運に勝つための戦略とゴールドトレード論

こんにちは。

皆さんお元気でしたか?

だいぶ久々の更新になりました。

本当はこれまでも書きたい話はたくさんあったのですが、僕があまりにも遅筆すぎて、書いては「今更この話題公開してもな……」となり、また新しい記事に着手しては「今更この話題公開してもな……」となり、それを繰り返しているうちに今日に至ってしまいました。結果、今下書きには記事が10個ほど溜まっています。

ですが、今後僕がビットコインに関する記事を投稿することはもうないかもしれません。ビットコイン界隈は今あまりにも多くのデータの話で溢れていて、情報過多の状態になってしまっているからです。

以前こんな記事を書いたこともありました。

情報は、本来少ないほどよいのです。情報が多すぎると、人はその中から自分に都合のよいデータを選び、自分に都合のよい解釈をしてしまう生き物です。データから得られるべきは客観的事実であり、データの海から紡ぎ出された独創的なストーリーではありません。

というわけで、今回の記事はこれまでのようなビットコインのお話とは少し違います。ですが、もっと一般的で、色々なことに繋がるお話をしたいと思っています。

「運」は本当に「運」なのか

勝負事において、「運」の要素をどう排除するかというのはとても重要です。これはトレードも例外ではありません。

僕は、運を排除するのは「知識」と「期待値」、そしてそれらを正しく組み込んだ「戦略」だと思っています。

勝負事には必ず運が絡みます。これは動かしようのない事実です。ですが、知識をつけることで、運の絡む場面と絡まない場面を見極めることができるようになります。運の要素があるなかで、技術介入の余地はどこにあるのか。勝っている人は皆、そこに知恵を絞っています。

逆に、負けている(成長しない)人は、負けるとすぐに「運が悪くて負けた」「はいはい運ゲー」と言ってすべてを運で片付けます。運の絡まない場面までをも運だと思い込んでいるので、すべてが運に見えてしまっているのです。

博打を打つ必要のない場面で博打を打つ人間と、博打を打つ必要のない場面では堅実な選択をする人間が戦えば、言うまでもありませんが、必ず後者が勝ちます。「知識差で勝ててしまう相手」というのは、「リスクを取らずとも勝てる相手」と同義ですから、こんなにおいしい相手はいません。

そして、知識をつけてなお排除しきれない、運と向き合わざるを得ない場面を期待値で勝ちにいく、というわけです。(知識あっての期待値なので、期待値は知識の延長みたいなものです)

ゴールドドリーム

実は最近ゴールドのトレードを始めました。

ゴールドに興味を持ったきっかけは、御多分に漏れず、コロナショックによる爆上げです。

ゴールドのチャートを見てほしいのですが、日足レベルでこの上げです。このあまりの見事な爆上げっぷりに、乗るしかないこのビッグウェーブに、と思ったのです。

そしてそのわずか5日後がこちら。

これはひどい。

幸いまだトレードはしていなかった(というかまだ口座も作っていなかった)のですが、自分のあまりの養分イナゴっぷりにガックリきましたね。8月6日のツイートの画像2枚目は、まさに僕の姿だったという……

しかし僕は思いました。このゴールドという商品、爆上げでロングして、暴落でショートすれば最速で億れる夢の商品なのでは?と。

画像1

そして僕はついに禁断のゴールドに手を出してしまったのです。

ゴールドドリームと現実

口座を作って、さぁいよいよ取引だと思ったのですが、冷静に考えてみるとゴールドについて何ひとつ知らないことに気づきました。

何を基準に売買の判断をすればいいの?どのくらいの値幅動くと利益/損失はどのくらい出るの?どうなるとロスカされるの?何枚持てばいいの?

完全に無知。知識差で勝つ話はどこいった。

まぁまずは触って覚えようということで(MT5の操作方法すらよく分からなかったので)、10万円だけ入金して、いなごFlyerを見ながら雰囲気でぽちぽちボタンを押してみました。

運だけでその日のうちに27万になりました。

何枚持てばいいのかよく分からなかったので、普通に1枚とか持っています(10万で1枚は初心者が持つにはだいぶ強気)。無知って怖い。ジャングルジムの上を全力疾走する子供みたいな感じです。

