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面白い人面白くない人
涌井慎です。趣味は新聞各紙のコラムを読むこと、っていうか新聞を読むことです。新聞は好奇心の入口になってくれます。昨日の朝日新聞の『マイナンバーとカードの未来』という特集記事があり、その中の筑波大学産学連携教授の登大遊さんの言葉が非常に印象深かったので書き留めておきます。
「新しいものを作ろうとすると、予期せぬ事故が起きます。このリスクは最小化しないといけないですが、ゼロにしちゃいけない。リスクをゼロにすることは、新しいことをすべて禁止するということですから。
豊かになった社会で、生活を楽にするとか、仕事の効率化とかいうスローガンはもう古いんだと思うんですよ。進化を続けるには「面白さ」が必要ではないでしょうか。」
昔、明石家さんまさんがサザンオールスターズ の「栞のテーマ」の冒頭、「彼女が髪を指で分けただけそれがシビれるしぐさ」って歌詞のことを「俺が書いたんか思たわ!」と言っていましたが、この登大遊先生の言葉が私にとってそんな感じ。
そして残念なことにこの言葉に共感する人たちが皆、面白いわけではないという事実もあります。同じことを考えていても面白くなければやっぱりダメです。だいたい自分のことを面白いと思っている人はあまり面白くないものです。自分が他人より面白いと思って話すからそれが鼻につくんです。そういう人、周りにいませんか。気づいていないのだとすれば、案外それは、あなたがそうだからかもしれません。私のように!!
自分のことはとりあえず棚に上げて話しを進めると、自分が面白いと思っている人の最大の欠点は他者を自分より面白くないと思っているところです。周りが残念ながらオレの水準で面白さを理解していないから、オレの独特な切れ味抜群のセンスで君達に面白さを教えてやろうっていうスタンスで来る人が面白かった試しがありません。
ここまで書いてお分かりかと思いますが、だいたいそういう人はプライドが高く、失敗を怖がり、責任は押し付けがちです。これまでの人生でも巧みに小狡く、狡猾に失敗を避けて生きてきているため、大きな挫折を知りません。それゆえに人の気持ちを汲むことができないのです。相手が自分の話に退屈していることもわかりませんから、延々と自分が満足するまで話し続けます。いや、仮に退屈していると理解したとしても「やはりオレのレベルの面白さを君たちが理解することはできないだろうね」といい意味で捉えてしまうのです。
さんざんバカにした感じで書きましたが、しかしながら今の世の中、この鈍感力、このポジティブシンキングこそが必要とされているのかもしれません。となると、私は少数派。ますます将来に絶望を感じてしまうのでありました。
ちなみに元記事で登大遊さんは別にそんなことを書いていたわけではないんですが、書かれたものから何を感じるかは読み手の自由のはずである。
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