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趣味は新聞コラムを読むこと

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新聞各紙のコラムについて書いたものをまとめています。
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2020年11月の記事一覧

当たり前は変わる

当たり前は変わる

気象庁が鳥や虫たちの観測を
廃止にすることについて、
少し前に書いたが、
気象庁の変化はそれだけではない。
最近は、初雪の観測などを
「自動観測」に変更している
気象台が増えているらしい。

11月10日の「東奥日報」コラムによると、
従来は 職員さんが
雪またはミゾレが降っているのを
目視で確認するのが一般的だったが、
自動化の波がきているようだ。

部外者からすると、
なんとも味気ないようにも

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呼ばれた本を読みなさい

呼ばれた本を読みなさい

思えば先週は暑かった。
小春日和ならぬ
小夏日和だなんて言っていたが、
実際、沖縄では
小夏日和という言い方があるそうだ。
アメリカではインディアンサマー、
ドイツだかロシアだかでは
老婦人の夏という言い方をする。

11月13日の「福島民報」コラムで知ったが、
立冬を過ぎたものの、
寒さはそれほど厳しくない。
日中は穏やかに晴れ渡る日も多く、
紅葉も楽しめたりする
冬のはじまりの頃のことを表す

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時代のせいではない

時代のせいではない

季節は 冬へ移ろっている。
一年を四つに分けたのが四季。
四季のそれぞれの季節を六つに分け、
二十四個に区切ったものが二十四節気、
二十四節気をさらに三つずつ分けて
全部で七十二個に区切ったものが七十二候。

いまは二十四節気が小雪、
七十二候は虹蔵不見(にじかくれてみえず)。
虹が見られなくなる頃らしい。

「らしい」と書いたように、
すっかり季節感を失ってしまった
現代人の私にとっては、
正直

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夫婦の呼び方問題

夫婦の呼び方問題

先日、日本経済新聞夕刊に
小説家の小山田浩子さんが
興味深いことを書いていた。
(日経夕刊の『プロムナード』は
毎回かなり面白いのでオススメ。
月:小山田浩子さん、火:とり・みきさん、水:神田茜さん、木:麿赤児さん、
金:佐々木閑さん、
土:北大路公子さんだったはず)

小山田さんのコラムによると、
なんでもご自身、10年前に
自分が書いたエッセー的な文章を
読み返していたら、夫のことを
「主人」

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チェアリングとイス呑み

チェアリングとイス呑み

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、
三密にならないアウトドアが
人気を集めているそうだが、
テントは張れない、火は熾せない、
そのうえ車は運転できない三無の私には、
縁がないものと思っていたところ、
数日前の朝日新聞の記事で
「チェアリング」なるものを知った。

アウトドア用の折り畳み椅子を持ち歩き、
海辺でも河川敷でも、
人の迷惑にならない好きな場所に置き、
好きなお酒でも飲みながら
ゆっく

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りんごは赤くない

りんごは赤くない

アメリカでは共和党が「赤色」、
民主党が「青色」と、 
わかりやすいイメージカラーがあるが、
日本なら赤色はまずポスト。
そして彗星、広島カープ、
あとはリンゴあたりが赤の代名詞か。

ところが、
ところ変われば色も変わるもので、
岩波新書の名著、
言語社会学者の鈴木孝夫さん著
『日本語と外国語』によると、 
フランスではリンゴは赤ではなく
緑なのだそうだ。
 
我々はリンゴといえば
完全に赤をイ

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「しげた」か「もた」か

「しげた」か「もた」か

食欲の秋とはいえ、
あまりおいしくても食べ過ぎはよくない。
「腹八分目」という言葉もある。

10月26日の「福井新聞」のコラムによると、
歌人・斎藤茂吉の長男で
2006年に亡くなった
精神科医で随筆家の斎藤茂太は、
人生に「腹八分目主義」を
貫いていたそうだ。

望むことの80%もかなえば
バンバンザイと考えましょう・・
ということで、
例えば、夫婦も元は他人、
思いの半分も答えてくれれば

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鍋料理は人を丸裸にする

鍋料理は人を丸裸にする

10月23日「佐賀新聞」のコラムによると、
エッセイストで小説家の阿川佐和子さんは、
「ボーイフレンドをお家に招くとき、
用意すべき料理は何か」について、
「それは鍋料理だ」と
あるエッセイに書いているそうだ。
鍋料理は共同作業のため、連帯感が生まれ、
2人の距離が近づくし、
相手の性格や好みもわかるという。
例えば、最後のお肉の1枚を断りもなく
奪ってしまう男性は自己中心型、
「君にあげる」とい

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