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海外駐在 M:i:III

海外駐在ミッション・インポッシブル、いよいよ完結編です!

※シーズン1、2 を見逃した方は、まずリンク先からご確認ください。

いきなり雑談ですが、ミッション・インポッシブルシリーズの題名って、2作目は M:i-2 なのに、3作目は M:i:III なんですね。なぜか突然のローマ数字。

そして4作目以降は数字すらつかず、「ゴースト・プロトコル」「ローグ・ネイション」「フォールアウト」。全く一貫性ないですね(笑)

あ、もう1つ。ミッションとインポッシブルの間は、「・」ではなく「:」だということに、先ほど気づきました。面倒なのでこのまま進めちゃいます。

Day3  ~エピローグ~

前日に、Dadの調子が悪いといって早退した相棒のL君。父上の体調もすっかり回復したようで(なんか複雑・・・)、今日は朝から元気に出社してきた。

L君「イーサン(言ってない)、今日が契約更新のデッドラインだが、本社への "念のため稟議" は首尾よく通せたか?」

肝心なところで敵前逃亡したくせに、なんで若干上から目線なんだよ、とカチンとくるが、海のような広い心で受け流す。

僕「お客さんからメール入ってたでしょ。懸案だった点については行き違いで、稟議はぎりぎりで不要になったんだよ。今日サインすれば無事に契約更新さ!」

L君「それは great newsだ!ムダに本社から罵倒されなくて良かったな。はっはっは!」

「はっはっは」じゃねーし、とキレそうになるが、空のような澄んだ心で聞き流す。

L君「ところで、ちょっと相談。この機会に、お客と交渉して契約条件(保険のカバー範囲)を狭くできないかな。前から気になっていた部分があって、今がチャンスかと」

おまえ、ひょっとして脇役で終わるのが嫌で、強引にシーズン3を始めようとしてないか!?、とツッコミたくなるが、宇宙のような無の心でやり過ごす。

僕「せっかく穏便にまとまったんだから勘弁してくれ。てゆうか、そういう要望があるなら、もっと早く言ってくれないと。"after rock-paper-scissors" だろ」

L君「なにそれ?」

"後出しじゃんけん" と言いたかったのだが、そんな英語表現はないらしい。

僕「とにかく、もう試合終了ってことだよ。更新直前に条件縮小なんてできるわけないから、来年改めて交渉しよう」

L君「まあそうだよね。あわよくばと思って言ってみただけさ。はっはっは」

僕「・・・・・」

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ということで、心中穏やかではなかったものの、無事に契約更新!
ミッション・コンプリートです!!

かれこれ7~8年ぐらい前の話ですが、いま思い出しても痺れる展開でした。一件落着後に教訓をメモしていたので、ご紹介します。海外駐在や海外勤務をされる方の参考になれば嬉しいです。

■ 教訓1:問題は火を噴く前につぶす

当たり前すぎてすいません。ただ、この件の発端になった問題は、元々、自社とお客さんの本社同士で燻っていたんですよね。なので、現地サイドとしては、対岸の火事的な油断がありました。

でも、お客さんにとっては日本も海外も関係ありません。そして、海外での契約更新タイミングでクローズアップされてしまいました。

遠く離れた本社の話であっても、常に現地に波及する可能性があるので(逆もしかり)、日頃から注意してコミュニケーションを取っておく必要がありますね。

■ 教訓2:緊急対応のための余裕を持っておく

この件が勃発したとき、幸いにも他の仕事が落ち着いていたので、事態の収拾に専念できました。これが繁忙期だったら即死だったと思います。

日々いっぱいいっぱいでは、ピンチにも、チャンスにも即応できません。相手がある話なので簡単ではありませんが、ほんの少しでも余裕を残しておきたいですね。

これは、時間の面だけでなく、精神的にもです。

■ 教訓3:持つべきものは友

Day1に警告の電話をくれたのは、お客さんのローカル社員でした。突然の死の宣告に震え上がりましたが、よく考えると、あの電話は彼なりの助け舟だったのだと思います。

その気になれば、当方の落ち度を理由に、いきなり契約を切ることだってできたわけです。日頃から仲良くしていたため、最悪の一歩手前で連絡してくれたのでしょう。

そして、名脇役のL君。無邪気すぎてイラっとすることも多かったですが、「なぜ本社の尻拭いを俺がしなきゃいけないんだ」と文句を言いながらも、(ビールに釣られて)頑張って対応してくれました。

日本企業の海外拠点は、マネジメント層は日本人であったとしても、日々のオペレーションは、ローカルの人たちで回っていることがほとんどです。こうした社内外の現地スタッフたちと良い関係が作れるか、困った時に助け合えるか、それが駐在員の生命線だと思います。

5年間のロンドン駐在中、自社のローカル社員たちとは、たくさん議論し、ときには仕事の進め方の違いによって激しくぶつかることもありました。

それでも、いや、それだからこそ、任期を終えて彼らと別れる際には、自然と涙が流れました。やはり、持つべきものは友です。

最後に

本シリーズに、最後までおつき合いいただき、ありがとうございました!拙い文章でしたが、「楽しみにしています」と言ってくださる人もいて、すごく励みになりました。

今後も、駐在あるある、海外勤務ネタなど、折に触れて投稿していきます。

ではまた!

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