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自分のことばで飛び起きる

ついつい、ぐうたらしてしまう。

ごはんを食べたあとの皿洗いや、洗濯物を干す作業。
ぐうたらというか、「ちょっと今は気分じゃないな」とか「5分だけ横になってから始めよう」という自分の内側の声に素直なのだ。

素直なのはいいとして、「ちょっと今」が「ちょっと」の範疇に収まったためしはないし、「5分だけ」もそうだ。
先延ばしにしても、結局自分がやるまでそのままなので、最近は、自分にひと声かけて重い腰を上げることにしている。

皿洗いの場合:「明日の朝も当たり前に水が出ると思うなよ」
洗濯物の場合:「洗いたてのバスタオルが、刻一刻と生乾きに向かっているぞ」

文字に起こすとなんだか脅迫めいているけれど、そう深刻なものでもなく、ちびまる子ちゃんが悪だくみをするときのような顔で唱えている。
そうすると、「こうしてはおれん!」と、飛び起きるのだ。自分のことばで。

アナウンサーの小川彩佳さんの過去のインタビューを読んだ。


「家でお酒を飲みながらオンエアをチェックします。とことん反省したら“ハイ。反省しました!”と声に出して言って、それでおしまいにします。どんなささいなニュースも怠らないように、万全を期して準備をし、心を尽くして伝えようと決めてから、落ち込み方の回復が早くなりました。あれだけ考えぬいた。できることはやったのだから、と」
(引用元 https://www.asahi.com/and_w/articles/SDI2018022236061.html)



なんて健全なのだ、と圧倒された。勤勉な人は、自分に声をかけるときも、直向きなのだ。

そこかしこで心ない言葉を目にすることがあるけれど、直向きな人にはやっぱり敵わない。まじりけのない、強烈な光を放っているから。

こんな境地に辿りつけるのかどうかはわからない。
でも、自分のことを褒めるのも、叱るのも、まず自分がやりたいのだ。
誰に言われたからでもない、自分のことばで、飛び起きる。

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