巻きアート
六本木の、普段なら絶対に来ないようなオシャレなカフェに入ってしまった。
周りでは英語で会話している人が多く、身なりもキチンとされている。
このような無作法な人間が入ってしまって肩身の狭い思いをしていた。
もちろん僕はコーヒーの種類は何もわからないが、エスプレッソのマキアートとなるものを注文した。
口当たりの良い苦味が心地よい。これが日の当たる所で生きている人の飲む高級なコーヒーというものか。
ちなみに、このコーヒーのラテアートを描く時にやや渦巻き状の動きをしていたので
「ふむそうか。つまり、ラテアートに巻く動きが入るから巻きアートか。なるほど。」
とコーヒーカップを傾けつつ1人納得していた。
後で調べたら
「エスプレッソに少量のフォームドミルク(蒸気などで泡立てた牛乳)を注いだもの」
らしい。危なかった。披露しなくてよかった。
あと出る時に「ご馳走様でした」と言ったが、これは作法にかなっていただろうか。そういう空気ではなかったのかもしれない。