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クマの気持ち

令和元年11月15日。
涌井慎です。
趣味は新聞各紙のコラムを
読むことです。

「北國新聞」が、
富山県中新川郡立山町であった
クマに襲われる被害について
書いていました。

(余談ですが新聞には
「立山町」と書いてあるだけです。
ご当地のことを書くのに
何県何郡は必要ないんですよね。
こういう細かい部分が、
新聞各紙を読む楽しみでもある)

台風や豪雨でエサになる
木の実などを奪われたため、
山から降りてくるらしい。

このコラムには
書かれていませんが、
山林の宅地化や観光、
キャンプなどで、
人がクマの領域を侵していることも
無縁ではないのでしょう。
(立山町の被害の原因を
そこに求めているわけではない)

来年の実りを願って、枝に実を
取り残しておく、
「木守り」という風習がありますが
この実がクマに
狙われたりすることもあるらしい。

「晩秋の麗しい光景だが、それがクマをおびき寄せる格好のエサになるのなら、これも姿を消すしかあるまい」(括弧内引用)

なんか腑に落ちないんですよね。
自然災害によるものではなく、
人がクマの領域を侵していることが
原因であるとするなら、
(なので今回の立山町のことは
別として)「木守り」を
消すことが果たして「解決」に
なるのでしょうか。

「人命を守る」という点では
確かに「木守り」を無くすのは
必要なことです。
でも根本、求められるのは本来、
「クマの気持ち」になって
考えてみることだと思うのです。

「山陽新聞」は
イランの柔道家で男子81キロ級、
サイード・モラエイ選手が
今夏の東京大会を棄権するよう、
自国政府から圧力を
受けたことについて
書いていました。

モラエイ選手は
昨年の世界選手権覇者です。
それなのになぜか。
敵対するイスラエルの選手と
当たるのを避けるためです。
モラエイ選手は指示には従わず、
出場したものの、
イスラエルの選手と対戦する前に
敗れました。
結果、東京大会は
イスラエルの選手が制したらしい。

スポーツの世界にも
政治対立の影響が及んでいます。

モラエイ選手は
五輪出場が危ぶまれていますが、
難民認定を受けて、
難民選手団で出場するか、
といわれていますが、
この問題だって、
根本、求められるものがあるはず。

根本の解決ができないから、
枝葉を治してごまかそうとする。
「クマ」の問題と同じです。

地球温暖化については、
「根本」の問題に取り組もうという、
「パリ協定」がありますが、
こちらはアメリカトランプ政権が
離脱を国連に正式通告しました。
これは「静岡新聞」からです。

トランプ大統領は、
根本を見ようとせず、
枝葉の実績ばかりを強調しがちです。

さんざん中東をかき回しておいて、
シリアから撤退することが、
果たして「実績」に
なるのでしょうか。

クマの住処を荒らしておきながら、
クマが柿を食べないように
対策を講じることが、
そんなに素晴らしい
対処策でしょうか。

「根本」を改める、
言葉を持たないクマの気持ちになって
考えることができない世の中に
なってしまったから、
自分に益する人のことしか、
考えられない政権が生まれてしまう。

今日のコラムも半分くらいが
「桜を見る会」についてでした。
来年は中止にするという対策が、
根本的解決に
なっているとは思えません。

お花を見るのは結構ですが、
本家「桜を見る会」が中止するなら、
「根っこが腐っていないかを、
いま一度確認する会」を
立ち上げないといけません。

これは政権に対してだけでなく、
どの世界にも通じる
問題なんではないかしら。

ともなく、
大好きな桜の花の美しさを
前振りにして、
汚れた話にもっていくのは
うんざりです。

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