自動運転のトロッコ問題を技術課題として考えてみよう
- □ トロッコ問題を技術課題として
自動運転を語る際に倫理問題として、このトロッコ問題が出てくる。「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」さて、ではこの問題を技術課題として捉え解決策を考えてみよう。
倫理問題と言われるだけに、非常に厳しい状況に追い込まれている訳だね。しかし、トロッコがたどり着いたそのレールを逆に遡ると、そこには切り替えポイントがあり、その選択を選ぶ判断があったはず。
つまり、その選択肢の先のリスクを見通す事で、この様な最悪の選択に追い込まれない様にする。これが、技術課題として捉えた場合の解決策になるのだと思う。
- □ 未来を見通す技術
どうすれば未来を見通す事が出来るのだろう。自車の前走車は数秒前の世界に居る。更にその前走車はその前の世界に居る。そう捉える事が出来ないだろうか。
そして、その前走車がカメラやセンサーで捉える周辺情報、走行データを共有する事で、これから走る未来の道路情報を入手する事が出来ないだろうか。
- □ それってようは視野の拡張だよね。
未来云々とか言ってるけど、ようはナルトの世界の輪廻眼じゃね、なんてつぶやいたあなたは賢い。
そうだね、情報の共有は空間を超えた視野の拡張になるだろう。前走車が居る事でブラインドになった所も、その前走車からの視野で見通す事が出来る。
でもでも、そんな前走車やそのまた前走車の情報を数珠繋ぎにし、そこから更にその先の動きを計算すると、どうだ未来を予測する事が出来るはずだ。
- □ 道路情報のデジタルツイン
さて、自動車の輪廻眼はどうやって技術的に実装すれば良いだろう。前走車や周辺の車との視野や走行データの共有はP2Pじゃないかな。
でもやり取りされている情報はその当事者だけでなく、その交通網を利用する関係者にとってより俯瞰した視点をもたらしてくれる。誰がどう管理するんだという問題や地域を分割するのなんて問題ががあるとして、道路情報のデジタルツインを構築する元データとして活用出来るんじゃないかな。
- □ デジタルツインは社会を変革する
道路情報のデジタルツインは色々と使えそう。その道路の季節や時間帯の混雑や路面状態、歩行者情報などを前日とかに予想する事だって出来る。
道路の改善に役立つよね。渋滞する道路を抽出出来るだろうし、その原因だって分析出来る。歩行者が多い時間帯から通学路を抽出出来るだろうし、走行車のスピードやブレーキ頻度、時間帯による違いとか分析の仕方によって道路のリスクを判断出来るだろう。数値化すれば優先順位を決める事が出来る。時間帯による人と車の分離で暫定対策するとかも可能かな。
- □ さて、問題は人間だった
自動運転の車が増えた時の事を考えてみよう。周りが全て自動運転なら、AI同士が高速に視野と自身の今と未来の行動を情報交換し、周辺の交通情報をも共有する。事故など起きないよね。そこで注意しなければならないのは、人間が運転している車だよね、きっと。
周りのAIが人間の運転を評価して、予測とズレが大きければ、安全の為その車を強制的に自動運転に切り替えるなんて事が起こる様になるかもね。
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