需要と供給から見るビットコイン
こんにちは。
分析してますか?
MACDが効くらしいと聞けばMACDを入れ、一目雲が効くらしいと聞けば一目雲を入れ、チャネルが効くらしいと聞けばチャネルをお絵描きして、あれやこれやと手を出して、何を分析しているのか見失っていませんか。
個人的にはフィボナッチとか三尊とかチャートにお絵描きしながらそれを値動きの根拠にしている人を見ると「占い好きなんだなぁ」と微笑ましく思ってしまうんですが、そういうことを言うと宗教戦争が勃発するのでやめておきます。
別にテクニカル分析を否定しているわけではありません。
ですが、自分に都合のいいようにラインを引き直したり、解釈を変えたりして損切りできずに死んでいく数多のトレーダーを見ていると、「テクニカル分析って実は養分を嵌め込むために存在しているのでは……?」と思ってしまいます。
物の値段の決まり方
さて、先ほど「値動きの根拠」という言葉を使いました。
物の値段ってどうやって決まるのでしょうか?
フィボナッチですか?(やめろ)
一般に、物の値段は需要と供給で決まります。
学校で習いましたね。
こんなやつです。
需要が増えれば価格は上がる。供給が増えれば価格は下がる。需要が減れば価格は下がる。供給が減れば価格は上がる。
逆に、価格が上がると需要は減り、供給は増える。価格が下がると需要が増え、供給は減る。
そうして需要と供給のバランスが取れたところで価格が定まる。
考えてみれば当たり前の話です。
そしてそれは仮想通貨も例外ではありません。
これはここ10日くらいのビットコインの値動きです。
10000ドルと10400ドルの間を行ったり来たりしています。
俗に言う「レンジ」というやつですね。
10400ドルでは高いと思われる傾向が強くなり、需要が減ってしまうためそれ以上買われなくなる。
一方で価格が上がると供給が増えるので、売りたい人は増える。
結果ビットコインの価格は下がっていく。
しかし今度は10000ドル前後では安いと思われる傾向が強くなり、買いたい人が増える。
一方で価格が下がると供給が減るので、売る人は減る。
結果ビットコインの価格は上がっていく。
こうしてレンジが出来上がるわけです。
そして最終的には適正価格へと収束していきます。
ビットコインと需給バランス
BitMEXには、Funding Rateと呼ばれる重要な仕組みがあります。
資金調達率という項目に書かれた赤い数字がそれです。
これは、「時間がきたときにロングポジションを持っていたら0.01%の金利を払ってくださいね」という意味です。
逆にショートを持っていると0.01%の金利を受け取ることができます。
資金調達率は、0.01%を基本として(現物に対する)需給バランスに応じて変動していきます。
(なぜロング不利な0.01%が基本なのかというとロングのためにUSDを借りてくる金利が発生するからなんですがそれは知らなくていいです)
何のためにこんな資金調達率という仕組みを設けているのかというと、「本来の需給に対して買われすぎている」場合は金利を上げることで買いづらくさせ、逆に「本来の需給に対して売られすぎている」場合は金利をマイナス(つまりロング受け取り)まで下げることで売りづらくさせて、ビットコインの価格を適正位置に調整するためです。
つまり、この「資金調達率」は需給バランスを知るための指標に、ひいてはビットコインの値動きを知るための指標になり得るということなのです。
先ほどの画像で、資金調達率の下に「予測率」という項目がありましたよね。
金利は8時間に一度毎日同じ時間に発生しますが、次回の金利は「資金調達率」の項目に書かれた数字で確定しているのに対し、「予測率」に書かれた次々回の金利はリアルタイムに変動します。
リアルタイムで需給バランスの変動を見ることができる予測率……
やばくないですか?
実際にこの予測率を根拠にトレードすることを考えてみます。
チャートの下の "XBTUSD Funding" と書かれた段のオレンジ色の波線が予測率です。
9/7の700ドル幅近い暴落の直前、波線がぐんぐん上がっているのが分かりますね。
適正価格を超えて買われすぎている、ということです。
また、10900ドルのところで何度も上髭をつけて跳ね返されているのが分かります。
価格と需要のバランスが取れておらず買いがついてこない、価格と供給のバランスが取れておらず売りが強くなっている、と読み取れます。
しっかりショートを打ちたい場面ですね。
そして暴落後は、資金調達率がデフォルトの0.01%で安定しています。
これは、価格が下がったことで需給が本来あるべきラインに戻った、つまりいったんは底打ったと見ることができるのです。
せっかくなので9/21現在のチャートも見てみましょう。
昨日の21時台の上げは買われすぎだったということが分かりますね。
どうせまた10000ドルまで落ちるんだろ、というノリで水平線を背にショートを打っていい場面だと思います。
上に抜けたら切るだけなので。
いかがでしたか。
値動きの一番の基本である需要と供給。
色々な分析方法に手を出すのもよいですが、まずはそんな王道トレードからお勉強してみませんか。