザー社がこのUSDTをどのように運用しているかを考えることで、我々のような弱小トレーダーもそのおこぼれをもらうことができます。

長い物に巻かれた者だけがこの戦場を生き残るのです。

(簡単に言うと、「USDTがUSDより高いときにビットコインを買い、USDTがUSDより安いときにビットコインを売ってUSDTを回収する、以下繰り返し」という動きをしていると考えられます)

しかし、USDTのすごいところはこれだけではありません。

始めにも書きましたが、「テザー発行!ロング!」と騒ぐトレーダーが世界中にいるのです。

これって、テザー発行を合図に世界中のトレーダーたちが一斉にロングを打ってビットコインを上げることができてしまうと思いませんか。

そんなバカなと思いますか?

実はそれを証明する事件が実際に起きたのです。

テザーシグナル

ある気持ちのいい朝、巨大なクジラは突然やってきました。

画像4

50億ドルです。

さすがにこれまでと桁が違うUSDTの発行に世界中のトレーダーが震え上がりました。

そしてこの直後ビットコインは600ドルの大暴騰を見せ、トレーダーたちは改めてテザーの力に震えたのです。


ところが


この50億USDT発行の速報は実は「誤報」で、実際には発行されていなかったのです。

つまり、この速報の直後の大暴騰は「USDTが大量発行されたから上がるに違いない」と考えて一斉にロングを打った世界中のトレーダーたちによって引き起こされたものだったのです。

「皆が意識している」というのはバカにできないものですね。

ちなみに僕はこの誤報の報せを聞いて最速で全力ショートを打っていたので爆益でした。

誤報で上げたということは需給バランスが崩壊しているわけで、すぐに本来あるべき価格に戻るだろうことは容易に想像できますからね。

USDT時価総額とBTC

ここまでをまとめると、USDTが大量発行されたりUSDT高になると(イナゴトレーダーたちの後押しもあり)ビットコインが買われて価格が上がる、USDTが安くなるとビットコインが売られて価格が下がる、という傾向があることが分かりました。

つまり、ビットコインの価格とUSDTの時価総額には強い相関があると見ることができます。

それを踏まえて、一昨日こんなお絵描きをしていました。

画像5

見づらいですが、チャートの裏にある2本の薄い折れ線がUSDTの時価総額です。

確かに相関はありそうですが、ときどき乖離が生まれていますね。

しかし結局、USDTが増えていないのにBTCの価格が上がっている場合はBTCが下がってくるか、もしくはUSDTが発行されてUSDTの時価総額が上がって乖離は埋められていることが分かります。

となると、USDTが増えているのにBTCが下がっている今のこの乖離はどう埋めるんだ?という疑問から生まれたのがこのお絵描きでした。

そしてその結果(今日)がこちら。

画像6

うーんすごい。

テザー万歳!


いいなと思ったら応援しよう!