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組織や分野を越えた「政策DX」でサービスの質を飛躍的に向上!皆様のご意見を募集します
本日、都政の構造改革を次なるステージへと進化させる「シン・トセイⅩ(エックス)」の素案を公表するとともに、パブリックコメントの受付を開始しました。
パブリックコメントは3月3日(月)まで受け付けています。
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これまでのシン・トセイ戦略では「2025年度」をターゲットとして、行政のデジタルシフトやワークスタイル変革など、DXを梃子に仕事のあり方を見直し、都政のQOS(サービスの質)向上を着実に推進してきました。
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今回公表したシン・トセイX素案では「2035年度」を次なるターゲットとして、組織や分野を越えてDXを進めることで課題解決のスピードアップや業務効率化を実現し、都民や職員の「手取り時間」を増やしていくことを掲げています。
今回のnoteでは、シン・トセイⅩ素案の概要をお届けします。
これまでシン・トセイが成し遂げてきたこと
2020年8月から始まった都政の構造改革「シン・トセイ」。これまでの成果を振り返ります。
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■ デジタル化により、都政のQOSが向上
2020年9月末時点では、デジタル化されていた東京都の行政手続はわずか5%でした。その後、全ての行政手続の原則デジタル化を掲げた「東京デジタルファースト条例」の制定や申請プラットフォームの整備などを進め、2024年9月末時点で行政手続デジタル化率は80%を超えています。
2026年度末までに100%デジタル化を目指していきます。
また、単にデジタル化を進めるだけでなく、ユーザーとの対話を通じて質の高いサービスを作る「サービスデザイン」も全庁に浸透させてきました。
サービスリリース前のユーザーテストの徹底や、ユーザーレビューにより利用者の声を収集する仕組みを作るなど、よりサービスの質向上につながる取組を進めています。
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■ 職員のワークスタイルを変革
シン・トセイでは、オフィス改革や業務に必要なデジタルツールの導入など、柔軟でイノベーティブに働ける職場づくりに取り組んできました。
職員の働き方を、場所や時間を有効に活用した質の高いものに転換することで、業務の生産性を高めて都民サービスの質向上につなげています。
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これらの取組の結果、例年行ってるデジタル環境に関する職員の満足度調査では、2020年には11%しかいなかったデジタル環境に「満足」と答えた職員の割合が2024年には32%に大きく上昇するなど、着実に効果が出てきています。
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なぜ「Ⅹ(エックス)」?
これまでのシン・トセイでは、基本的には部局単位や事業単位でDXを進めてきました。一方で、都民目線でより利便性の高いサービスを実現するためには、既存の枠にとらわれず、組織や分野の垣根を越えてDXを更に発展させていくことが重要です。
そこで、今回の戦略では、「Ⅹ(トランスフォーメーション)を更に進める」「クロス(組織横断)していく」「Expand(取組を広げていく)」「未知のものにも積極的にチャレンジしていく」といった思いを込めて、「シン・トセイⅩ」という名称に変更しました。
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シン・トセイⅩのプロジェクトは大きく「政策DX」と、それを支える「コア・プロジェクト」に分かれています。
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それぞれについて簡潔に説明します。
■ 新しく掲げた「政策DX」
都民や事業者にとってよりよいサービスを提供するために重要なことはなんでしょうか?
私たちは「デジタル三原則」を実現することだと考えています。
「デジタル三原則」とは・・・
■ デジタルファースト:手続・サービスがデジタルで完結
■ ワンスオンリー:1回提出した情報は2回提出が不要
■ コネクテッドワンストップ:複数の手続・サービスが1か所で可能
デジタル三原則を実現するためには、都庁内だけでなく、より大きい単位でDXを進めていく必要があります。
シン・トセイⅩでは、組織や事業単位ではなく国や都庁、区市町村などの枠を越えてDXを実現していくようなプロジェクトを「政策DX」と命名し、都民・事業者がQOS向上を実感できるように改革を進めていきます。
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まずは「こども分野」「教育分野」「福祉・医療分野」「防災分野」「まちづくり分野」「環境分野」「産業分野」の7分野におけるリーディング・プロジェクトを突破口として、様々な壁に対して果敢に挑戦していきます。
例えば「こども分野」では、出生届をオンライン提出すれば、その後の全ての子育て支援サービスをワンスオンリー・ワンストップで受けられることを将来の姿として描いています。
そのような将来の実現に向けて、組織や分野を越えて知恵を出し合い、改革を進めていきます。
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また、これらのDXを支える基盤として、生成AIプラットフォームの構築や都民と行政をつなぐアプリの開発など、各局・区市町村等が利用するデジタルツール等を共同化する「DX共同化構想推進プロジェクト」も進めていきます。
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こういった取組をはじめとして、幅広い分野で政策DXを推進し、よりよいサービスを実現していきます。
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■ コア・プロジェクトの展開
全庁的な改革推進の核となる「コア・プロジェクト」も、「ユーザー参画・協働プロジェクト」「スマートワーク・プロジェクト」として更に発展させていきます。
「ユーザー参画・協働プロジェクト」で目指すのは、都民や事業者をはじめ多様な主体と協働したサービス改善・創出や社会課題の解決です。
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代表的な取組として、ユーザーレビューをご紹介します。
ユーザーレビューは現在あらゆるデジタルサービスに実装を進めていますが、レビューフォームをより回答しやすく改善するとともに、収集した声の自動分析等を行うシステムを新規開発し、更なるサービス改善につなげます。
また、デジタルサービス局であらかじめ確保した改善予算を活用し、ユーザーの意見を踏まえた迅速かつ柔軟なサービス改善を行います。
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もうひとつの「スマートワーク・プロジェクト」で目指すのは、デジタルツール等を活用した質の高い働き方の実践により、都庁の生産性と職員の意欲・能力を向上させていくことです。職員がやりがいや成長を感じながら、いきいきと力を発揮できる環境を整備することで、QOS向上につなげていきます。
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例えば、バックオフィス業務を効率化することで職員の負担を軽減し、都民・事業者へのよりきめ細やかな対応につなげたり、フレックスタイム制を活用した週休3日、サードプレイス活用などにより、時間や場所を業務内容や目的に合わせて選択できる都庁版ABW(Activity Based Working)を推進します。
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これらのプロジェクトを構造改革の「核」として、都政のQOSを飛躍的に向上させていきます。
ぜひ、ご意見やアイデアをお寄せください
今回は、シン・トセイX素案の概要をお届けしました。
3月3日(月)までパブリックコメントを実施しておりますので、ぜひ皆様からのご意見やアイデアもお寄せください。