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DXでもっと遠くへ。「都庁DXアワード2024」開催!
今年もこのイベントがやってまいりました!
都政現場で生まれたDXの取組が集結するイベント、「都庁DXアワード」です。2022年から始まった都庁DXアワードも、今回で3回目の開催となります。
今年度は23局から31件がエントリーされるなど、開催規模がどんどん大きくなり、注目度も高まっています!
今回は、6月24日に実施されたイベント当日の様子をお届けするとともに、アワードを受賞した取組もご紹介します!
「都庁DXアワード」とは?
都庁が進めるDXの目的、それは都民サービスの質を向上させることです。東京都では、それぞれの都政現場において創意工夫を凝らし、DXによる生産性の向上や都民サービスの改善に取り組んでいます。
こうしたDXへの挑戦を都庁全体で後押しする組織文化を醸成するために、優れた実践を共有し、横展開する場。それが「都庁DXアワード」です。
「都庁DXアワード2024」開幕!
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いよいよ開幕した「都庁DXアワード2024」。冒頭の挨拶で、審査委員長を務める宮坂副知事は以下のように呼びかけました。
多くの発明をしたアイザック・ニュートンは、「私は巨人の肩に乗っているから遠くを見ることができる」という有名な言葉を残した。私にとって「都庁DXアワード」はまさにそれを体現するもので、本日ノミネートされた31事例は、すべて「巨人の肩」。この31の巨人の肩にみんなが乗ることで、都庁全体が誰一人取り残されることなくデジタル化することができる、DXでもっと遠くへ行けると思っている。
イベント中は、参加者全員がプレゼンに熱心に耳を傾け、メモをとるなど、少しでも自分たちの職場に持ち帰ることができないか真剣に考えている様子でした。熱のこもった各チーム2分30秒のプレゼン、そして審査を経て、今年度のアワードが決定しました!
デジタル10か条賞
まず、特別賞である「デジタル10か条賞」にノミネートされた5つの取組をご紹介します。
都民のみなさまに品質の高いデジタルサービスを継続的に提供していくことを目的として制定した「デジタル10か条」の観点から優れた取組を表彰するものです!
■租税教育コンテンツの制作~デジタルを活用した「いつでもどこでも楽しく学べる」租税教育への挑戦~(主税局総務部総務課)
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主税局では、税への理解を深めてもらうため、小学校等で「租税教室」という出張授業を行っています。しかし、実施できる小学校に限りがあることから、いつでもどこでも楽しみながら税について学ぶことができるよう、2種類のゲームコンテンツを制作して主税局HPのキッズページに掲載しました。また、ユーザーの意見を取り入れた改修を行うなどした結果、キッズページのアクセス数が前年度比7倍以上になるなど、より多くの子どもたちが税を知るきっかけを作ることができました。
以下のリンクから、みなさんもぜひプレイしてみてください!
■東京都ツキノワグマ目撃等情報マップ~TOKYOくまっぷ~(環境局多摩環境事務所自然環境課)
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環境局では、令和2年度から都内のツキノワグマ目撃情報をHP上に掲載していましたが、PDFデータでの掲載だったため目撃時期や正確な目撃場所が分からない状態でした。そこで、職員がPowerBIを活用して捕獲場所や目撃場所等の情報別、また時期別に表示可能にしました。情報提供の手段を変えることで、職員の生産性が向上するとともに、都民のみなさんにとってもより分かりやすい情報を提供できるようになりました!
■AIを活用した住家被害認定支援ツールの開発(総務局総合防災部防災管理課)
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災害で住まいが被災したときに必要となる「住家被害認定」について、職員の目視等による実地調査では時間を要したり、判定がばらついたりといった課題がありました。そこで、スマホ等で撮影した写真から損傷個所を判定できるAIを活用した支援ツールを開発することで、調査を迅速かつ正確に行えるようにしました。
被災された方の早期生活再建につながる取組であり、全国の災害現場への展開も期待されます!
■署内デジタルインフォボードの開発(東京消防庁西東京消防署)
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消防署では従来、災害状況・人員状況などのデータがホワイトボードや日誌等、さまざまな媒体に分散しており、必要に応じて手書き・手入力で職員が転記する作業が発生していました。そこで、それらのデータを自動的に集約し、デジタルディスプレイに表示するシステムを作りました。
これにより、署内の手書きホワイトボードは一掃されたそうです!
■ノーコード、ローコストで進めるDX~相談記録データベースの開発~(保健医療局動物愛護相談センター多摩支所)
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動物に関する様々な相談を受け付けている動物愛護相談センター多摩支所では、相談対応記録を手書きのメモやWordファイルで作成していました。また、相談発生地の特定や統計処理もアナログ的な手段で行っており、職員の負担となっていました。そこで、相談記録を一元管理できるデータベースをデジタルサービス局と連携してアジャイル型開発しました。その後も利用する職員自らが勉強しながら機能改善を行うことで、ローコストで使いやすいシステムを構築しました!
Tokyo Good Challenge賞
今年度から新しく創設された「Tokyo Good Challenge賞」。職員の頑張りにスポットを当てた表彰です!
