身近から想像できる、あまり明るくはない未来を足していったその先のこと

20代の妹は、周りの友達が家庭を築いていくのを見ていて、
仕事は充実しているけれど、子どもは可愛いし、自分も結婚したい、この先一人で生きていくのは不安、といい、恋愛や婚活に励んでいる。

わたしは、一応は先に結婚した身として、たまに恋愛相談に乗ったりしている。

50代の母は、まだまだ身体は動くし、定年までも間があるけれど、離婚して今は独り身だから、先々は、仲の良い女友達と一緒に暮らしたい、などと冗談を交えて笑う。
要介護状態の母の親、施設にいる、祖父母の面倒を足繁く通って見ている。

わたしは、母と一緒に、時折施設に見舞いに行く。この前は、夏に曽孫が生まれるよ、と顔を見て報告できた。

30代になる夫は、わたしの病気や妊娠もあり、今は一人で家計を支えてくれている。
いずれわたしも復職はしたいけれど、今すぐには出来ないから、子どもの学費や生活の質を最低でも維持していくための、経済的な不安は常にある。今すぐに直面するわけではなくとも。

夫婦仲は悪くない、と思う。
昨日も、残り少ない産前デートをしてきて、とても幸せな気持ちになって、手を繋いで眠った。


わたしの実父は、60代で、年末に亡くなった。
パーソナリティは今は語らないけれど、わたしの兄弟が全員成人した後に、同意の上で母と離婚した。

離婚なんて今珍しくもなく、父は一人で暮らしていた。県内に父方の祖父母も親戚もいた。

亡くなった時は、一人だった。
今増えている、孤独死というやつだ。
祖父が見つけた時は、死後3日くらいだったそうだけれど、正確な日付は、わからない。
母はとうの昔に離婚していたから、わたし達兄弟は、相続放棄の手続きをした。

その経験から得たものは、
どんな将来も、いつ誰の身にも起こりうる、というものだ。

もしも、

妹が、このまま結婚せず、子どもを産まず、一人で暮らしていたら、もしかしたら父と同じ最期になるかもしれない。

母も同様で、いつ何時、一人の時に病に倒れるかもしれない。
先の見えない介護に、絶望したりするかもしれない。

わたしの旦那も、いつ何時、大病に見舞われるかもしれない。交通事故に遭うかもしれない。
そうなったとき、すぐには働けないわたしや子どもがいたら、先行きに絶望してしまうかもしれない。

わたしも、結婚して、旦那がいてくれて、お腹に子どもがいるけれど、
今は一人ではないとしても、きっと、いつか死ぬ瞬間には、一人かもしれない。誰もいないところかもしれない。

妹も、母も、旦那も、わたしも、
そしてまだ生まれていないお腹の子も、

父のように最期を迎える可能性がゼロだなんて、言えない。
あくまで可能性、そうなり得るかも、の話。

一人ではいけない、なんて言うつもりはない。
結婚さえしていれば、子どもがいれば安泰、なんて言う気はない。
そもそも、結婚していたって、夫婦が同時に亡くなる可能性の方がきっと低い。

親がいようが、伴侶がいようが、子どもがいようが、友達がいようが、

そんな未来が訪れないなんて、誰にも、言えない。
当事者になり得ない人なんて、誰も。

わたしも、あなたも、無関係では、ない。

#ニュースによせて

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カナ
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