そして、実際に触ってみて分かったこととしては、とにかく値動きがめちゃくちゃ荒い。ゴールドの1ドル幅がビットコインでいうところの100ドル幅に相当する感じなのですが、秒速で1〜2ドル幅上がったり下がったりします。そして一度上がり/下がり始めると10ドル幅くらい簡単に動きます。さらにはそこから全戻しのオマケ付き。

なので、ビットコインみたいに「200ドル幅逆行したところにストップ置いておこうかな」みたいなことはまず無理です。100%狩られます。損切りbotとしてお金をばら撒きたい人は是非やってみてください。ありがたく拾わせていただきます。

チャートを見れば一目瞭然ですが、ゴールドの値動きはこんな感じです。

画像2

1ドル幅がビットコインの100ドル幅だと思って見てください。どうですか?30分足ですよ?正気の沙汰とは思えないでしょ?

この動きですので、含み益も含み損も一瞬で消し飛びます。

もともと僕は、「爆上げでロングガチホ、爆下げでショートガチホで億るぞ」という養分丸出しの目標を掲げてゴールドを始めたので、初めのうちは結構握っていたんですよね。ですが、含み益10万超えでホクホクしながらご飯食べに行って帰ってきたら建値で切られてた、みたいなことが数回起きてから考えを改めました。

ゴールドは謙虚利確しないと一生利益出ない。

あれ……思ってたんと違う……

そして、細かく損切りを入れるとだいたい天井/底損切りになって結局建値に戻ってくるので、こちらも考えを改めました。

損切りはしない。

お前は何を言っていr

損切りを戦略へどう組み込むか

「損切りをしない」と書きましたが、ボラティリティの大きさと許容するべきリスクの大きさは比例します。ゴールドが鬼のようなボラである以上、リスクはかなり大きく許容する必要があります。細かく損切りしてリスク最小に……みたいなことをしたいのであれば、それはもう「他の商品を触れ」ということなのです。

ビットコインが200ドル逆行したら「自分の見立てが間違っていた」と考えるには十分だと僕は思っていますが、ゴールドが2ドル逆行するのはノイズの範囲です。その値動きに理由などありません。運です。

「しっかりライン際でエントリーすれば損切り幅は極小にできる」的なことをチャーチストはすぐ言いますが、あれは嘘です。どこでエントリーしようが、損切り幅がノイズの範囲内であれば、狩られるも狩られないも完全に運です。「俺は◯ドル幅以内で損切りして勝ってるけど?」と言われたら、「運がいいんですね」と返して終わりです。

そもそもほにゃららラインみたいなものがうs

また、損切り幅の大きさと勝率の高さも比例します。つまり、損切り幅が広ければ広いほど勝率は高くなります。考えれば当たり前の話ばかりですが、皆さんこの辺をちゃんと理解したうえで損切りを戦略に組み込んでいますか?

そろそろ勘違いを生んでしまいそうなので一応書きますが、損切り幅が大きければ、勝率こそ確かに高くなりますが、一撃の損失が大きくなるため、俗に言うコツコツドカンが発生します。損切りできない(「しない」ではなく「できない」)人たちが一生負けているのはこれが理由です。

さて、以上を踏まえて、ゴールドギャンブルをするうえでどうやって勝つかの戦略を考えていきます。まずはおさらいです。

ボラが鬼
⇒ノイズが大きい
⇒リスクを大きく許容しなくてはいけない
⇒結果として高勝率なトレードになるが一撃の損失が大きい

整いました。

一撃の損失を可能な限り小さく固定したうえで、高い勝率で勝っている間にその損失以上の利益を出す

シンプルにこれです。

まずはノイズの範囲ですが、個人的な感覚としては15ドル幅くらいまではノイズの範囲です(たぶん僕の頭がおかしい)。基本1~2枚持つので、一撃20~30万の損失を僕は想定しています。そして、含み益すらノイズの範囲内なので利確は謙虚にしていきます。僕の感覚では、3〜4ドル幅抜きで利確検討、10ドル幅抜きはもう即利確水準。そして、損切りをしないので、増えたら即出金して残高を調整(損失を固定)します。あとは死ぬまでに抜けるだけ抜く。

これの繰り返しです。とにかくお金を抜くこと。そもそもトレードというのは、死んだときに吹っ飛んだ残高よりも抜いた金額の方が大きければ勝ちのゲームです。

これは勝てない人あるあるなんですが、残高が増えたときに「出金せず複利で増やそう」などと考えてはいけません。もう一度言いますが、死んだときに吹っ飛んだ残高よりも抜いた金額の方が大きければ勝ちのゲームです。死ぬときにすべてを吹っ飛ばしていては永遠に勝てません。

