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底辺海外競馬サイト運営のリアルな収支、教えます

もしかしたら「僕も/私も海外競馬に関するサイト・ブログを運営したい!」という方がいらっしゃるかもしれません。

そういう方のために、参考になるかは分かりませんが、『南米競馬情報局』という底辺海外競馬サイトの運営に関するあれこれを明かしましょう。

あれこれとは言ったものの、きっと気になるのはお金の話だと思うので、収支面に絞って書きました。実際に僕がどれだけお金を使い、どれだけお金を得ているのかというリアルな数字を紹介します。


【支出について】

・サーバー代 ☞ 19,800円
・ドメイン代 ☞ 3,300円
・競馬サイトの会員代 ☞ 13,000円
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 合計:36,100円

サーバー代とドメイン代というのは、ホームぺージを運営するのに必要な料金です。僕は Wix というホームページ作成サイトを利用しています。 パワポみたいな操作で簡単にサイトを作れるので、なかなか便利です。

ですが、個人的には Wix よりも WordPress を使ったほうがメリットが多いと感じています。その理由については別の機会に譲りますが、これからサイトやブログを開設したいと考えている方は WordPress にしましょう。

競馬サイトの会員代というのは、『エル・トゥルフ(El Turf)』というチリの競馬データベースサイトの利用料金です。南米競馬を調べるにはこのサイトが不可欠です。以前は無料だったのですが、去年の夏ごろから登録料が必要になりました。

登録料は月額8ドルです。×12ヶ月で年間96ドルになります。ドル払いなのでレートの変動があるため、13,000円というのはだいたいの数字です。


【収入について】

では、次に収入を見ていきましょう。

僕が収益源としているのは以下の3つです。

・アドセンス
・自作商品の販売
・Amazon 欲しいものリスト

1つ目がアドセンス(=広告料)です。

僕は『Google アドセンス』と『A8.net』というサイトでアドセンス登録をしています。ホームページ内に広告を貼り、その広告がクリックされたり、広告から商品が購入された場合に収益が発生するという仕組みです。


2つ目が自作商品の販売です。僕の場合は『南米GⅠ馬名鑑』という自作のデータベースを note で販売しています。

note での販売には販売手数料と振込手数料がかかります。僕はこの名鑑を1000円で販売していますが、1冊購入されて実際に手元に入ってくるのは600円くらいです。

改めて考えると、note で販売するのはちょっともったいない気がします。


3つ目が、これを収益源と言うべきか悩みますが、Amazon 欲しいものリストです。どういうものか皆さんすでにご存じだと思うので、これについては説明を省きます。応援してくれる心優しい方がいるというのはとても幸せなことです。


【収支について】

さて、【アドセンス】【自作商品の販売】【Amazon 欲しいものリスト】の3つでどのくらいの収入があるでしょうか?

3つ合計で10,000円にも届きません。支出が36,100円なので、およそ26,000円の赤字です。

たしかに、日常生活に響くような金額ではありません。高校生でも1週間バイトを頑張れば稼げるくらいの額です。

しかし、ここで考えなければならないのは費やした時間と労力です。

僕のやっている活動は、ホームページ更新、データ更新、情報収集からのニュース・記事作成、宣伝ツイートの作成になります。また、この活動をするにあたり、スペイン語とポルトガル語、場合によっては英語を読むという技能を使っています。

物理的には25,000円程度の赤字だとしても、『南米競馬情報局』を運営するのに費やしている時間と労力を考えれば、精神的に大幅な赤字と言えるでしょう。


【なぜ赤字になるのか?】

では、なぜ赤字になるのかを考えていきましょう。

ここからは僕の活動に限らず、「僕も/私も海外競馬に関するサイト・ブログを運営したい!」と思っている方にも参考になる話だと思います。

単に僕のサイトの作り込みが甘いからというのは否定しません。ですが、赤字になる明らかな原因は他にあります。それは海外競馬というコンテンツが極端に不人気だからです。

仮に競馬ファンが10,000人いるとしましょう。

その10,000人の中で海外競馬に興味を持っている・海外競馬が好きという人の数は100人~200人です。

しかも、その100人~200人というのは、日本馬が遠征する海外のレース、日本で馬券が買える海外のレース、もしくは、日本の種牡馬の産駒が走る海外のレースに興味を持っている人です。厳密に言えば、それは海外競馬という枠組みではなく、日本競馬の延長線です。

