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趣味は新聞コラムを読むこと

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新聞各紙のコラムについて書いたものをまとめています。
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2022年2月の記事一覧

従業員をクルーと呼ぶ会社

従業員をクルーと呼ぶ会社

 内田春菊さんは取材を受けたり、トークの仕事をしたりすると、内田さんを説明する文章の中に「赤裸々」と書いてあることがとても多いそうです。本人としては「赤裸々に語ります」とか「赤裸々に描きたいと思ってます」とは自分から言ったことは一度もないのに何故かやたら「赤裸々」を使われるから気になってしまうらしい。そうした現状を受けて内田さんは「私を取材したり呼んでくれるんだったら、前書かれたことと同じ表現はな

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面白い人面白くない人

面白い人面白くない人

 涌井慎です。趣味は新聞各紙のコラムを読むこと、っていうか新聞を読むことです。新聞は好奇心の入口になってくれます。昨日の朝日新聞の『マイナンバーとカードの未来』という特集記事があり、その中の筑波大学産学連携教授の登大遊さんの言葉が非常に印象深かったので書き留めておきます。

 「新しいものを作ろうとすると、予期せぬ事故が起きます。このリスクは最小化しないといけないですが、ゼロにしちゃいけない。リス

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自分よりブスだと思う女優さんを挙げてください

自分よりブスだと思う女優さんを挙げてください

 2月4日の日経新聞夕刊『あすへの話題』で劇作家の渡辺えりさんが30年ほど前のバラエティ番組の演出について書いていました。

 美しくなる機械に渡辺さんが入ると、別の女優さんになって出てくるという台本があり、渡辺さんは作家に泣いて抗議したそうです。また、別のあるクイズ番組では「自分よりブスだと思う女優さんを挙げてください」というのもあったそうです。

 「今やったら完全アウト」というのが令和を生き

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若者との対話に必要なこととは

若者との対話に必要なこととは

 2月2日の日経新聞夕刊「あすへの話題」、文化人類学者の上田紀行さんのコラムが今週も面白かった。

 東京工業大学に勤める上田さんいわく、最近はゼミ生が「ジェンダー関係」を学びのテーマにすることが増えているらしい。そこで上田さんが発表にあたり「LGBTQとかSOGIについて基礎からまず説明するね」と言ったところ、ゼミ生たちから「もう知ってるから、そこは省略していいよ」と答えが返ってきて驚いたといい

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2月3日の私的おりおりのことば

2月3日の私的おりおりのことば

「個人としては善良でも、組織の一員となれば、まったく異なる対応をするのだ。」山本章子。

琉球大学准教授の山本章子さんは在沖米軍基地政務外交部トップのニール・オーウェンズ大佐と定期的に意見交換する間柄で、山本さんに子どもが生まれたときには祝福の言葉を何度も伝えてくれたといいます。

米軍が有機フッ素化合物「PFAS」(PFOSなどの総称)を含む汚染水を流出させてしまっている問題でオーウェンズ大佐は

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