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仁義なき戦い 初代サンカルパ襲名争い篇

 サンカルパが紫苑Sに出走するそうです。僕はこの馬が秋華賞馬だと信じています。今から堂々の本命です。本当はオークスで本命にしたかったんですけどね……。紫苑Sを勝つか、少なくともここで出走権を獲って、無事に本番に臨んでほしいです。

 サンカルパって実は複雑な背景を持っているんです。いや、僕が勝手に複雑だと思っています。

 サンカルパは2019年2月7日にアルゼンチン牝馬ハイドバウンドの仔として産まれたシルクレーシングの牝馬です。

 日本にはもう1頭サンカルパが存在します。それが2016年10月6日にアルゼンチンで産まれたサンカルパです。2019年にGⅠを勝ち、現在は日本で繁殖牝馬をしています。今年はサクソンウォーリアーとの間に初仔を産みました。

 日本のスタッドブックでは、シルクレーシングのサンカルパが『サンカルパ』、アルゼンチンGⅠ馬のサンカルパが『サンカルパⅡ』となっています。何がややこしいって、どっちもアルゼンチン絡みなことです。

 ちょっと待ってくれ。本当にサンカルパが『サンカルパ』で、サンカルパが『サンカルパⅡ』で合っているのか? もしかしたら、サンカルパが『サンカルパⅡ』で、サンカルパが『サンカルパ』なんじゃないのか? もう何言ってんのコイツ……。

 産まれを考えれば、2016年10月6日に産まれたアルゼンチンのサンカルパが初代サンカルパです。しかし、日本のサンカルパが産まれた2019年2月7日当時はまだアルゼンチンにおり、しかもデビュー前です。日本にいないので、日本のサンカルパが初代サンカルパとなります。

 しか~し!!!

 日本のサンカルパが『サンカルパ』という馬名で登録されたのは2021年2月くらいです。一方、アルゼンチンのサンカルパが日本に輸入されると報道されたのは2021年1月です。アルゼンチンのサンカルパのほうが1ヶ月早く日本の馬になっています。日本競馬が所有した最初のサンカルパは、実はアルゼンチンのサンカルパなんです。

 ただ、アルゼンチン ⇒ アイルランド(ここで種付け) ⇒ 日本と、到着までに時間を要しました。来日していないので、日本のスタッドブックには登録されませんでした。その間に日本のサンカルパが『初代サンカルパ』となり、遅れてやって来たアルゼンチンのサンカルパが『2代目サンカルパ』となったというわけです。

 秘かな楽しみがあります。日本のサンカルパが引退してノーザンファームで繁殖入りすると、2頭のサンカルパが鉢合わせします。そのとききっと
「サンカルパだよ!」
「私もだよ!」
「違うだろ!」
「なんて日だ!」
「うるせぇよ!」
 というバトルが繰り広げられるでしょう。

 日本のサンカルパが秋華賞を勝ち、アルゼンチンのサンカルパ同様にGⅠ馬となり、将来繁殖入りし、GⅠ馬サンカルパを母に持つ産駒同士の対決が実現したらすごく面白そうです。


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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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