日本とはまったく関係ない、たとえばリングフィールド競馬場の1Rにワクワクするような純粋な海外競馬好きというのは、競馬ファン10,000人の割合で見ると1人か2人でしょう。

さらにさらに、僕が扱っているスペイン競馬と中南米競馬に興味を持っている人は、10,000人に対して0.01人という割合に違いありません。

つまり、海外競馬は集客を見込めないジャンルということです。

広告費を得るにしても自作の商品を売るにしても、サイトを見に来てくれる人がいなければ成果は出ません。世間の流行から大きく外れた不人気商品ばかりを売ったって、そりゃ赤字になりますよという話です。

海外競馬というジャンルでは集客が見込めないことに加えて、もう1つ大きな問題があります。

それは、お金を払ってまでニュースや情報を得たがる人は滅多にいないということです。

アマゾンをアマゾンプライムにしたり、YouTubeをYouTubeプレミアムにしたりする理由は分かります。この2つは日常生活になくてはならないものです。日常生活に欠かせないものであれば、お金を払ってでも快適さや機能を得たいと思います。

一方、情報収集に対して課金したいとは思いません。なぜなら、別にその情報は日常生活に必要ないし、知らなくても不便を感じることなく生きていけるからです。少し興味がある程度の内容に関する有料記事をわざわざ買って読みますか?

海外競馬という所詮1つの娯楽、日常生活になくても困らない情報に対してお金を払う人はほとんどいません。僕ですら払おうと思いません。そのお金で馬券の購入点数を増やしたほうがいいし、コンビニのアイスを買ったほうが幸せになれます。

・海外競馬というジャンルでは集客を見込めない。
・お金を払ってまで情報(ニュース)を得る人は滅多にいない。

というわけで、海外競馬だけをジャンルとするサイト or ブログを運営するのは、収益の面でも精神的な面でもかなり無理があります。稼ぐことを期待してはいけません。


【海外競馬サイト運営のススメ!】

「稼げないので海外競馬サイトを運営するのは止めましょう!」

なんて言う気はサラサラないです。自己否定になっちゃうし、僕はもっと海外競馬サイトが増えてほしいと思っています。

僕は世界中の競馬や馬の競技に興味を持っています。アメリカやイギリスだけじゃなくて、北欧・東欧・アフリカなどなど、色んな国の競馬を知りたいです。

しかし、残念ながら自分で調べることはできません。ポーランド語もチェコ語もトルコ語もできないし、スウェーデンやモーリシャスにまで手を広げるキャパシティもありません。

かといって、大手の競馬メディアがそうした国の競馬について扱ってくれるはずもありません。

そこで期待するのは個人運営の海外競馬サイト・ブログです。

日本にはおそらく世界一と言えるであろう人数の競馬ファンがいます。ということは、意外な才能にも溢れているに違いありません。たとえば、トルコ語が堪能な競馬ファンだって絶対にいるはずです。

そういう方々に海外競馬サイトを作ってもらえれば、もっともっと世界の競馬について知れるんじゃないかなぁと期待しています。

特に若い人たち、10代・20代の、新しいことにチャレンジしたり新しい知識を取り入れるのに抵抗のない柔軟な素質と才能にとても期待しています。

しかし、サイトを開設したとしても赤字運営は嫌ですよね。ということで、どうすれば海外競馬サイトを赤字にならずに運営できるかを考えていきましょう。

僕が思うに、サイトで稼ごうとしてはダメです。サイトは稼ぐ場所ではなくて、自己アピールをする履歴書とみなしましょう。

「自分はその国の競馬についてこれだけ詳しいです!」
「自分はこういった独自の分析方法を持っています!」
「自分はこんなウェブサイトやデータベースを作れます!」
「自分にはこれだけの情報収集能力やコネクションがあります!」