ちょうど今週の初めにいい感じに残高を吹っ飛ばしたので、今週の履歴を載せつつ説明したいと思います。

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はい、開幕マイナス20万喰らってますね。2枚持っていたので一撃マイナス20万です。ちなみに、残高20万で2枚持つのはルール違反です。見ると分かりますが、10ドル幅(ノイズの範囲内)でゼロカされています。愚かですね。そして残高がなくなってしまったので、20万円入金(Deposit)しています。

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その後ぽちぽちして残高が増えてきたので、10万円出金(Withdrawal)しました。

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増えるたびに出金を繰り返し、入金した分(20万円)無事出金できました。これでようやく今週のスタートラインです。

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あとはひたすら出金を繰り返し、60万抜いて今週を終えました。ときどき2枚持つので、残高も30万に増やしています。ビットコインのように日次ミリオンとかは出せませんが(戦略的にあまり大きな枚数を持てない)、逆に証拠金20万でビットコインでこのペースで増やすのはかなり大変なので、そこはゴールドの大きな魅力ですね。昨日で始めてちょうど1ヶ月になりましたが、週平均+40万くらいは普通に出ます。

改めて言いますが、マーケットはお金を抜く場所です。お金を入れる場所ではありません。

エントリーのルール

エントリー基準に関しては、残念ながら紹介できるほどのものはありません。水平線を引いて、移動平均線を表示して、いなごFlyerでUSD/JPYとEUR/USDとAUD/USDを見ています。あとは本当に雰囲気です。

いくつかポイントとしては、これは別にゴールドに限った話ではないのですが、まず、水平線を割る方に賭けないということです。水平線がなぜそこに存在するのかというと、割れないからなんですね。割れないから、そこに水平線を描く点がプロットされているのです。

特に今回の戦略の場合損切りをしないので、助かるポジションを持つのが最重要で、ラインを割る方にベットすると底ショート/天井ロングを掴まされて、まず助かりません。(ちなみに先ほど載せた僕の20万損切りは水平線上抜けにベットしたド天井ロングでした。愚かですね)

次に、突っ込まないこと。これもゴールドに限らないのですが、急騰・急落時に突っ込むのは典型的な養分ムーブです。特にゴールドは大きく動いた後の押し/戻りがかなり大きいので、心配しなくても置いていかれることはまずありません。FOMOは敵です。100回唱えましょう。

最後に、Twitterを見ないこと。フォロワーの多い大物っぽい雰囲気を出しているような人も、ゴールドが下がり始めると「下がる下がる」言って、ゴールドが上がり始めると「上がる上がる」言っているだけなので、惑わされてはいけません。短期トレードには関係のないことです。

ちなみに、この戦略は向き不向きはかなりあると思います。含み損の画面が一瞬でマイナス数万円になりますし、死ぬときはマイナス20万円まで膨れ上がるので、それを見ても「ちょwww」くらいの気持ちでいられないのであれば恐らくゴールドでこの戦略をとるのは無理です。自分の性格に合った戦略をとるというのも大事です。

最後に

勘違いしないでほしいのですが、今回の記事のメッセージは「ゴールドちょろいのでみんなゴールドやろうぜ」ではありません。むしろ、ボラが鬼すぎて、まともな感覚を持つ人にはまったくオススメできません。僕が伝えたかったのは、勝つための戦略をきちんと練りましょう、ということです。

何をトレードしても同じお絵描きをして、同じリスクリワード論を語って、というのは思考停止です。それで勝っているなら問題ありませんが、勝てていないのであれば、それはそのトレード対象固有の対策を放棄しているからです。

たとえば、ビットコインとゴールドでは僕のトレードのやり方は全然違います。というかこのゴールドの戦略をビットコインに適用したら、一瞬でお金をばら撒くことになるでしょう。

僕が今回書いたような激ヤバゴールドトレード論を展開する人は、恐らく他にいないのではないかと思います。正直、僕から見ても「正気か……?」と思ってしまう内容です。ですが、僕自身がお金を賭けて、勝つための独自の戦略を練って勝てるようになった、というところには大きな価値があると思っています。そのプロセスが皆さんの何かの参考になれば嬉しいです。

……でもやっぱり一度はゴールドガチホでビッグウェーブに乗ってみたいなぁ。

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