■建築計画概要書の電子閲覧(都市整備局市街地建築部建築指導課)
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「建築計画概要書」とは、建築物の概要や建築確認・検査等の履歴を記載した書類で、特に中古建築物の売買等で重要な情報となります。従来は窓口で閲覧申込みや必要事項の転記が必要であり、長い順番待ちが発生することもありました。そこで、「建築計画概要書等電子閲覧システム」を導入し、場所・時間を問わずにオンラインで閲覧可能とすることで、窓口の混雑緩和や利便性向上を実現しています!
■ドローンを活用した汚泥焼却炉内点検のDX(下水道局計画調整部技術開発課)
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下水道局では、24時間365日休むことなく下水を処理しており、その過程で発生する汚泥を焼却処理しています。
この焼却処理を行う汚泥焼却炉の内部点検について、今回、スタートアップ企業とともにDXを使った点検の効率化に取り組みました。従来、点検員は防護服を着用し、ビル5階に相当する高さの焼却炉内部に入り、ひび割れ・付着物等を直接目視して、紙図面に手書きでスケッチし、記録していました。
本技術では、点検員が焼却炉内部に入ることなく、小型ドローンだけが内部を飛行・撮影し、その映像から立体モデルを作成し、パソコン上で点検することが可能です。
本技術により、一層の迅速・安全・正確な点検が期待できます!
Tokyo Good Service賞
同じく今年度創設された、「Tokyo Good Service賞」。QOS(都民サービスの質)向上に大きく寄与した取組を表彰します!
■パーキング・チケット発給設備のキャッシュレス化~快適な駐車空間の確保に向けて~(警視庁交通部駐車対策課)
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道路区間に設置されたパーキング・チケット設備は、これまで現金のみの取扱いであり、キャッシュレス化の要望が多く寄せられていました。そこで、新型発給設備を開発し、全国で初めてキャッシュレス化を導入するとともに、多言語表示、遠隔監視などを様々な新機能を搭載しました。さらに、一部の発給設備では必要となる電力をすべて太陽光発電でまかなうというエコな設計を実現しています!今後は空車情報のリアルタイム提供など、更なるサービスの質向上にも挑戦していくとのことでした。
警視庁は初参加で特別賞を受賞する快挙を達成です!
知事賞を受賞したのはこの2つ!!
いよいよ、最優秀賞である「知事賞」の発表です!
サービス部門・業務改革部門のエントリーの中からそれぞれ審査員の点数が最も高かった取組になります!
■定期券の購入をWEBでスムーズに!(交通局電車部営業課)
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「サービス部門」で知事賞を受賞したのは、交通局の「TOEIスマート定期券予約」の取組です!
これまでは、学生が進学・進級する際、通学定期券を購入するために13駅しかない定期券発売所で学校指定の通学証明書を提示する必要がありました。そのため、年度当初は定期券販売所が大変混雑し、1時間以上待たなければならないこともありました。
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そこで、WEBで事前に定期券情報と通学証明書を登録して、その後メールで送られてくるQRコードを自動券売機に読み込ませることで、定期券販売所に並ぶことなく、通学定期券を購入できるようにしました。これにより、定期券販売所の営業時間にしばられることなくいつでも申込みが可能となり、通学定期券を購入できる駅も13駅(定期券発売所)から109駅(自動券売機)に大幅拡大しました。
今後も更なるサービス改善や利用率向上に向けて取り組んでいくとのことです!
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■駅消火設備維持管理業務へのDX活用(交通局建設工務部工務事務所設備担当)
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「業務改革部門」で知事賞を受賞したのは、こちらも交通局の「駅消火設備維持管理業務へのDX活用」の取組です!
都営地下鉄の駅にある屋内消火栓、スプリンクラーなどの消火設備については、年2回の点検が法律で義務付けられています。
これまでは、消火設備の場所確認について、庁舎にある図面集から該当箇所の資料等を印刷していましたが、消火設備は各駅数百か所に及ぶため、図面の準備や該当箇所までの経路確認などに多くの時間を割いていました。
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そこで、約5000枚の図面を整理・鍵や該当箇所までの経路に関する必要な情報を駅ごとに1枚に集約し、スマホで閲覧できるように改善しました。これにより、誰でも迷うことなく目的地までたどり着けるようになるとともに、事前準備の負担軽減にもつながっています。
時間にして、点検にかかる時間を年間約100時間削減することができました。また、現地でトラブルが発生した際にも、スマホがあれば事前準備なしで、すぐに現場に向かえるようになりました。
今後も、駅改良工事に合わせてアップデートを行い、ベテラン職員の「暗黙知」の技術継承にもつなげていくとのことです!
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今後も都庁のDXを進めていきます!
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授賞式では、小池知事からも「都民のみなさんが『こんなに良くなったんだ!』と実感していただける日が1日でも早く来てくれればと思っている。なにより現場を一番知っているのは職員。現場での気づきを共有して、都民のみなさんのためにDXを活用する。『東京都すごいぞ!』と世界中が真似するくらいのことをこれからもやっていきましょう!」と激励の言葉がありました。
今回は、アワードを受賞した取組をご紹介しましたが、それ以外にも創意工夫を凝らしたさまざまなDXの取組がありました。そのほかの取組についても、別の機会にご紹介できればと思います。
今後も、都庁のDXにご期待ください!
【番外編】
各局のキャラクターもイベントを盛り上げてくれました!
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