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涌井慎です。
趣味は新聞各紙のコラムを
読むことです。
11月8日は
二十四節気の立冬。
「愛媛新聞」では「寒さが増し、日が短くなるのと対照的に、人のぬくもりや生命の輝きがいとおしく感じられる時季」(括弧内引用)として、
小説家で俳人の
久保田万太郎の名句を
引用しています。
湯豆腐やいのちの果てのうすあかり
季節を感じて作られた句によって
季節を感じることができるとは
なんと幸せなことでしょう。
今日は他にも、
冬の訪れを感じさせてくれる
俳句を引用している新聞が
目立ちました。
山陰中央新報は
収穫の時期を迎えた
ムカゴを詠んだ句です。
ほろほろとむかご落ちけり秋の雨
ほろほろとぬかごこぼるる垣根哉
上は小林一茶、
下は正岡子規の句です。
「漢字で「零余子」と書くムカゴは
「ぬかご」とも言い、見た目は大豆サイズのミニ・ジャガイモ風。」
(括弧内引用)
同じ正岡子規でも
「産経新聞」が
取り上げたのはこちら。
「唐辛子からに命をつなぎけり」
韓国出身の評論家、
呉善花さんが
日本人と韓国人の違いを
ワサビと唐辛子にたとえた話を
受けて子規の句が
引用されています。
「ワサビを食べた場合は、体内の血が心臓周辺に集まることにより、鎮静作用が生まれる。唐辛子を食べると、血の巡りがよくなり、血液は頭部に集まる。「興奮しやすい韓国人と、落ち着きすぎている日本人を象徴的に表している。」(括弧内引用)
とのことですが、はてさて。
韓国の方がワサビを好むかは
わからないのですが、
私は無類の唐辛子好きです。
もちろん韓国のことも。
その韓国では立冬の日を前後して
キムチを作る「キムジャン」が
行われると教えてくれたのは
「下野新聞」です。
「下野新聞」では
「冬が巡る来るたびに口ずさむメロディー」(括弧内引用)として、
松任谷由実さんの「ノーサイド」を
紹介していました。
今年は冬の訪れを待たずに
ノーサイドの精神が
日本列島に感動を呼びました。
ルールさえ知らない競技の熱量が 楕円になって日本を包む
これは私の作。
ほかにも「北海道新聞」は
加藤楸邨が病床で詠んだ
「木の葉ふりやまずいそぐなよいそぐなよ」を冒頭で取り上げ、
「信濃毎日新聞」は
長野市出身の気象キャスター、
故倉嶋厚さんの著書
「癒しの季節ノート」から、
「11月の天気は木枯らし、時雨、小春日和に代表される。人生にも、この三つがあてはまる」を引用。
「神戸新聞」は
明治11年に日本を訪れた
英国の旅行作家
「イザベラ・バード」が、
「炭火を入れた鉢を木の枠で囲い、布団をかぶせたこたつ」(括弧内引用)について書いた記述「布団のなかにそっと入り、布団をあごまで引っ張り上げたまま、暖かくて不精でだらしのない夕べをすごします」を紹介しています。
「佐賀新聞」は
記録的不漁となった
サンマがようやく大漁となったと
書いていました。
ただ、昨日解禁日だった
ズワイガニの漁獲量も
減る傾向にある、と書いていて、
なんとも心配な限りです。
最後は「京都新聞」。
以下、括弧内引用です。
「枕草子は「冬はつとめて(早朝)」と、冷気に包まれて凛とした風情を描いた。俳句でも、「今朝の冬」は立冬を表す季語だそうだ。冷え込みに身をすくめつつ、冬の厳しさへの覚悟、備えを思う朝である。」
「下野新聞」には
韓国にはキムチジャンが
あるいっぽうで、
「日本では立冬由来の行事や食べ物は特になさそうだ。」(括弧内引用)
と書かれていましたが、
いえいえ、そのようなことは
ありません。
本日、「京都新聞」夕刊には
「千枚漬け」の漬け込みが
最盛期を迎えたとありました。
ここから京都は
紅葉の盛りを迎え、
それが過ぎれば
ロームのイルミネーションが
クリスマスムードを盛り上げ、
やがて除夜の鐘の音を聴き、
令和最初の大晦日を迎えるのです。