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【「LotR:力の指輪」】中つ国ざっくり基礎知識2

Season1の5話、見ましたー!
不穏ですね〜。いよいよ戦争(一方的な)ですね…。

ちょこちょこヴァラールの名前が出るので、今回はそこの補足から行こうと思います!
感想は次の記事で!

[註]ヴァラール(男性・複数)、ヴァラ(男性・単数)、ヴァリエア(女性・複数)、ヴァリエ(女性・単数)…
   といった使い分けがありますが、混乱するので、すべて(男性・複数)で表記します!

↓以前書いたざっくり基礎知識もご参照ください!

地図

ドラマ内にちょくちょく地図出るけど、公式ページに載せてほしいよね…。したらそこにリンク貼るんだけども。

ざっくり地図。トレスです…。

この時期の地球(アルダ)は、地面が平らです。断面を上にした半球形で、宇宙にうかぶ船のようなのだそうです。
…地球が宇宙にうかぶ船って、表現にロマンありまくりません??!(すき)

地球の西端にある大陸が「至福の国」、
中央にある大陸が「中つ国」です。

物語の舞台となるのは、中つ国の北西部──ちょうどヨーロッパにあたる地域のみです。
中つ国南部にはアフリカ大陸にあたる土地が、北東部にはアジアにあたる土地がありますが、これらの地域に対する言及は、あまり(全く?)ないようです。
また、南東にアメリカ大陸と思われる大陸もありますが…この辺に関しては勉強不足で分かりません。

南方国は影の山脈より西かな…? 分からん!

神霊

「中つ国」の世界は、神とヴァラール(上級天使的なもの)によって創られました。

神霊の階級

  1. 唯一神 イルーヴァタール(1柱)

  2. ヴァラール(14+1柱)

  3. マイアール(たくさん)

唯一神は、世界を創造するだけして、あまり干渉してこようとはしません。地球の外(虚空)に存在する、あまりにも別格な存在です。
ヴァラールマイアールは地球上にいます。ヴァラールは全員が西方の「至福の国(アマン)」に、マイアールもほとんどは「至福の国」にいますが、数名は「中つ国」にいたりもします。皆様ふつーに感情豊かなようです。

ちなみに、敵のモルゴス(追放済)は元ヴァラールサウロンバルログ元マイアールです。
シリーズの他作品で大活躍のガンダルフら魔法使いは、力を制限されたマイアールです。

ヴァラール

  • アラタール(とくに偉大な8+1柱)

    • 風の王 マンウェ

    • 水の王 ウルモ

    • 工人 アウレ

    • 狩人 オロメ

    • 運命の司 ナーモ(マンドス

    • 星々の女王 ヴァルダ(エルベレス

    • 大地の女王 ヤヴァンナ

    • 嘆きの ニエンナ

    • 【追放】メルコール(冥王 モルゴス

  • 他の6柱

    • 夢の司 イルモ(ローリエン)

    • 教者 トゥルカス

    • 癒やし手 エステ

    • 織姫 ヴァイレ

    • 常若の ヴァーナ

    • 踊り手 ネッサ

 多 い で す 。
太字のひとはよく出てくるかもしれません。
()は「中つ国」での呼び名、()なしが本名です。

マンウェは、ヴァラールの長。地球上でいちばん偉い神霊(でも唯一神に仕えるしもべ)。風の王、つまり天空神みたいなもの。男性。

アウレは、鍛冶神のようなもの。作るのが好きで、ドワーフ族を創造した神霊。おっちょこちょい。男性。

ヴァルダ(エルベレス)は、星をつくって空に撒いたひと。星と縁の深いエルフ族から敬愛されている。マンウェの妻。女性。

ナーモ(マンドス)は、以前「至福の国」から「中つ国」へ行くために罪を犯したノルドール・エルフ達を「戻ってくんな!」と出禁にしたひと(今は解除されてるはず)。殺されたエルフの魂が帰る館の主。男性。

ちなみにサウロンはアウレに仕えるマイアールでした。主から離れ、モルゴスの副官になりました。

エルフ

エルフの「永遠の命」

※ あくまでトールキンの創作の「エルフ族」の設定です。
 他の伝承/小説/ゲームのエルフとは区別してください。
  • 基本的には、永遠に生きる

  • 肉体を破壊されると、死ぬ(魂は維持される)

  • 気力(?)を失うと、矮小化して消える

エルフは、親しい人を喪うなど、大きな悲しみで世の中に倦み疲れる(嫌気が差す)と、死んでしまうそうです。
なので、世の中に倦んだエルフは、至福の国へ渡って心を癒やし、死を回避するのが慣例です。

[註]中つ国は、モルゴスやサウロンの勢力圏なので、争いや殺人が多い。
   至福の国は、モルゴスやサウロンを締め出したので、争いや殺人が起きにくい。

エルフはイルーヴァタールより、アルダの中にあって最高の美を創出し、かつ所有することを運命づけられていた。そのため恩寵として、アルダに生きる全ての存在の中で、最も美しくかつ優れた資質を与えられていた。

出典:中つ国wiki「エルフ」

おそらく、魂が美しく(=健全で)あるかぎり、魂は不滅。魂が摩耗すると、魂が消滅する可能性がある。
肉体は、優れた資質をそなえている(病気では死なない等)が、武器で致命傷を与えられれば死ぬ。ただし、この場合は魂は消えずに「マンドスの館」へ行く。(北欧神話のヴァルハラ宮殿が元ネタですね! 勇敢な戦士の魂が集う館)

病気で死なないという話は、1話でアロンディルが人間の治療師ブロンウェンに語っていましたね!

