都立動物園、庭園、公園でキャッシュレス推進中!都民利用78施設の入場料等のキャッシュレス化が完了しました
都政の構造改革では「5つのレス」として、ペーパーレス、FAXレス、はんこレス、キャッシュレス、タッチレスを進めています。
「キャッシュレス」では、すべての都立施設において、クレジットカード、電子マネー、QRコードの原則3つの決済手段を導入し、入場してから退場するまでの様々なシーンをキャッシュレスで過ごせる環境を実現することを目指しています。
その第一歩として、都民のみなさまが多く利用する78施設を対象とし、その入場料等をキャッシュレス化させることを2021年度までの目標としていましたが、本年3月、対象の78施設すべてで、入場料、スポーツ施設使用料等のキャッシュレス対応が完了しました。
今回、都立の動物園、庭園、公園の現地に赴き、キャッシュレス対応に関して担当の方にお話をうかがってきました。施設ごとに、現場の創意工夫で都民サービスを向上させようと様々な取組が進められているので、インタビュー形式でお届けします。
【動物園】恩賜上野動物園のキャッシュレス化
都立の4つの動物園・水族園のうち、「恩賜上野動物園」のキャッシュレス化について、東京都建設局公園緑地部の岡井さんの案内のもと、(公財)東京動物園協会の須賀さん、小川さんにお話をうかがいました。
■上野動物園のキャッシュレス化
上野動物園では、コロナ禍以前からクレジットカード、電子マネーによるキャッシュレス化を推進しており、2019年には入園料のQRコード決済の実証実験をスタートさせていました。
当時はインバウンドの外国人旅行者のお客様などが多くいらっしゃった時期で、入園までに長い列ができており、窓口の対応でお時間をいただいておりましたので、券売機のキャッシュレス決済対応で時間をかけずにご入園いただくことを期待していました。アリペイなどの中国系のキャッシュレスサービスが多く利用されていた印象があります。
その後、コロナ禍となり、2020年3月から6月までの臨時休園後、再開園した際には、キャッシュレス事業者さんのキャンペーンもあり、キャッシュレス決済の利用者が増えました。現在では、現金とキャッシュレスの利用者はだいたい半分半分となっています。キャッシュレスは入口での混雑を避けるためにも有効な仕組みだと考えています。
■オンライン決済による入場券「オンラインチケット」を導入
2020年6月に再開園させる際、いままでと同じように開園させてしまっては「密」になってしまうので、整理券予約システムを導入し、人数制限をしながら入園をしていただくことにしました。
ただ、この段階では整理券を事前に取得していただくという方法でしたので、ご来園いただいた際にはお客様に入場券購入窓口にお並びいただく必要がありました。そこで、予約だけでなく、チケットの購入、決済まですべてオンラインにできないかと検討した結果、2021年7月に「オンラインチケット」を導入することになりました。
オンラインチケットはスマートフォンの画面などでQRコードを表示し、各園の入口で提示いただくことで入場できるものです。これにより、来園当日に各園の窓口で入場券購入のために並ぶことなく、密を避けてスムーズに入園できるようになりました。なお、各園の窓口での入場券の販売については、これまでどおり継続しています。
現在、キャッシュレス対応の券売機の順次入れ替えとあわせて、園内の自動販売機や売店のキャッシュレス対応を進めており、入場料だけでなく、園内の施設のキャッシュレス化も進めていくことで、お客様の利便性の向上に努めてまいります。
【庭園】六義園のキャッシュレス化
国の特別名勝に指定されている「六義園」をはじめとする9つの都立庭園のキャッシュレス化について、建設局の岡井さんの案内のもと(公財)東京都公園協会の北村さんにお話をうかがいました。
■入園料のキャッシュレス化
都立庭園の入園料では、電子マネーによるキャッシュレス決済について、利用者サービス向上のため、以前から公園協会が独自に導入していました。その後、六義園を含めた9つの都立庭園すべてで、クレジットカード、QRコードでのキャッシュレス決済について2020年度中に機器の導入を完了させ、コロナ禍における臨時休園後、2021年6月の再開園とあわせて本格的に利用を開始しました。
■機器導入にあわせて庭園の窓口業務改善プロジェクトチームを立ち上げ
都立9庭園の窓口対応をしている職員をベテランから若手まで集めて、窓口業務を改善するプロジェクトチーム(PT)を立ち上げ、決済端末の導入、業務端末の更新など、キャッシュレス対応をどのように進めていくか検討しました。
このPTでは、キャッシュレス対応に関する業務端末のモニター画面構成などの議論だけでなく、この機会に9庭園でバラバラに対応していた窓口対応について「共通化できるものは共通化していこう」ということで議論を重ねました。その結果、9庭園で共通の窓口対応マニュアルを作成しました。
このPTのつながりは、キャッシュレス対応が完了した後もTeamsのグループで続いていて、特に土日のお客様が多い時の対応では、不明点があったときにグループにチャットで質問するとほかの庭園で働いている職員からリアルタイムで回答があるので、とても助かっています。
現在、庭園内の売店のキャッシュレス化も進めており、クレジットカードだけでなく、電子マネー、QRコードでの決済にも対応させていきたいと思っています。窓口業務の改善とあわせてお客様に満足していただけるよう努めてまいります。
【公園】汐入公園のキャッシュレス化
都立公園のうち、スポーツ施設(野球場、テニスコート、 競技場、弓道場 、サッカー・ホッケー場)の所在する35公園について、2021年10月に窓口での支払いにおけるキャッシュレス化を完了させました。
今回、全国で初めて公園内に保育園を開設したことでも話題となった「汐入公園」のキャッシュレス化について、東京都建設局公園緑地部の石川さんの案内のもと、東京都公園協会の越谷さん(汐入公園サービスセンター長)と金子さんにお話をうかがいました。
■スポーツ施設使用料のキャッシュレス化
汐入公園では、10月に公園内にあるテニスコート使用料についてクレジットカード、電子マネーによるキャッシュレス化を完了させ、12月にはQRコードでの決済もご利用いただけるようになりました。
コロナ禍以降、都民のみなさまの身近にある公園を訪れる方が増えていて、テニスコートをご利用される方も若いファミリーなど新規の方が多くなっている感覚があります。キャッシュレス化により多様な選択肢を用意することで、利用者の利便性を向上させていきたいと考えています。
現在、都立公園のスポーツ施設の予約システムの改修に取り組んでいます。施設予約の完全オンライン化を目指し、都民のみなさまにとってより使いやすいシステムになるよう検討していきます。
施設内の店舗のキャッシュレス化も進めます
都政の構造改革では、この度、都民のみなさまが多く利用する78施設の入場料等のキャッシュレス化を完了させることができましたが、次年度も引き続き、施設内の売店など、店舗のキャッシュレス化を進めていきます。
東京都の施設において、入場から退場までキャッシュレスで過ごせる環境を実現するため、これからもキャッシュレス化に取り組んでまいります。