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2年目の都知事杯 オープンデータ・ハッカソン

東京都では、2021年度に引き続き2回目となる「都知事杯オープンデータ・ハッカソン」を2022年度に開催しました。2023年3月には、ファイナルステージに進んだ10組による成果発表会「Demo Day」を行い、2022年度のハッカソンが幕を閉じました。
今回は、Demo Dayを含め、2022年度に開催された「都知事杯オープンデータ・ハッカソン」の様子をお伝えしていきます。

2021年度のイベントの様子は以下の記事をご覧ください。

「都知事杯 オープンデータ・ハッカソン」とは?

東京都では、行政が保有する様々なデータを積極的に公開し、シビックテックや民間企業等と協働して新たなサービスを創出することで、都民のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上につなげる取組を推進しています。多様な行政課題の解決に向けて、参加者がそれぞれのアイデアや技術を持ち寄り、東京都のオープンデータを活用したデジタルサービスを提案・開発するイベントが「都知事杯 オープンデータ・ハッカソン」です。

2年目の開催となる2022年度は「Pre-Meeting」(参加者募集イベント)から実施しました。2021年度の都知事杯受賞者との対談や東京都職員によるパネルディスカッションなど、ハッカソンについて理解を深めるきっかけとなるようなプログラムを実施しました。

都庁職員によるパネルディスカッション

2022年度のハッカソンでは67チームがプロトタイプを開発

ハッカソン初日、キックオフの中で宮坂副知事は以下のように述べました。

「デジタルは人と人をつないで参加を促す技術。これまでは行政がサービスを作って、市民はそれを受けるという関係だったのが、デジタルによりその関係性が変わってきている。ハッカソンはまさに新しい行政への参加の仕方になる」

その言葉どおり、イベントではそれぞれの参加者が多岐にわたる都政の課題を自分事として考え、どのように課題解決にアプローチできるかを真剣に検討する姿が印象的でした。

サービス開発の様子:短期間で集中してチームでアイデアを形にしていきます

イベントの様子を短い動画にまとめております。よろしければご覧ください。

10月12日(水)に実施したFinal Stageには、全10チームが進出し、熱のこもったプレゼンテーションを行いました。様々な素晴らしいサービスが提案される中、チーム「Zガード」の作品「上京物語」が都知事杯を受賞し、小池都知事から直接トロフィーを授与されました。
「上京物語」は、都が公開しているオープンデータの中から、公共施設や交通、防災などに関する様々な情報を活用して作られたサービスです。自身の価値観やライフスタイルに関する質問に答えると、AIが東京都内3000を超えるエリアから「あなたが住むべき理想の街」を見つけてくれます

受賞したZガードの皆様が挙げた苦労した点として、「多くの人に使ってもらうために、楽しく入力できる仕組みにこだわった」という言葉が印象的でした。「行政のデータ」と「民間のアイデア」が融合した、まさに都知事杯にふさわしいサービスでした。

私も実際に「上京物語」を試してみたところ、「豊島区 駒込4丁目」を理想の街として案内してくれました。巣鴨駅と駒込駅の間に位置し、地震に強く、飲食店も多いとのことで、散策に行ってみたくなりました。
東京の大きな魅力の一つは、街の多様性だと思います。東京では、一駅違うだけで街の雰囲気が全く変わります。また、駅から駅まで歩いていると、その途中でも景色や街の様子がどんどん変わっていきます。
新しい東京の魅力に触れることができるという点でも、非常に素晴らしいサービスだなと感じました!

小池都知事からトロフィーが授与されました

もっと詳しいハッカソンの様子は、以下の開催ログでご覧いただけます。

アイデアで終わらない。実際のサービスリリースへ

都知事杯オープンデータ・ハッカソンは、プレゼンだけでは終わりません。Final Stage参加チームのみなさまは、実際のサービスリリースに向けて開発等を進めました。事務局としても、技術的サポート等を継続して行い、サービスリリースに必要なノウハウを提供するなど、実際にサービスをリリースするまで伴走型で支援を行いました。

3月25日(土)には、成果発表会「Demo Day」が行われ、参加チームがそれぞれサービスリリース状況の発表や意見交換を行いました。なかには、システム開発未経験の状態から数か月でシステム実装まで行った方もいるなど、参加者のみなさまの努力と熱意には本当に頭が下がる思いでした。

サービス実装やマネタイズなど、活発な意見交換がなされました

結果として、2022年度末までに7つのチームのアイデアが形となり、サービスリリースを実現しています。以下のHPに、リリースされたサービスへのリンクがありますので、是非体験してみてください。

ハッカソンによる対話を通じて、オープンデータをさらに拡大

ハッカソンを始めたことで、行政のデータに対する姿勢も変わってきているように感じます。
これまでは、「行政のデータは行政の保有するもの」という意識が強く、これを積極的に公開するという考えはあまりなかったように思います。しかしハッカソンの開催を通じて、公開したデータから都民のQOL向上につながる具体的なサービスが生まれることを目の当たりにすることで、行政側の姿勢も変わり始めてきているという実感があります。

東京都では、2023年1月に公表した「シン・トセイ3」において、「データドリブンな都政の推進プロジェクト」として、区市町村を含めたさらなるオープンデータ化を掲げています。

2022年度のハッカソンにおいても、都民の生活に直結した区市町村のオープンデータを活用したサービスが数多く提案されました。今後は、2023年度内に設立予定のGovTech東京と連携しながら、区市町村を含めたオール東京でのデータ公開の輪をさらに広げていきたいと考えています。

今年度もオープンデータ・ハッカソンを実施します!

2年目の開催で大きな盛り上がりを見せた都知事杯オープンデータ・ハッカソンですが、今年度も更に参加者に盛り上がっていただけるよう工夫して開催する予定です。
詳細が決まり次第ウェブサイトで発表します。
是非奮ってご参加ください!

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