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趣味は新聞コラムを読むこと

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新聞各紙のコラムについて書いたものをまとめています。
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2020年12月の記事一覧

大掃除とルーティンと

大掃除とルーティンと

今年の汚れ、今年のうちに。
先日、部屋の大掃除を済ませ、
いま、とてつもなく気持ちがいい。
とてつもなく気持ちのいい空間で
過ごす時間は、とてつもなく気持ちがいい。

あとはいかにこの状態をキープするか。
大掃除よりも、
実はこの「キープ」のほうが難しい。

大掃除というのは、その昔、
お家に「かまど」や「いろり」があるのが
一般的だった時代、
家中に煤が溜まったため、
神棚などの汚れを取り払い、

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長い目で見て

長い目で見て

年末年始にかけて、
新型コロナウイルス感染のリスクを
避けなければいけない。
そのリスクを避けるキーワードとして、
今年頻繁に使われた「三密」という言葉。
「密」は「今年の漢字」にも選ばれた。

密閉、密集、密接の「三密」の
回避が求められる。
「三密」という言葉は、
もともと仏教用語にもあり、
そちらの「三密」は、
「身密」「口密」「意密」。
つまり、「体」と「言葉」と「心」を指し、
仏教には

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好きなものを語る言葉

好きなものを語る言葉

何月何日か忘れたが、
(チェックしておけという話だが)
朝日新聞に解剖学者の
郡司芽久さんのコラムが掲載されていた。
郡司さんのコラムは毎週か隔週で、
何曜日だかに掲載されるのだが、
これが実に面白く、
先日のものは特に面白かった。

なんでも郡司芽久さんは以前、
取材を受けていたとき、
インタビュアーが、
「キリンは目が可愛い」と
つぶやいたところ、その一言に対して、
「目が大きくてまつ毛が長い

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猫と涅槃図

猫と涅槃図

例年なら連日忘年会の頃だが、
と書いておけば、
お付き合い、大変ですね~などと
思われるかもしれないが、
すみません、少し大袈裟に書きました。
毎年、「連日」なんてことはない。
どちらかというと、
いつも年末は孤独な気がする。

いずれにせよ、
例年なら世間は忘年会シーズンだが、
今年は 忘年会を
見合わせるところも多いようだ。
決行すれば、またどこでどんな自粛警察が
現われないとも限らない。

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リーダーの資質とは

リーダーの資質とは

今年のノーベル平和賞は、
飢えに苦しむ人に食料を届ける
国連世界食糧計画(WFP)に贈られた。

まさか、WFPが今後、
賞の名に泥を塗るようなことには
ならないと思うが、
数あるノーベル賞のなかでも、
のちに失望が
生まれてしまうことがあるのは、
平和賞くらいではなかろうか。

12月2日「朝日新聞」に書かれていた。
例えば、軟禁の身で平和賞に選ばれ、
民主化の星となった
アウンサン・スーチー氏

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美しさは手に余る

美しさは手に余る

京都は今朝、初雪を観測しました。
いや、
京都では今朝、初雪が観測されました。
かな。
どっちでも意味は通じるから
構わないのだが。

寒い日は俵万智さんの代表作を思い出す。
「寒いね」と話しかければ「寒いね」と
答える人のいるあたたかさ

今年は「寒いね」もマスク越しだったり、
オンラインだったり、3mほど離れていたり。
「寒いね」が
普段と違った響きをもつ気がする。

今日は12月15日。
1

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アウェアネスリボン

アウェアネスリボン

12月1日の「下野新聞」が、
清少納言の『枕草子』を引用していた。

冬はつとめて。
雪の降りたるは言ふべきにもあらず、
霜のいと白きも、
またさらでもいと寒きに、
火など急ぎおこして、炭持て渡るも、
いとつきづきし。

冬は早朝がよい。
雪が降った朝は言うまでもなく、
降りた霜がとても白いときも、
またそうでなくてもとても寒いときに、
火などを急いでおこして、
炭を運んでいくのも、
たいそう冬の

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ダンスもうまく踊りなさい

ダンスもうまく踊りなさい

アメリカの古いフォークソングで、
邦題「天使のハンマー」という曲がある。
原題は「IF I HAD A HAMMER」。
英語の歌詞に「天使」は一つも出てこない。

なんとなく天使ってつけておけば、
そこはかとなく、
切ない恋の名曲っぽく見えるだろう、
とタイトルを付けた人が
考えていたかどうかは知らんけど。

昔はこういう、
「なんとなく」が許されたのだ。
おおらかな時代だったというべきか、

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恋するカレン

恋するカレン

毎年、その年を象徴する単語を選ぶ、
といえば「三密」が選ばれた
新語・流行語大賞を
思い浮かべるが、
イギリス・オックスフォード辞典も
同じように「今年の言葉」を
毎年選出している。

例年、一つの言葉が選ばれるのだが、
今年は、新型コロナウイルス関連などに
新語が豊富だったため、
複数選ばれたということを、
11月30日の「東京新聞」のコラムで知った。

「パンデミック」「ロックダウン」
「BL

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文豪2人の鍋

文豪2人の鍋

お鍋の美味しい季節。
例年なら家族や友人と
同じ鍋を囲みながらワイワイ・・
というのが楽しいところだが、
今年は新型コロナウイルス感染に
気を付けねばならない。
なかなか、一つのお鍋を
大勢で囲むというのも難しい。

11月23日の中日新聞のコラムと
11月24日の佐賀新聞のコラムが、
二人の文豪とお鍋にまつわる
エピソードを取り上げていた。

二人の文豪というのは
谷崎潤一郎と泉鏡花。
二人は鳥

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地方紙を読む男

地方紙を読む男

11月17日の「熊本日日新聞」のコラムで、
熊本県立美術館で開催中の展覧会
『よみがえった名宝 修復された
細川コレクション展』のことが
紹介されていた。

熊本の展覧会に行く機会は
残念ながら私には無いが、
だからといって、
この情報が私にとって無益なのかといえば、
決してそんなことはない。
「熊本で展覧会が開催されている」という
情報を手にしたこと、ただそれだけでも、
私の人生は熊本で
展覧会

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12月1日は映画の日

12月1日は映画の日

今日12月1日は「映画の日」。
神戸の神戸倶楽部で
1896年(明治29年)11月25日から
29日にかけて
日本で初めて映画が
一般公開されたことに由来する。

まったく12月1日は
関係ないじゃないかと思うのだが、
なんでも、11月25日では半端だから、
12月1日がキリがいいという理由で、
12月1日が記念日とされたらしい。

11月25日を
半端だと思う感覚がよくわからない。
コロナ禍にあ

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