そうやってアピールして、仕事をもらえるようになりましょう。サイトを収益化するのではなくて、サイトを通じて仕事をもらってお金を稼ぐというわけです。

これは実体験です。

僕は自分のサイト『南米競馬情報局』を運営するにあたって、年間およそ26,000円の赤字が出ていると言いました。実は、これはサイトのみの収支を見た場合です。

とてもありがたいことに、僕のサイトや活動を見て、お仕事を依頼してくださる方々がいます。具体的な金額はさすがに明かせませんが、運営費の36,100円は上回っています。

したがって、「僕も/私も海外競馬に関するサイト・ブログを運営したい!」という方がいらっしゃれば、サイト自体で収益を得るのではなくて、お仕事を依頼されるように頑張るという方針を持つことが大事かもしれません。


【パクりにめげるな!】

最後に、海外競馬サイト運営に関して1つだけ大事なことを伝えます。

これは競馬界隈に限った話ではありませんが、あなたが出した記事や情報やデータを堂々とパクってくる奴がいます。

パクる奴がまったく知名度も影響力もない人間なら問題ないのですが、タチの悪いことに、それなりに知名度がある人間の中にもパクってくる奴がいます。

そして、そのパクり野郎に知名度がある場合、パクられたあなたの情報がパクリになってしまうのが厄介です。

たとえば、あなたのSNSのフォロワー数が500人だとします。海外競馬に関するまだ誰も知らない情報や分析やデータを出したとします。その内容がそれなりに拡散され、フォロワー数10,000人超えの人間の目に入ったとします。そのフォロワー数10,000人の奴が、あなたの内容にちょっと手を加えただけのパクり記事を出します。すると、そのパクった記事がオリジナル記事になり、パクられた被害者であるはずのあなたの内容がパクり記事に格落ちしてしまうんです。

もし誰かに内容をパクられたとしても、パクられた側は何もできません。また、そのパクり記事を閲覧する読者も、それがパクり記事であるかどうかなんてまったくどうでもいいことです。

僕もパクられた経験があります。

とある騎手国際競走に参加する騎手の紹介記事を書き、自分のサイトに載せました。その記事はスペイン語の記事をいくつも読み、本人のインタビューを聞いて作成したもので、間違いなく僕にしか書けない内容です。

数日後、その騎手についての紹介記事を書いている人を偶然見つけました。内容は僕が書いたものそっくりでした。その人のプロフィールを見てみると、ヤフーオーサーに登録されている人でした。そして、その記事はYahooに掲載されました。

つい最近も、某競馬関連会社で仕事をしている著名人に記事の内容をパクられました。そのパクり記事は、僕がとある馬について書いた2,3つの記事を要約した形で掲載されました。馬名の読み方、数字、構成など、どれも僕が書いた内容とそっくりでした。なお、これもめでたくYahooに掲載され、コメント欄で「普段知れない国の情報を伝えてくれるのはありがたい!」などと賞賛されていました。

残念ながら、記者やジャーナリストにプライドなんかありません。手っ取り早く閲覧数を稼げる記事を書ければいいので、あなたの書いた最高に良質な記事を容赦なくパクってきます。

Yahoo には、テレビ番組を見て、その内容を丸パクりして書いただけの記事が普通に登場します。テレビを見て内容をまとめるなんて小学生でもできます。メディアにプライドの欠片もないことの証拠です。

ただ、パクりが悪いとは言いません。飲食だろうと雑貨だろうと文章だろうと芸術だろうと、21世紀はパクりパクられが当たり前の世界です。ライスバーガーはもはやモスバーガーに限った商品ではなくなったし、ニトリと無印とスリコで同じような商品が溢れています。

海外競馬サイトやブログを運営するなら、そうしたパクりをスルーする技術を身に着けましょう。サイト運営は本当にモチベーションが命の世界なので、パクられてテンションもモチベーションも下げられては活動を続けられません。

まぁ、こっちが無料でやってるのに、向こうがパクり記事でお金を稼いでると思うとめちゃめちゃ腹が立つんですけどね!!!!!


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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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【Mail】 kinoshita.koya1024@gmail.com
【HP】 https://www.keiba-latinamerica.com/

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木下 昂也(南米競馬の人)
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