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都民が「実感できる」QOS向上へ。「重点強化方針2023」を策定しました!
都政の構造改革「シン・トセイ」の取組が始まって、間もなく3年になります。これまで、東京都ではペーパーレスやFAXレス、紙やデスクにしばられない未来型オフィスの展開、行政手続のデジタル化などに全庁一丸となって取り組んできました。
こうした中、都民サービスや都庁の仕事の「新しい形」は、着実に広がってきています。
2023年1月に策定した「シン・トセイ3」では、ユーザーとの対話を通じて良いサービスを作り上げる「サービスデザイン」の考え方を全庁で徹底することや、約7,000に及ぶすべての窓口でBPR(※)を実施し、「待たない、書かない、キャッシュレス」を実現するなど、都民サービスの質(QOS)の更なる向上に向けた新しい戦略を打ち出しました。
※業務プロセスを分析の上、制度や業務フローを抜本的に見直す取組
本日7月28日、シン・トセイ3で掲げた様々な改革を確実に進めていくため、構造改革推進チームから都庁内のすべての職員に向けて、「シン・トセイ 重点強化方針2023」を示しました。
シン・トセイは「職員一人一人が主体となって進めていく取組」です。これを推進する私たち「構造改革推進チーム」では、公表資料もすべて職員の手作りで作成しています。サムネイル画像になっている今回の表紙も、この4月からチームに加わった新規採用職員を中心に、皆様に広く見ていただけるように想いを込めて作成しました!
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今回のnoteでは、出来立てほやほやの「シン・トセイ 重点強化方針2023」についてのエッセンスをご紹介していきます!
「シン・トセイ 重点強化方針2023」とは?
3年前、都政の構造改革をスタートした時、まずは「一番遅れているところから形を変える」ことから始めました。紙、ハンコやデスクにしばられた都庁の環境を変えるとともに、都民の皆様との接点である行政手続のデジタル化に着手しました。
都庁は大きく変わってきましたが、都民の皆様に「都民サービスが良くなった!」と実感として伝わっているか、今ここで改めてゴールを意識しました。
改革を進めてきた中で見えてきた、手が行き届いていないところ、さらに強化しなければいけないところにテコ入れをしていく、こうした考えのもと、これまでの「加速化方針」というタイトルを見直し、今回は「重点強化方針」として打ち出すことにしました。
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「実感できる」QOSの向上につなげる3つの柱
では、「実感できる」変化を起こすためにはなにが必要なのか。
下のイラストにある、氷山の上の部分、つまりは目に見える(実感できる)QOSの向上を実現するためには、水面下にある目には見えない部分をしっかりと整備する必要があります。
それが、今回の重点強化方針で示す「3つの柱」です。
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■柱1:行政サービスをあらゆる場面から見直し、トータルで改善
行政手続(許認可や補助金など)のデジタル化は確実に進んでおり、2023年度では70%の達成を見込んでいます。しかし、申請プロセスだけがデジタル化しても、審査から交付までに時間がかかっては、サービスが良くなった実感にはつながりません。
そのため今回は、行政サービスをあらゆる場面で見直し、トータルで改善していくことを徹底することとしました。
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まず、行政手続の入口である申請については、2023年7月から新たなSaaS型クラウドサービス申請基盤を導入しました。これを活用することで、スマホから入力ができたり、チェックボックスを使って選択式で入力できるなど、より簡単かつスムーズに申請ができるようになります。今後、全庁でこの共通基盤を活用していくことで、「分かりやすい」「使いやすい」高品質の行政サービスの実現につなげていきます。
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また、申請していただいた後の審査から決定・交付までエンドツーエンドで、例えば、審査の手順の見直し、提出書類の簡略化、さらにはAIを活用した処理の効率化などのBPRを徹底していくことで、審査に要する時間の短縮や事務処理の迅速化などを進め、全体で便利・快適・迅速な行政手続を実現していきます。
あわせて、こうしたすべてのデジタルサービスで利用者の声や満足度のレビューを展開していきます。