ただ、「年を経て、知識が増し、悲しみを経験することで、美しさを増す」とか、「生まれたばかりのエルフは人間に近い肉体を持つが、知識によって魂の輝きが増すと、内側から肉体を焼き尽くす」とかの設定もあるようで。
私は原作を読んでないので判らないのですが…、「矮小化して消える」は、魂がすりへって消えるのではなく、肉体が魂に焼かれて消えるということでは…?と思ってみたり…。
彼らの魂は消えず、人の目に見えない形で、今も地球に留まっているのでは……。そのほうが嬉しいんですが。

[註]トールキンは、実際のイギリスの伝承の「エルフ」が、
   古い時代は人間と同じ大きさの精霊として、時代が下ると小人サイズや掌サイズの精霊として語られていた、
   という見識のもとに、「エルフ族」が「矮小化して消えていった」という設定をつくったようです。

エルフの支族

大まかな事は、前の「ざっくり基礎知識」でまとめたのですが、支族名は割愛してたので。

同じ地図3枚目。見飽きるね!

↑画像の左の支族ほど、ヴァラールへの敬愛が深く、右の支族ほど、中つ国への愛着が深いです。
所在としては、ナンドールが霧ふり山脈を越えなかったグループ。シンダールは越えた。ファラスリムは沿岸にいる。

ヴァンヤール:金髪。詩歌がすき。
ノルドール:黒髪。工芸がすき。
テレリ:銀髪。ファルマリとファラスリムは船がすき。ナンドールは森がすき。

※ 髪の色には個人差があります。金髪や赤毛のノルドールもいる。ガラドリエルは金と銀が混ざった髪色(色の薄い金髪ってことかな?)。

※ 各キャラの家系や来歴には異同があります。
トールキン氏は物語を書きながら世界設定をふくらませていったので(本業は作家じゃない)、
途中で新しい設定が生まれて矛盾が出ている点は多い。(資料は膨大なので、前につくった設定を忘れてつくった設定もあるのではと思います。手書き資料はデジタルと違ってワード検索かけらんないし、管理に限界ありますよ…)

シルマリルの争奪

「二つの木の時代」の末〜「太陽の時代 - 第一紀」の終わりに起きた「宝玉戦争」のあらまし。

大宝玉シルマリル

ガラドリエルの伯父フェアノールが、「二つの木の時代」に至福の国で造った宝玉。
全部で3つあった。
至福の国をまばゆく照らしていた「二つの木」の光(=ものすごい霊的パワー)をとじこめてある。

美しすぎる見た目と凄すぎるパワーのせいで、冥王モルゴスによって盗まれ、中つ国へ持ち去られた。

フェアノール

ノルドール・エルフの王。姪ガラドリエルからは嫌われていたらしい。
最高傑作シルマリルを盗まれて、怒り狂う。シルマリルを取り返すため、一族を率いて中つ国へ渡る。

中つ国へ渡ったノルドール・エルフが、第一紀末まで至福の国から出禁くらってた(「マンドスの禁」)のは、この人のせい。

他にも、仲間達と「絶対にシルマリル取り返す誓い(できなかったら死ぬほど苦しむ呪い)」を交わしたせいで、いらぬ戦いを何度もする破目に。

航海者エアレンディル

フェアノールの異母弟の曾孫。半エルフ。
モルゴスは中つ国を恐怖に陥れたので、モルゴスを倒したい中つ国の「自由の民(戦う意思のあるエルフ/ドワーフ/人間など)」は、ノルドール・エルフ達と共闘した。
その共闘で育まれたから生まれたのが、エアレンディルである。

しかし、モルゴスは格が違いすぎる存在(神様みたいなもの)なので、勝てる見込みもなく、フェアノール達は共闘すべき仲間とまでシルマリルの所有権をめぐって戦争(仲間割れ)を起こす。

「もうムリ」となったエアレンディルは、ヴァラールに救援を嘆願するため、至福の国へむけて船出する。
彼はフェアノールの血縁ゆえに至福の国へ至れないはずだったが、妻の魂とシルマリルの力に導かれ、出禁をくらった時の事件の被害者エルフ族の手助けを得て、ヴァラールに救援を請い、了承を得る。
その後エアレンディルは至福の国へ入れず、しかし中つ国へも戻らず、明けと宵の明星となった。

【蛇足】「発明」への姿勢

トールキン氏は、ホビット庄(シャイア)のような、田舎の風景を愛したそうです。逆に、なんでもかんでも機械化して便利になっていくのを好まなかったそうです。
二次大戦で出征してる人だから、そういう影響もあってのことかなぁと勝手に想像してます。
(「兵器の近代化が進んだせいで被害が甚大だった」と論じる風潮が、戦後しばらくあったと思ったので)

物語からは、優れた物品をつくりだす人への尊敬と、優れた物品が人々の物欲(醜い心)を刺激し争いの種になる怖さとの両方が常にうかがえます。

で、そんな諸刃の剣を正しく扱えるのは、単に勇敢な者より、友愛に忠実な者…というのが、「指輪物語」の顛末だったかと。
…今回はどうなるやら…。


以上!
長かった…!

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