さらに、東京都のデジタルサービスへのご意見をスマホからも簡単に投稿できる「デジタル改善ポスト」を設置します。都民の皆様から広くご意見を募集し、さらなるサービス改善につなげていきます。
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■柱2:「オープン&フラット」でイノベーティブな都庁へと変革
都民が「実感できる」QOSの向上のためには、その担い手である職員が、都庁が、イノベーティブであることが不可欠です。そのためには、都庁外の発想を積極的に取り入れ、都庁の中でも活発な議論を展開し、様々な知恵やアイデアを融合していくことが重要です。
シン・トセイ3で打ち出したキーワードである「オープン&フラット」な都庁、「おもしろい都庁」のもと、職員が行動を変え、環境を変え、組織文化をも変化させながら活気に満ちた都庁を作り、政策イノベーションを起こすことで、良い政策やサービスを生み出していくことを目指していきます。
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都庁の中では、職場ごとに工夫をしながら「オープン&フラット」な組織づくりを進めています。今回の方針では、こうした事例を紹介しながら、都庁全体に実践を呼びかけ、このムーブメントをさらに拡大していくことを目指しています。
東京消防庁では「消防・救急活動へのデジタル先進技術実装に向けた官民連携プロジェクト」として、全消防職員から現場の「あったらいいな」というアイデアを募集し、集まったアイデアの実現に協力いただける企業を公募する取組を実施しています。結果として465件の提案があり、現在協力企業を募集しています!こうした取組をはじめとして、各職場で実践できるオープン&フラットな取組を都庁全体で実践していきます。
また、都庁外の発想や技術を取り入れて、新たなサービスを生み出し、都民サービスを向上させていくために、都庁全体でスタートアップとの交流をさらに広げ、深めていくための取組も進めていきます。
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このほかにも、未来型オフィスへの転換やTeamsの活用などによる柔軟な働き方の実践なども積極的に進めていきます。
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■柱3:社会の変化を踏まえて、制度や仕組みをアップデート
社会やデジタル技術の急激な変化に伴い、課題や都民のニーズも目まぐるしいスピードで変化しています。行政需要の更なる増大や、生産年齢人口の減少による社会構造の変化など、社会の変化を踏まえた新たな視点の下、都庁の制度や仕組みをアップグレードし続けていくことが重要です。
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そのひとつが「アナログ規制」です。
「アナログ規制」とは、デジタル技術の進展に法律や条例などの整備が追いつかず、業務の効率化を妨げている規制のことです。
たとえば、「書面掲示」や「目視」などが法律や条例等で義務付けられている業務では、仮にデジタル技術(オンラインやドローン・高性能カメラ等)により代替できる場合でも、それらを活用することができません。そういったデジタル化のボトルネックとなっている規制を洗い出し、見直していくことにより、規制の趣旨や目的を損なわずに業務効率化・QOSの向上を図るための取組を進めています。
都庁におけるアナログ規制の洗出しをした結果、条例・規則含めて約2,000の条項がアナログ規制に該当することが分かりました。今後、優先順位をつけながら順次見直しを実施していきます。
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また、都市づくりなど、様々な分野で行政への需要が増え続ける中、社会全体と同じく、都庁でも業務の効率化とともに、人材の確保が大きな課題となっています。こうしたマクロなテーマについて、都庁全体で議論を重ねながら、今回は、工事の積算業務など技術系業務の効率化や、東京のために働きたい人材が都庁を活躍の場として選択しやすいよう、採用の仕組みについて、見直しの方向性を示しました。
変化を実感できる都政へ
今回は「シン・トセイ 重点強化方針2023」の概要をお伝えしました。
この方針で目指すのは、都民の皆様が「都民サービスが良くなった!」と実感できる都政の実現です。職員一人一人が構造改革の取組をよりアクティブに実践し、変化を実感できるQOS向上を実現していきます!
全文についてはこちらをご覧ください!
今後もnoteを通じて構造改革の進捗状況をお届けしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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